アナベル
遅れていた梅雨入りもいよいよというところでしょうか。苦手なこの時期ではあるのですが、楽しみもあります。大好きなアジサイの花の季節でもあるからです。ことにこの白い花、アナベル。最近は八重や額紫陽花など華やかな品種がたくさん見られるようになったのですが、バラで言えば野バラのような、繊細で少女のような風情のアナベルの白が好きです。蕾の頃は淡い緑、花が咲くと純白、咲き進んでいくと再び緑に変化し、秋にはドライフラワーのように乾燥した茶色へと変化していきます。アナベルは、北アメリカ東部に自生するアメリカノリノキの変種を品種化したアジサイで、園芸品種ではなく、イリノイ州のアンナ市の近くで発見された野生のアジサイなんだそうです。アナベルの名前の由来は所説あり、①古代ローマ時代の男性名アマビリスを女性化したアナベルに由来する説。 (アマビリスとは「愛すべき」という意味)②アナベルの原種が発見されたイリノイ州アンナ市に因んでいるとする説。そして私が共感できる説は、③エドガー・アラン・ポーが最後に残した詩「アナベル・リー(Annabel Lee)」に由来する説。この詩は、アメリカの地方伝説である船乗りと娘の悲恋の物語を元に創作されたのではないかと言われており、伝説は亡くなってしまった娘を思い続ける船乗りの話で、ポーは若くして亡くなった妻への思いをこの詩の中で綴っています。と、ずいぶん長々としゃべってしまいました (~_~;)バラを見逃してしまった今初夏、紫陽花だけは見逃さず、新しく買った水玉模様のレインコートを羽織って出かける予定です。