社中での茶事は、千鳥の杯まできた。

亭主は、八寸と燗鍋を持ち入ってゆく。

私も同じように持つ。

今回は社中総動員のため、片手では足りないお客様の人数。

時間節約のため、私も千鳥の杯をする。

千鳥と呼ぶのは、亭主と客の間でお酌を交互に行ったり来たりするからだとか。

始めはお客様にお酒をついでいき、八寸から海のものを箸洗いの蓋によそう。

その後に交互に飲む。

しかし「千鳥」ばかり頭にあって、最初からやろうとしてしまった(汗)

茶事における亭主って、結構お酒を飲む量が!

下戸にはソフトドリンクという方法もあるらしいが、、

その日の私は、苦手な日本酒を全て飲み干した。

まだお点前もあるからマズイなと思いながら。

だが、日本酒は何処へ蒸発してしまったようだった。

全く酔わなかった。

これは緊張していた証拠か?


千鳥が終わったら、私にはすることがある。

腰掛待合の準備や露地の打水だ。

先生から、足元に水溜まりを作らないことも大切だが、余裕があれば木の葉っぱにも気をつけてと。

なぜなら、お客様が歩いた時に着物が濡れることもあるからだ。

この言葉を思い出し、着物に触れそうな葉や枝の水滴を吸い取る。

ふと振り返ると、先生が建物内から半顔でこちらを見ていた。

ニャ~としながら去って行くのが見えた。

この部分は、よく出来ました~ということだろうか(笑)