母に告げた日

私の母は昔から



慰めてくれる時や励ましてくれる時
あたたかい言葉をくれる時は

私の頬を掌で包みながら

話してくれる

夫の不倫に気付いてから

眠れず食事も喉を通らず

みるみる痩せてやつれてしまったので





母に心配をかけたくなくて
あまり実家に顔を出さずにいたけれど

ある時、母に用事を頼まれて

もう実家に行くしかなくて

できるだけ明るくしていようと

気をつけていたけれど

玄関先で手を引かれ
ソファに座らされて

母が私の頬を包みながら

「何があったの？」と
小さな声で言った






顔を上げると
母は既に泣いていて
私も止まらなくなってしまって

全て話した







母は

助けてほしいことがあったら何でも言ってね
今は子供達のためにも
ちゃんとごはんだけは食べてね

と言ってくれて




少しだけ心が軽くなった









あれからもう５年


何も話してはいないけれど



実家に帰ると

母は私にベッタリくっついて離れない