みなさん!世界のトップアスリートがどんなメンタル面のトレーニングをしているか気になりませんか?
「試合で自分の力を最大限に発揮するための考え方」をトレーニングしている人が多いです。
中でも,有名なメソッドとしてあげられるのはゴルフ「ビジョン54」
宮里藍選手が取り入れていたので、日本でもゴルフ界の方はご存知かと思います。女子ゴルフ史に残るスーパースターLPGA通算72勝を飾り、史上最多8度の賞金女王に輝いたスウェーデンのアニカ・ソレンスタムや、その他世界で活躍するゴルフ選手がこの「ビジョン54」を実践していたそうです
この手法はメンタルコーチで,ナショナルチームサポートも行っているピア・ニールソンとリン・マリオットが開発したものです。
なぜトッププレーヤーはこの手法を実践しようとしたのでしょうか??
アニカ・ソレンスタムは世界ナンバーワンになる前、当時ナンバーワンになるために必要なこととして以下のことに気づいたと言っています
・技術を磨くだけでは、ゴルファーとして進歩できない。人として成長することが不可欠。
・ゴルフがどういうものであるかを追求し、最大の能力を発揮できる戦略を組み立てる必要がある。
それを実現するための手法として「ビジョン54」は適していると判断したため、実践したそうです。
私は「ゴルフビジョン54の哲学」という本を読んで、これは他のスポーツにも応用できると思いました!特に、1つ1つのショットの間に時間がある競技(陸上の投てき・跳躍系の種目、アーチェリー、ボーリング、弓道、射的など)や1つ1つのポイントの間に時間がある競技(卓球、テニス、バドミントンなど)には応用しやすいのではないかと思います。
メソッドのコンセプトも素晴らしいと思うので、私が特に重要だと感じた部分まとめてみたので、ご紹介します
<ゴルフ「ビジョン54」まとめ>
■ビジョン54の哲学
人の潜在能力の限界は、その人の想像力と意欲の限界に過ぎない。つまり、やれると信じる気持ち次第で、本当にやれるかどうかが決まる。
(ちなみに「ビジョン54」の54はゴルフにおいてすべてのホールでバーディーを取ったときのスコア)
■ビジョン54の効果
・どんなレベルの人でも、さらに能力を伸ばせる。上達できる。
・その競技のおもしろさ、楽しさに気付ける。
・自分を理解し、進歩させる習慣が身につく。
■選手が解決すべき問題
・悪いショットの原因は悪いスイングだが、悪いスイングを引き起こしているのは、たいてい悪い思考。
・人は無限に伸ばせる潜在能力を備えているのに、失敗を恐れたり、周囲の否定的な考えに惑わされて伸ばしきれていないことが多い。
・試合で自分の力が発揮できない理由は、①思考が行動を邪魔している。②緊張(今成し遂げようとしていることへの自分の能力への自信の欠落)
■問題を解決するために実践するスキル・思考
①プレー中「思考ボックス」「決断ライン」「実行ボックス」を使う
これは、まさに行動を悪い思考に邪魔させないために、必須のスキルです
step1.思考ボックスで、次のショット・ポイントでどういうことをするのか考える
step2.決断したら決断ラインを超える
step3.実行ボックスに入ったら、決断したことをやるだけ
★思考ボックスとは
次のショット(ポイント)に関するあらゆることを考えて決断する場所。
・分析する。計算する。戦略を組み立てる。
・自分/相手はどういう状態か確認する。
・何に気を付けるべきか考える。
・大事なことを思い出す。
・どんなフォームで打つべきか考える。
★決断ラインとは
思考ボックスと実行ボックスの境界線(仮想の線を引く)
・このラインを越えたら、考え直したり迷ったりしない。
・やることがシンプルにまとまったら、ラインを超える
★実行ボックスとは
思考ボックスで決めたことを実行する場。
・イメージを持つ。
・決断したことをするだけ。
・迷うのは、思考ボックスで。
・何をしていいかわからなくなったら、思考ボックスへ戻る。
②エネルギーは「自分でコントロール可能な目標」にのみ費やし、試合中はその目標だけを追いかける
勝利を実現するために、一番無駄なエネルギーは、自分がコントロールできないことにあれこれ悩むこと
勝利に繫がる「自分でコントロールできること」を目標にすれば行動が具体化するし、努力の方向性をぶれません。だから試合中は結果についてではなく、勝利へのプロセスとなる「自分でコントロールできること」にフォーカスすることが力を発揮するために効果的なのです
目標例:
・ショットを打つ前に決断してから、入ろう。
・すべてのポイントで、前向きな気持ちで自分に声を掛けてから入ろう。
ちなみに、コントロール可能なもの不可能なものの例はこんな感じ
<コントロール可能なもの>
・考え方 ・決断 ・姿勢 ・確認作業 ・姿勢 ・食事 ・戦略
<コントロール不可能なもの>
・相手 ・天候 ・コース/コートの状態 ・観客 ・スコア ・過去 ・勝利
③思い込みをエネルギーにする
衝撃的なことに、人の脳は思い込みと現実を区別できないそうです
だから、信じるとそれが事実であるようにに体が反応するので、思い込みは現実になると言われています
例えば、よくあるのが「自分は足が遅いからマラソンで4時間きることなんてできない。」とか、「私は頭が悪いし、40歳を越えているので、いまから英語がペラペラ喋れるようになることはできない。」とか。。。
でも「思い込み」と「こうなりたい(意志)」が合致したとき、それがポジティブなエネルギーになって能力が最大に花を開く
と言っています。
だからまず、自分に対して、他者、競技、仕事などあらゆる思い込みを洗い出して、変えた方が望ましいものは改める、つまり悪い思い込みの変換作業をしましょう🔄ビジョン54の根幹を成す哲学に繋がりますね
例:
・自分は練習時間が短いからプロになることはできない
→練習時間が短くても質が高ければ可能性はある
・自分は緊張しやすいので人前で話すのは向いていない
→人前で話すことは何度かやれば慣れる
いかがでしたでしょうか??今回のまとめは私がビビッっときたところを抜粋していますが、この本は、1つ1つの言葉に、メッセージが込められていて、ぐさぐさ刺さります
本気の方は本を読んで、ぜひ気づきを得てください
この本にも成長には学びが必要で「学ぶためには、気づく必要がある」というフレーズが何度も出てきます
気づくことは楽しいですし、チャレンジ精神に火が付きますね
よし、がんばりましょう
〈参考〉
ピア・ニールセン、リン・マリオット、ロン・シラク:ゴルフ「ビジョン54」の哲学-楽しみながら上達する22章 (ちくま文庫)
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