私が大失敗キャプテンだった理由 | スポーツに活きる学びを発信する!チャレ子の学びDays

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私は大学でテニス部に所属していました。そこで、キャプテンに任命されたんですが、人望がなさすぎる&誰もついてこない&痛いキャプテンとなり、大大大失敗したんです。

 

その時の失敗に向き合い、ある書籍から、失敗した理由を自分なりに意味づけができた過程をご紹介します。スポーツだけでなく、リーダーの立場の方や指導者の方にも、読んでいただけたらうれしいです。

 

誰もついてこないキャプテン

キャプテンになったとき、「目標達成するためには何でもしよう!!」と気合が十分でしたが、気付いたら誰もついてきてなかった、、、

 

私はゴリゴリ系で、つっぱしる、自己中心的人間なのでだめでした。あるあるですけど、人に高い要求して、自分はできてない奴です。

 

例えば、自分が怪我で出ていなかった団体戦でチームがぼろ負けしたとき。試合後「なんだこれは」と全員にブチギレ。後日部員一人一人を呼びつけ、説教するありさま。

 

 

自分が部下だったら付いていきたくない。うぜーと思うリーダー。でも自分がリーダーになると、そういう発言や態度をしてしまう。不思議なもんです。

 

 

嫌われると、何してもだめなんですよね。ものすごい嫌われて落ち込んで。でも人のせいにしたくなって。で、また折れて。さすがにしばらくすると嫌われないようにと、なんとなくうまくやることに必死になってくる。

 

 

でもそこばかり気にしているから、リーダーとして勝利に対する信念みたいなものが、わからなくなって、なくなっていきました。

 

だから、キャプテンとして最後までうまくチームをまとめるなんて、全くできませんでした。だから、チームとしての結果も、もちろんついてきませんでした。。。泣

 

 

なぜ信頼してもらえないキャプテンになったのか?

 そりゃーあんな態度してたら嫌われるの当たり前だわなと、取り戻せない過去を反省する日々。。。で、考えれば考えるほど疑問がわいてくるわけです。

 

自分はあのとき、目標に向かって一生懸命になっていて、嫌われたいなんて思ってもいなかった。自分なりの正義を持ってやっていたのに、なぜあんなにうまくいかなかったんだろうか。

 

●なぜあのとき自分は信頼されなかったのか?
●何がリーダーとして足りなかったのか?

 

細かい素行を考えればいくらでも良くなかったことは挙げられますが、でもリーダーとして大事なことをわかっていなかったんじゃないかと思うわけです。

 

 

「それがわからないと、また同じことを繰り返してしまう!なんとかせねば!」と、しばらく目を背けていた思い出に向き合うために、立ち上がりました。

 

 

で、会社に入ってからリーダーシップのこと調べたら、まあ情報に溢れていました。マカリスター博士はこんな数字を出しています。

 

過去5年間の主要な経営学の学術誌6誌に、リーダーシップに関する論文は計134本。そこには「オーセンティック」「トランスフォーメーショナル(変革型)」「カリスマ的」「エシカル」「サーバント(奉仕型)」など、少なくとも29のリーダーシップ理論が提唱されていた。https://www.dhbr.net/articles/-/6368

 

いろんなリーダーのスタイルがあって、それらの良さと悪さなどについては読むとわかるのですが、結局私は「何が足りなかったんだ?」「どうしていたらよかったんだ?」という疑問を解消するには至りませんでした。

 

で!この本でついに、刺さりました。

レス・ギブリン著「人望の集まる人の考え方」

 

1956年刊行で世界で500万部売れたらしく、、、世界中に私みたいな失敗してた人いるんだなと読む前に、ニヤけてしまいました。

 

 

リーダーが知るべき「人間の習性・原則」

 この本は研究の結果や、臨床の実績から、人の心にある「習性・原則」(人ってこういうとき、こう思ったりこう感じたりするものです)を正しく理解させることを目的にしているんです。

 

スタイル・スキルの前提にある、なぜ?を説明しているから、この習性・原則を知っていれば、小手先のテクニックはいらないと言っています。

 

ではでは!ひっぱりましたが、私に気付きを与えたこの本に記載された「人間の習性・原則」とはこれ。

 

すべての人は自尊心を満たしてほしいと強く思っている。自尊心を傷つける存在を敵とみなす。

 

自尊心とは簡単に言うと、「自分は価値がある」「自分は重要な存在」だと感じる心です。そして

 

「人は自尊心を傷つけられると感情的になりやすいが、自尊心を大切にされると理性的に振る舞う」

 

のです。だから、自尊心は胃袋に例えることができると言っています。

 

「自尊心が深く傷ついた人は、腹をすかせた猛犬のようなものだ。」

 

これもわかりやすくて笑ってしまいました。

 

 

しばらくご飯食べなくておなかをすかせていると、普段温厚な人でもイライラしやすかったり、強情になったりしますよね。この空腹の胃袋と同じで、自尊心が満たされない状態だと、他者に対して批判的になったり、何をしても満足いかない、摩擦やトラブルを起こしやすいのです。

 

 

空腹でガビガビになっている状態を打破するには、満たすしかない。満たされたらやっと他のことに目を向け、他人に寛容な態度を取ることができるのです!

