新海は新年度、入ってすぐに挨拶に行ったら「よろしく」との一言があったが自分自身もまだまだ修行中のみであり、なかなか何をどうしたら良いのか?全く解っていない状態であった。さしあたっては過去の記録を読み、新海と言う男を知ることから始めることとした。
新海は近くにある児童養護施設から措置延長でうちに入って来た利用者であったが、過去には様々な経験をしていたようであった。母親は既に亡くなっており、父親も勿論、他界していた。兄弟もいるが一番年の近い兄貴がどうやら新海の保護者として毎月1回、施設に訪れていた。兄は今までに面識はなかったが、昨年度の担当の話によると非常に良い人との評判であった。
4月はとにかく当たり障りなく、とにかく外から見守るようなスタンスで新海と向き合っていくつもりだったのだが、なかなかそうはいかなかったのである。