バラ色、とまでは思いませんでしたが、借金まみれの親元を離れ、まがいなりにも独立して生活することに、何かわからないけれど大きな希望がありました。
それがまだ入学もしていないうちに「学生寮」のオリエンテーションという暴力に壊されてゆく…絶望感いっぱいでした。
でも、僕にはここしか居場所はない、ここで生きて行くしかない、と思うと腹に力が入りました。。
翌朝(2日目)は6時半に起きて、軽くランニングをしました。
神社の横に桜並木があり、まだつぼみは固かったです。
まるで今の僕たちのよう。桜はもうすぐ咲くのに、まだ固い蕾のままです。
走るのが好きな委員さんは大久保さんといいました。
実はこの大久保さん初対面ではないのがだんだんわかってきました。
去年高校3年生の時に、この大学主催の、大学体験会がありました。
一日キャンプの予定も組み込まれていました。
その時の指導員さんでした!
おどろくことにその班でいっしょだった、串本君も同じ寮生でした。
まったくの一人切りだと思っていたのに、知ってる(そんなに親しくないけど)人を見つけるのは、さらに希望の灯をともしてくれました。
大久保さんが親切なのは知っていました。
その人が、「返事!」「声が小さい!」とやっていたのは「演技?」
と少し気づき始めていたのです。。