幕張初日アンコールの時、その事件は起きた。



開場の一番後ろの席で、双眼鏡片手にふんふんとアンコールまでを見守っていた私。



まさかキュヒョンが来るなんて思わない私は呑気に後ろの手すりに寄りかかりながら鼻をほじっていた(脚色



なぜならば、アンコールVCRが始まってもスタッフが全然見えなかったからである。



ああ、これはアリーナを練り歩くやつなんだろうな~見えないな~~と高をくくっていた。



そして、ざわめき立つスタンド席のみなさんを横目に「あ~絶対来ないって~~ないない、来たら結婚するって決めてる」などと暴言(?)を吐いていた。



なぜならば、広島、横浜で連続してキュヒョンに触れているからである。



それこそ、狙って選んでいった席だったのだから当たり前である。



そういう狙いをなしにしてただ最後くらいは静かに見たいからと選んだ後方席で、キュヒョンが来るはずなどないと思っていたし、幸運というのは連続しては続かないものだ。



大体からして、会場において一番遠い席なのであるから、まさかそんな奇跡が起こるなんて誰が思うだろうか。



しかし、事件は起きたのだ、確かに。現実である。



曲が始まる寸前、ついにスタッフが動いた。



私たちの真横にロープを張ったのだ。



OHジーザス!そんなことがあるものか!



私は冷静になろうと自分をいさめた。



とりあえず大きな声でギュと共に둘이を歌ってみる。



結果、浮かれるギュペンの中で、ひとり物静かにことのなりゆきを眺めるただの韓国語おばさんに。



同行していたすじゅぺんでも何でもない日ごろテンションが常に低い後輩が見たことないくらいにテンションを上げているのに、一切動じないただのおばさん(注:ギュペン



しかし、一歩、二歩、とキュヒョンは近づいてくるのである。



そして幸いなことに、私たちのエリアには後方ブロックがないのだ。



後方に気を取られてお尻しか見えないパターンはまずない。



ということは、キュヒョンは嫌でもこちらを向いているということになる。



OHジーザス!神よ!



どうしてこんなことになったのか!



冷静になろうと努めているせいか、キュヒョンがすぐそこまで来ても私のテンションは通常運転から切り替わらない。



後輩に「先輩!なんでそんなに落ち着いてるんですか!」と興奮気味に言われて、ようやく体の向きを変える程度には冷静だった。



いよいよキュヒョンが通る瞬間がやって来て、でも正直もう触れられるかどうかはどうでもよかった。



ただ、今までこうして穏やかな気持ちで彼を迎え入れられず、タッチすることだけに執念を燃やしてしまっていたから、今回はちゃんと彼の目を見てみたいと素直に思ったのだ。



そしてキュヒョンがやってきた。



私は申し訳程度に手を差し出しながら、じいっと彼の目を見ていた。



視線をすうっと流しながら、キュヒョンがみんなに微笑みかけている。



それがなんだかすごく美しくて、ただじいっと見つめていた。



一瞬だけ目が合って、心がきゅんとなった(乙女



しかし、事件はその先に起きたのだ。



歩きながらタッチしているので、キュヒョンからすると視線のあとに手がついてくるわけだが、視線をすうっと流した後に、目があったことに気付いたらしいキュヒョンがもう一度こちらに視線を戻してくれたのだ。



恐らくみんな手元ばかりを気にしていて、実際目が合う人は少ないのかもしれない、とあとあと思ったのだけれど。



そして、一度視線を通り過ごしてから戻してくれたことでちょうどタッチするタイミングと視線が正面でぴったりと一致して、いつもは歩きながら横顔だったキュヒョンが正面からまっすぐこちらを見て、そうっと軽く指先を握ってくれたのだ。



ぽうっとしたまま見ていたら、小さくうなずいてから、そのままキュヒョンは波に流されて行った。



ほんの1~2秒のことなのだろうけれど、本当に時が止まったみたいだった。



今までキュヒョンにキュヒョンペンだと悟られないように本人の前ではうちわも持たなかったわたしが!



近くに来ると逃げまどっていたわたしが!



OHHHHHH 神よ!!!!!!!



等価に死ねとでもいうのか!?!言われてない



でも思い込みではないと思うんです…(多分



だってまっすぐ目が合って、あの真っ黒な瞳を見ていたら本当に吸い込まれそうだったんだもの(ハァ…



小さく微笑まれたらもう魂抜かれちゃったみたいになって、ちょっと放心しちゃったんだもの(ハァ…



この7年間で、今まであんな風にちゃんと向き合えたことなんてなかったんだもの(ハァ…



あの小さい頷きが、このホールツアーで神がかった席運続きだった私を記憶のどこかで覚えてくれていたからなのか、というのはもう完全に妄想ですが(←先に申し上げておきます)、あの小さな頷きは、「ちゃんと見てるよ」って意味なんだろうなと受け取ることにしました。



タッチしたいからってのはもちろんあるけど、手元ばっかり見ていたらもったいないんだなってその時すごく思った。



キュヒョンは本当に真摯な気持ちでみんなと目を合わせて、みんなと気持ちを共有したいって思ってくれてるんだろうなって、そう痛感して、今までの自分を少し反省しました。



とはいえ、これだって今まで6公演行ってようやく学んだことで、幕張の2公演をそういう気持ちで見ることが出来てすごく良かったと思っています。



私にとって、広島・大阪・横浜・幕張の8公演は、今までのキュヒョンへの気持ちをいい糧にすることが出来たし、アイドルとして、そして人間としての彼自身をきちんと見ることが出来た素晴らしい時間だったと思います。



あのまっすぐな大きな瞳を見ていたら、本当に吸い込まれてしまいそうでした。



ポエム的に言えば、小宇宙みたい。本当に。(真顔



一瞬で魔法にかけられたみたいに、今もしっかりこの目に焼き付いています。



妄想だと笑われても別にいいんです。



そういう夢を見せてくれるキュヒョンでいてくれて、それだけでももう十分にありがたいことだから。



そういう存在でいてくれて、こうして魔法をかけ続けてくれて、本当にありがとうって心から思えます。



いつも真摯に向き合ってくれて、本当にありがとう。



キュヒョンと過ごしたこの数か月を、私はきっと忘れません。



再来週、今度は韓国で会いましょう!←スパンが短い