私は仕事柄人と接することが多い。そこでは色んな会話をする。
何気ない日常の話だってもちろんする。今ツライこと、欲していること、色んな声を聴いて、その人の本当に言わんとすることを必死で探すことが私の仕事。
だけど、話せない人を目の前にすることも多々ある。
人はたくさんの想いを抱えていて、そんな心の声が私は聴きたい。
話せなくても人は時にいろんなサインを発している。
握った手が温かかったり、頬を伝う涙であったり、乾いた喉が声を嗄らしていたり、しきりに暴れていたり・・・。
それが何を意図して発しているのか、知っているのはその人だけ。
けれど少しでもその人の気持ちがわかれば・・・。少しでも満たすことができたなら・・・。そんなことを考えて仕事が出来るようになったのは本当に最近のこと。
いつも目まぐるしく忙しい毎日。山積みになった仕事。そんな中で、少し立ち止まって声に耳を傾ける余裕すらなかった私。
人と話すことは好き。だけど、どこか仕事と割り切って接していた私。
少し余裕も出来て、少しずつ立ち止まって声を聴くことが出来るようになって、いつもとは違うその人の顔が見られた。
いつもは前向きで元気いっぱいのその人は泣いていた。
何も見えてなかった自分が恥ずかしいと思い、その人に申し訳ないと思い、その反面その声が聴けたことが嬉しかった。
声を聴くこと。大切なことではあるけど、それはとても大変なこと。思いもよらない要求であったり、心にズシンと来る重い言葉であったり。私はそれを受け入れなければいけない。
つらいその人を見ているとき、時に立ち止まって声を聴くには自分自身勇気がいることだってある。
だけど、その人の笑顔が見られたとき、ありがとうの声が聴けたとき。
私はそれだけでこの仕事を頑張れる力をもらう。
だからこれからも私はたくさんの人の声を聴きたい。