牙をなくした母ライオン
今日も娘は頑張って起きた。私を刺すような目で睨みつけながら。こういう時、うまくいっているお家の母親はどういうふうなんだろう。あんたー!なにその目ー!いい加減にしーやー!今日寒いからあったかい靴下履いてき!なのか、おはよう、今日も髪の毛サラサラでバッチリ可愛いわね🩷朝ごはんはバナナヨーグルトよ。なのか、分からない。児童相談所からはとにかく寄り添ってと言われている私は、寄り添うの意味がわからなくなってきた。だからおはようだけを言って、ご飯置いとくね、と部屋の前にバナナヨーグルトだけをそっと置いた。家を出なきゃいけないタイムリミットが来て、娘にあと何分?と声をかける。「早くしなさい」とか「いつまで眉毛剃ってるの!」とか言わない私は寄り添いポテトだ。来世ポテトに生まれ変わっている自分に思いを馳せていたら、制服のベルトが飛んできた。ついで、制服のスカートも。「持ってといて」最後の仕上げにぶっきらぼうな言葉がドスン。要約すると、時間がないから車で着替える。このベルトと制服を車に先に持って行ってください。だ。児童相談所のやざわさんよ、こういう時も私は寄り添うんですかね?人に物を頼む時は丁寧に言いなさい、とか、ものは投げないで、とか、感謝の気持ちはないのか、とか、朝から説教する気力もないし、ママはそういうふうに言われると悲しい。とか、もっと丁寧に物を扱って欲しい。とか、私主体の感情を冷静に伝える。というのもしんどい。分かっている、彼女は戦っている。金曜日に学校に行くのも、多分彼女の頭の中でぐるぐる、わけのわからない感情や、疲れや、色々な物が洗濯機の中みたいに渦巻いているのだろう。私は牙をなくした母ライオンだ。ロボットになりたい。自分で、感情のスイッチをオンオフできる半分ロボットがいい。悲しい時はオフにして、嬉しい時楽しい時だけオンにする。今日寒いからあったかい格好してね、とだけ言って、制服を車に持って行った。今日あったいい事お昼に適当に作った納豆梅しそバターパスタがめちゃうま。今朝方見た夢が、溺れていた子供を助けに潜って、見事引き上げに成功する夢だった。目覚めが良かった。今日も猫が可愛い。