遠いチュニジュアでの出来事です。

    しかし、「国民のため」「国益のため」と唱えながら
    働く庶民の生活を破壊し
    「財界やアメリカ言いなり」の政治を行う政党同士の茶番国会
    を見せられている、おとなしい日本人にとって

    働く庶民が主役の新しい日本を築く道をいかに開くか・・・・・
    を真剣に考える立場では
    ニュースを見守る価値はあると思います。

    単に「過激なニュース」と無視しないで下さい!

    チュニジュア革命の中核を担うグーループの
    コメントと「フランス革新派の連帯声明」です。

民衆決起が独裁者を打倒した

チュニジア革命に勝利を!
北アフリカ・中東革命の最前線

「アル・ムナディル(戦士)」

 一月一四日、チュニジアの独裁者が民衆決起で打倒された。

ベン・アリとその一族は逃亡したが、

成立した暫定政権には、

独裁国家の中枢・立憲民主連合(RCD、デストゥール党)の幹部たちが居座っている。


労働者・市民はこうした一党の追放まで闘いを持続しようとしている。

ベン・アリ独裁は国際資本の優等生だった。

日本政府もベン・アリ独裁との経済協力を進め、

多くの日本企業も進出していた。

独裁を支えていたのは先進資本主義国の支配階級だつた。


闘いの火は、チュニジアにとどまらずエジプト、アルジェリア、モロッコなどにも波及しつつある。

以下に掲載するのは北アフリカの革命を担うグル-プたちによる声明である。(かけはし紙・編集部)


