とにかく面白い

ジーン・アウル著 

評論社「始原への旅だち」シリーズ
 

今から20年以上も前に

図書館の児童書コーナーで出会った

始原への旅だち「大地の子エイラ」


古代先史時代

地震で一族を亡くし一人ぼっちになってしまった

新人類クロマニヨン人の少女エイラ

旧人類のネアンデルタール人の氏族に

偶然拾われ育てられます



太古の人々の日々の生活

もちろん筆者の想像なのだけれども

生き生きと描かれていて

読むたびに想像が膨らみます


滅びゆく旧人類、入れ替わる新人類

歴史が移り変わる時は

こんな風に交差し淘汰されていくのかなぁ

と、まるっきり時代の目撃者のような私



数年おきに第1部から第4部まで邦訳出版され

その都度第1部から読み返しては

「やっぱり面白い! 次が早く出ないかしら!」

と、第5部の出版を待っていたら

いつまにか10年以上たち・・・


このまま出ないのかしらと思っていたら

突如、集英社から完訳版が5部まで次々に出版


集英社「エイラ地上の旅人」シリーズ

宇野亜喜良氏のイラストが印象的

完訳版と銘打っているだけに

性に対し直截な記述もあって

今までのは児童向けの抄訳だったのねと納得


第4部の後、なかなか第5部が出版されず

12年経ってやっと出版されたことを考えると

第6部はいつになるやらと思っていたら

第5部から8年たった昨年、邦訳出版
 

1980年に第1部が出版されて(邦訳は1983年)

30数年かけ目出度く全6部作完結

・・・第7部、もしくは外伝が出たりして・・・

筆者の年齢を考えると、それはないかな?



第1部から読んできて

途中から趣きがちょっと変わってきてはいるけど

(もちろん旅が終わって落ち着いたこともあるけど)

エイラは本当に魅力的な女性


私的には第3部あたりまでが好きかなぁ

第5部からの洞窟に着いてからの生活も

生き生きと描かれていて

想像力を掻き立てられて面白いけど


筆者は自分の手で石器を作ったり

皮をなめしたり、薬草の勉強をしたり

実際に雪洞を掘って一晩を過ごしてみたりしたそう


40歳過ぎから書きはじめ75歳で完結

凄いな~ ジーン・アウルさん!