西暦5050年2月15日

 

今日はキャサリンと街に出て

キャサリンの友人である、森ガール・キョンコに会った。

 

キョンコは森ガールが好きそうなCAFEを経営していて

そこで彼女と待ち合わせをした。

 

CAFEに入ると、全身黒づくめのキョンコが見えた。

 

森ガールと言えば、淡い色の服を着ているイメージだったが

黒いワンピースに、黒のターバンを巻いているキョンコは間違いなく森ガールだったし

森ガール界の重鎮に見えた。

 

キョンコはキャサリンより生きている時間が若干長いように見える。

 

テーブルの向かいにキョンコが座り

私はキャサリンと横並びで座った。

 

私は〈チーズリゾット・玄米〉を

キャサリンは〈タコライス〉を注文した。

 

キョンコとキャサリンは早速、秘密の液体の話しをし始めた。

 

キャサリンは5049年に

自分のアジトで秘密の液体を開発している。

 

その液体の香りを嗅ぐと

何やら背筋がシャンとして前向きな気持ちになったり

華やかな気分になってホワホワしたりするらしい。

 

ところで、キャサリンは顔が丸い。

 

髪の毛は栗色で、おかっぱで、パーマがかかっているが

セットがあまり得意ではないので

毎日、毛先だけが異常に内巻きになっている。

 

身体も丸い。

 

総じて丸いシルエットのキャサリンと

マッチ棒のようにひょろっとしたキョンコをみていると

 

神様は明らかに人間の個性を楽しんでいるように見える。

 

私は生命の不思議を思った。

 

キャサリンもキョンコも

きっと、自らその個性を選んできたんだろうと

なんだか思った。

 

タコライスとチーズリゾット・玄米がきた。

 

 

キャサリンは「ひと口ちょうだい。」と言って

私より先にチーズリゾット・玄米の器にスプーンを突き刺した。