 

私は、これを知って、人と接する際の根本にある大切な鍵カギを発見した感じがしました。

 

 

私ができていなかったこと

 私は自分がだめな人望のないキャプテンだった理由が見えてきました。

 

キャプテンのとき、部員一人一人の自尊心を踏みにじっていたと思いました。相手の足りないと思うことばかり指摘して「あなたがチームの中で大切な存在だ。」という大前提を伝えていなかった。

 

思っていても、それを言葉や態度で表現できていなければ、絶対に伝わりません。

 

 

体育会に所属する人は、一生懸命がんばれる人が多いですが、私のリーダーとしての言葉や態度は、部員の自尊心を大きく傷つけていたんだと思います。だから本能的に私を「敵」だと見えるような状況に、追い込んでいたのだと思いました。

 

そして嫌われまくった私も自尊心が低くなり、自分のことしか目に行かない状態になっていたのだと思います。

 

 

チーム戦では、チームに関わる全員が勝敗に影響しています。最高のチームをつくるためには、どれだけ技術的な戦力が揃っていても、人との関わり方が適切でなけければ、良いパフォーマンスは生み出されないと思っています。

 

 

リーダーは、ぜひ私のような失敗をしないためにも、この原理を知ってもらいたいです。一人一人と接していくことを心掛けると、いままでうまくいかなかったことが変わってくる可能性があると思います。

 

 

他にもあるよ!納得の「人の習性・原則」

その他、私のキャプテン話とは離れてしまいますが、本に書かれた納得の説明をご紹介します!

 

■すべての人は自分が重要な存在だと感じたがっているだけではなく、自分の重要性を他人に認めてほしいと思っている。
■自己中心的な人は、自尊心が高すぎるのではなく、自尊心が低すぎる
■自尊心が満たされると、他者を受け入れられるようになる。人の話に聞く耳を持つようになる。ミスを指摘されても、素直に認められる。批判されても、受け流す自信があるから、おおらかな態度でいられる。
■人間関係における大切なことは、相手に正論をふりかざすことではなく、相手の自尊心を満たす方法を実行すること
■礼儀やマナーは、相手の重要性を認める行為
■一人一人の重要感を満たすには、少しずつ注目するだけでいい
■他者が重要な存在であることを肝に銘じる。誠意は必ず相手に伝わる。

 

原則がわかると、なぜそれが起こっているのかを分析できるし、何が大切なのかを自分で考えて導く「視点」をくれますね。

 

 

指導者の視点+しくじりリーダーの視点

 最後に、伝えたいことまとめます。まず指導者の視点として。スポーツ選手や、少年・青年達はいろいろな経験をする中で、自尊心が満たされない・空腹な状態がおとずれることが多くあると思います。だから、いろいろなアドバイスを受け入れる姿勢になれないこともあるでしょう。

 

 

もちろんそこで彼らが、失敗から学んで立ち上がる方法もありますが、周囲の人間が彼らの自尊心を満たすサポート、一人一人が価値を持っていることを実感させることで、早く立ち上がり前向きになれることもあると思います。

 

 

 あと、しくじりリーダーからの視点。リーダーも相手から攻撃されたり、拒絶されたりすると、自尊心ズタボロで感情的になりがち。でもメンバーとどんな言葉で接するのか、どんな行動をとると伝わりそうか、細部は個々の工夫が必要ですが、それに向き合うことがリーダーの大切な仕事の一つになるのではないかと思います。

 

 

リーダーでなくても、チーム競技・個人競技、仕事も、勉強も、誰かと関わりながら取組んでいますから、周囲と協力してうまくやってくための、この原則知ってると武器になりそうですね。

 

明日から人との接し方変えてみようかなと思ったら、ぜひ行動してみてください!私は、この視点が得られて世界の見え方が変わった気がします!

 

 

そして、私は「腹をすかせた猛獣」になりがちな自分を、わかるようになったので、注意してます!!!

 

 

 

<参考・引用>
・レス・ギブリン(2016)人望が集まる人の考え方
・伊藤圭子(2017)鹿毛雅治(編).モチベーションをまなぶ12の理論
・チャーン・マカリスター シェリー・モス マーク J. マーティンコ (2020)部下に好かれるリーダーは、なぜ有能に見えるのか.ハーバードビジネスレビュー.https://www.dhbr.net/articles/-/6368

 

 

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