おすすめの本、カテゴリで投稿してみたけど、

本をかったわけではないんです。。


言葉のない世界


という詩集が気になって

読んでみたいんです。


ある詩がとっても印象に残って

田村隆一さん という方がとても気になります。


印象的だった詩 というのは

こちらです。



帰途

言葉なんかおぼえるんじゃなかった
言葉のない世界
意味が意味にならない世界に生きてたら
どんなによかったか


あなたが美しい言葉に復讐されても
そいつは ぼくとは無関係だ
きみが静かな意味に血を流したところで
そいつも無関係だ


あなたのやさしい眼のなかにある涙
きみの沈黙の舌からおちてくる痛苦
ぼくたちの世界にもし言葉がなかったら
ぼくはただそれを眺めて立ち去るだろう


あなたの涙に 果実の核ほどの意味があるか
きみの一滴の血に この世界の夕暮れの
ふるえるような夕焼けのひびきがあるか


言葉なんかおぼえるんじゃなかった
日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで
ぼくはあなたの涙のなかに立ちどまる
ぼくはきみの血のなかにたったひとりで掃ってくる




        田村隆一詩集『言葉のない世界』




すべての事象には、それ自体に意味があるのではなく、

それに意味があることを、言葉を通じて知っているからこそ

意味が生じる


すべてのものに意味を与えるのは 言葉 なのだろうか


でも、言葉を超えたところにある

感覚的な認識


というのもあるような気がしてきます


ことば って深い


詩って深い


そんな気持ちになって

ひきこまれました。