ベン・アリは国際資本の優等生
 アラブの暴君がついに民衆革命によって打倒された。

独裁者ベン・アリは、二三年間におよぶ専制・略奪・弾圧の末に、

革命的なチュニジア民衆の「ベン・アリ、出ていけ」の叫びの中で屈辱的に失格を宣告されて逃亡した。

一九八七年以来、ベン・アリは腐敗し堕落したブルジョアを引き連れていた。

とりわけ彼の妻、血縁者であるトラベルシ(妻の実兄)とマテレルは、

警察・捜査の機構・・・(軍や別の弾圧機構を勘定にいれずに警察官だけで一五万人いた。

この数は二七人のチュニジア人あたり一人の警察官がいることになり、

マグレブ地方[サハラ以北の北アフリカ]で第一位となる・・・だけで、

ベン・アリがチュニジアの富を盗み、国民を侮辱し、人びとを飢えさせ続けるに

十分だとつねに信じ込んでいた。

 ベン・アリ政権は、

グローバル金融機関、そして基本的にはフランス帝国主義の輝かしい優等生だった。


かれらはチュニジアの豊かなパイの分け前を手に入れるために、

シニカルにもベン・アリ独裁を大目に見たうえに、

「北アフリカの香港」として「チュニジアの奇跡」について多言を弄した。


それは、ベン・アリと世界銀行の被害者たちがヒーローとなった

本物の奇跡が目覚めるまでのことだった。


革命は時代遅れの幻想ではない

チュニジア革命は一月一四日に起きた。

その引き金となったのは、一カ月前にシディブジド(中部の都市)で起こった出来事だった。

ムハンマド・エルブアジジという若者が、失業と侮辱に抗議して焼身自殺したのである。


チュニジア全土に勢いを増しながら広がり、

支配の柱を激しく揺るがした民衆的炎になったのは、この若者の火であった。


一つのデモからもう一つのデモへ、一つのバリケードからもう一つのバリケードへ、

そして一つの「殉教」からもう一つの「殉教」へ、

決起の波が発展・成長し、

「老いた龍」の頭を求めてカルタゴの虐政者の宮殿に向かう道を切り開いた。

求めていたことが獲得された。

年老いた圧制者はパニックにおちいり逃亡した。

それは、チュニジアの一般民衆、

そして大マグレブ(全北アフリカ)、アラブ・アマジグ(先住民族のベルベル人)地域の

すべての民衆、そして全世界のすべての被抑圧・被搾取民衆にとって

重大かつ偉大な勝利である。


それは民衆の意思は不屈であり、革命は時代遅れのラディカル派のたんなる幻想ではない

という、アラブ、アマジグ、アフリカ人への証である。

革命はチュニジアの街頭を血肉を持った存在として走り抜けている。


革命の伝染は不可避であるため、

すべての革命家はあらゆる場所を揺り動かそうではないか。


労働者・貧農・民衆評議会を
チュニジア革命は巨大な前進を成し遂げた。

しかし革命の運命は未だ決定されておらず、一掃すべき多くの汚物がなお残っている。

革命の敵は、いまだ決定的敗北をこうむってはおらず、


「反革命の龍」とは老いた暴君の頭以上のものである。

それは世界のすべての反動的勢力に全面的に支持された政治システムなのである。

それはよろめき、揺れ動くシステムだが、

自らを締め上げた民衆の街頭制圧から抜け出る希望をいまだ失ってはいない。

それは歴史上最も古臭い警察機構への命令権限を依然として保持している。

それは腐敗したシステムであり、

それが革命的民衆を代表する暫定政権によって機能をマヒさせられ

置き換えられないのであれば、

チュニジアの一般民衆の希望を達成することはできないだろう。


すべてのレベルで

国家を管理する規則を設定する憲法制定議会の選挙を監督するための、

労働者・貧農・一般民衆の政府を。

革命家と革命的民衆は暫定政権を待つのではなく、

工場、居住地域、学校、さらに兵営においても

労働者・民衆評議会の形成を追求

しなければならない。


評議会は地域から全国レベルにおいてまで存在するべきであり、

あらゆる代議員をいつでも解任する可能性を持って選出されるべきである。


それらは国を統治する革命的権力であるべきであり、

反革命とそのプロパガンダ、弾圧、ゲームに対する革命的な盾である。


そして革命の将来は、

こうした労働者・民衆評議会、

そして軍隊、

あるいは少なくとも軍隊の一部の自らの側への獲得を基礎にしたものである。


評議会に規制された革命的民衆の武装は、

革命を前進させ、あらゆる外国の介入から防衛するための保障である。


ベン・アリ一派の残党を信用するな!

 民衆の勝利に必死に乗っかろうとするリベラル政治勢力に警戒せよ! 

すべての権力を革命的民衆へ!

これがすべてのチュニジアの革命派を統一させるスローガンだ。
第二、第三、第四、そして第五のチュニジアを! 

分裂を策す虐政反対!

 民主・統一・社会主義の大マグレブを! 

これらが大マグレブ地域の革命派を統一すべきスローガンだ。
北アフリカ、中東における革命の最前線、

チュニジア革命に勝利を!

  二〇一一年一月一四日


(「インターナショナルビューポイント」一一年一月号)



フランス反資本主義新党(NPA)の声明
ベン・アリは逃亡した! 
進行中の革命を支持する

 ベン・アリ大統領の最後の演説は、何者をも納得させなかった。

大衆的なデモが終日行われ、とりわけ首都チュニスでは幾万人もの民衆が

ベン・アリの辞任を要求した。

 政府の完全な変革という声明も、早期の選挙も、

青年、労働者、全民衆の動員を終わらせてはいない。

 警察の弾圧が続いている。
 二三年間権力の座にあり、フランス政府が最後まで支持していた独裁者ベン・アリは逃亡した。

彼はパリに向かっているようである。

それが事実だとすれば、

そのことはフランス政府と打倒された独裁者との結託のさらなる証拠となるだろう。

 ベン・アリは出国前に非常事態を宣言した。軍は飛行場を支配下に置いている。
 ベン・アリの支持者と軍との間の権力闘争が先鋭化することは疑いない。

 独裁者の逃亡はチュニジア民衆の大勝利だ。
 NPAはあらためてチュニジア民衆とかれらの熱望である民主革命を全面的に支持する。

反資本主義新党(NPA)
パリ、二〇一一年一月一四日


チュニジア人民に連帯する
仏左翼・緑の党の統一声明
二〇一一年一月一四日

チュニジア情勢は憂慮すべき状態にあり、われわれはその深刻さに憂慮している。

われわれはシディブジド連帯統一コレクティフが呼びかけた一月一五日のデモ(午後二時 パリ、レプブリック広場)に参加するよう訴える。
 われわれは、この弾圧の即時停止、および政治犯と労働組合員とジャーナリストの全員の釈放を要求するとともに、民主的反政府勢力が掲げる要求を考慮に入れるよう求める。
 われわれは、フランス政府とEUがチュニジア政権に対する公然・非公然の支持をやめ、真の民主主義を支持するよう要求する。


欧州エコロジー=緑の党、社会的・民主的オールターナティブ連盟、

統一左翼、反資本主義新党、フランス共産党、左翼党、左翼急進党、社会党



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