子どもグリーフサポートステーションは、大切な人を亡くした子どものサポートを行っています。
具体的には、定期的に「グリーフサポートプログラム」を開催しており、そこでは大切な人を亡くした子どもたちが集まり、一緒に遊んだりおしゃべりしたり、ということをしています。
プログラムには「ファシリテーター」とよばれるボランティアさんが来てくれているのですが、初めて子どもと接したファシリテーターさんによく驚かれることがあります。
「子どもたち、すごく元気ですね」
と。
子どもだから、元気に遊び回っているのは当然なのですが、どうも“死別をしている”という条件がつくと、なんだか暗くて、いつもメソメソ泣いていて、常に悲しい寂しい思いをしている、というイメージができてしまうようです。
そんなイメージをもってプログラムに参加すると、あまりに子どもたちが元気良すぎて、拍子抜けしてしまうのです。
よくよく考えてみれば、大人だって、死別をしても24時間ずっと悲しみに暮れているわけではありません。(そうなってしまうこともありますが。)
大切な人は死んでしまっても、自分はまだ生きているし、生きていれば生活をしなければなりません。
ごはんを食べたり、テレビを見たり、学校に行ったり、仕事に行ったり、友人と過ごしたり、好きなことをしたり。
でも、決して亡くなった人のことを忘れてしまったわけではありません。
きっと悲しみや寂しさ、いとおしさも持ち続けながら、日常生活を送っているでしょう。
子どもたちも、大切な人を忘れてしまったわけではないけれど、遊びたいときは遊ぶし、笑いたいときは笑うのです。
でも時にふと、亡くなった人のことを思い出して、色々な気持ちになることもあります。
グリーフプログラムでは、子どもたちは遊びたいときは遊ぶことができ、何もしたくないときは何もしなくても良く、暴れたいときには安全に暴れることができます。子どもたちがその時の気持ちや状態に合わせて、自分らしく過ごすことができるのです。
ふいに亡くなった人のことを思い出したり、お話したい気持ちになったりしたときには、遊びのなかで表現することができるし、話を聞いてくれる人もいます。
そんなプログラムでは、大きな動きで遊びまわる子もいれば、静かに遊ぶ子もいます。
たぶん、一見すると、大切な人を亡くした子どもたちの集まりだとは思えないくらい、みんな「普通の子」に見えるでしょう。
でも、子どもたちはちゃんと、遊びを通してグリーフの表現をしているのです。
それってどういうことなのか、というのは、また今度。
ここまで読んでくださりありがとうございます!