ハロー、くるめだぞ。


教室の片隅で、ずっと漫画を描いていた。

自覚している範囲では
いじめられた事はない。

良く遊ぶ仲のいい友達も何人かいた。

成績も良かった。

普段は特別目立たないけど、
機会があれば頼られる方だった。

でも人と関わるのは
あまり得意じゃなかった。

私は我儘だった。
でも変に気を遣いすぎる性格だった。
傲慢なくせに臆病だった。

だから思ってる事を
人にきちんと伝えられなくて
お利口な回答しかできなくて
後からモヤモヤする事が多かった。

人から好かれるのが苦手だった。

その人の理想や期待に
応えなきゃいけない
と思い込んでしまうのが苦痛だった。

気持ちに応えられないのに
気持ちを向けられるのが怖かった。

偶に私を好きだと
言ってくれる人もいたけど
そういう人と上手く向き合えなくて
嫌な気持ちにさせた事もあった。


だから私は、私が嫌いで

私じゃないものになるのが好きだ。


芝居とか、コスプレとかをしていて
私が私でない時間はすごく幸せだ。

この活動を始めてからも、
最初は理想のアイドルを演じようとした。

今も正直、カッコよくて自信家で
何事にも一生懸命な自分であろうと
理想を演じているのかもしれない。

でも、ステージの上ではあくまで
私は他の誰かじゃなくて私だった。

正直 苦しくて逃げ出したい。
全然違う人になりきって誤魔化したい。

どうして弱くて脆い自分を
我儘で人を傷つける嫌いな自分を
人前に晒さなきゃいけないんだろう。

人から好かれるのが怖いのに
皆からの気持ちに応えられるだろうか。

私なんかがステージに立つのは
きっと間違いなんじゃないか。

毎日、自己嫌悪と戦っている。


人前に立つ事を選んだからには

たった数人でも、
私の歌とか生き方とかで
元気になってくれたり
幸せになってくれる人がいるなら

みっともない自分を晒してでも
嫌いな自分と戦いながら
頑張らなきゃいけない。

それがせめて、
こんな私を好きでいてくれる人に
出来る事だと思うから。

息が苦しい。
もう足を止めたい。

でも、まだ、私は。


🌹maimu🌹