私が入院したのは6人部屋。
手術日から1週間は沈黙療法ということもあり、私は同室の誰とも話すことはなかった。
けれど、静かな病室で誰かと誰かが話すと完全に筒抜けなわけで![]()
盗み聞き、するつもりなんてなくても、いろいろ知れてしまう。
私以外の5人は、入院中に入れ替わりもあったけれど、みんな癌だった。
大腸癌、食道癌、乳癌。
癌の人の中に、命に関わらない病気で手術した私。
贅沢な手術をさせてもらって、なんだか居場所を間違えた感じがした![]()
化学治療のために定期的に入退院してる人や、
今回初めてわかって手術して、検査結果待ちしながらの人、
最初に判明した以外のところにも癌が見つかって、なかなか退院できない人。
独り者でいろんな友達に電話してる人、
家族が少しだけの時間でも毎日来てくれる人、
せっかく家族が来てくれてもツンケン
している人。
いろんな人がいたけれど、共通して、みんな前向きに元気だ、と思った。
癌になってしまったものは仕方ないから、これからどう付き合っていくかを考えよう、と。
もちろん、不安がないわけがないと思う。
同じ病気を抱えた仲間がいる病室だからこそ、というのもあるかもしれない。
今や、2人に1人が癌になる時代![]()
発症する確率が上がった一方、癌は治る病気にもなってきた。
同じステージ4でも発覚して1か月でなくなった義理の祖母もいれば、
7年入退院で投薬を続けながら、普段は孫の面倒を見ているおばあさんもいる。
薬が合うかどうか、他に病気があるかなど、人によって治り方は違うけど、
気の持ち方もきっと大きく影響する要素の1つだと思う。
母にきちんと定期的に検査を受けるよう言ったら、「病院で調べたら何かしら見つかるから行かない」と言われた![]()
病院に行くよう説得しても聞かない両親だし、それはそれで1つの考え方なのかもしれない![]()