新入社員のみなさんには、生保セールスレディや先輩で保険営業している人達が、保険加入を勧めてくる

 

会社の新入社員入社時研修の中で取引先の保険会社の紹介をされる会社もある

生命保険会社にとっては稼ぎ時だ

 

新社会人となれば、保険の一つも入っておかないと…

万一の時に人に迷惑をかけないために保険加入も考えなければいけないテーマでもある

 

そこで、知っておきたいのが、サラリーマンになると同時に加入させられている厚生年金保険という国の保険

 

保険料は企業と本人の折半で負担することになるが、毎月の給与から自動的に引き去りされる

 

国民全員が加入する「国民年金」に加えて、サラリーマンの場合は「厚生年金保険」にも強制加入させられている

 

厚生年金というと老後の年金を受け取るためのもの、と考えがちだが、実際はすぐれた保険機能をもつ「国の総合型保険」だ

 

民間の生命保険を検討する前に、まずはこの「厚生年金保険」の保障する内容を知っておいた方がいい

 

 

〇まずは、民間生保でいうところの「収入保障保険」「生活障害保障」「介護保険」などに該当するのが、

病気やけがによる障害状態になったとき自分で受け取る「障害年金」

 

サラリーマンが仕事をするのに支障がでるような障害状態になると障害状態に応じて障害基礎年金あるいは一時金が支給される

 

原因は「けが」だけではなく、がん、糖尿病、脳梗塞、精神傷害などの「病気」もによるものも対象となっている

 

傷害状態と加入期間、支払い保険料額によって支給額はことなるが、加入期間が短くとも保険料支払い期間300月(25年分)に相当する年金は最低保障される

 

夫婦および子一人のサラリーマンが会社に入社して10年目くらいで障害状態に該当したようなケースの支給の目安は(報酬月額30万で計算)

 

障害等級1級:月約17万

障害基礎年金(779300円×1.25+子の加給年金224300円)/12ヶ月=99868円

+障害厚生年金(493290円×1.25+妻の加給年金224300円)/12ヶ月=70076円

 

障害等級2級:月約14万

障害基礎年金(779300円+子の加算224300円)/12ヶ月=83633円

+障害厚生年金(493290円+妻の加給年金224300円)/12ヶ月=59799円

 

障害等級3級:月約5万

厚生年金から584500円/12=48708円

となる

 

〇つぎに、民間生保でいうところの「死亡保険金」に該当する保障が、死亡時に遺族が受け取るの「遺族年金」

 

サラリーマンの死亡時に生計を維持していた配偶者、18歳未満の子・孫、55歳以上の父母、 祖父母があった場合には遺族厚生年金が支給される

支給される年金額は老齢厚生年金の支給規定で計算した額の3/4が原則となる

被保険者月数が300月に満たない場合は300月保障される

 

夫婦および子一人の家族でサラリーマンが入社して10年目くらいで死亡したようなケースの支給の目安は(標準報酬30万として)

 

遺族年金:月約11万

遺族基礎年金(779300円+子の加算224300円)/12ヶ月=83633円

遺族厚生年金(493290円×3/4)/12ヶ月=30830円

 

なお、遺族基礎年金が支給されない妻が40歳以上65歳未満のであった場合は中高齢の寡婦加算額として老齢基礎年金の3/4(月約5万)が支給される

 

〇そして、民間生保でいうところの「年金保険」に該当するのが、老後に自分で受け取る老齢厚生年金 

 

民間の年金とは受取額は比較にならないほど役に立つ年金だ

 

厚生年金保険に加入していた人が65歳になると老齢基礎年金と老齢厚生年金という終身払いの年金が支給される

65歳未満の配偶者と18歳未満の子供がいれば加給年金というものが加算される

 

2050年度の賃金水準別と年金月額を予測すると以下のとおり、

賃金水準(手取り収入)→年金月額となる
・17.1万円  →  12.0万円

・25.7万円  →  14.2万円

・29.8万円  →  15.2万円

・34.3万円  →  16.3万円

・51.4万円  →  20.6万円

 

それに65歳未満の妻がいれば月3万円程度が加算、18歳未満の子供がいれば月2万程度が加算される

正社員として厚生年金に加入していれば最低限の老後年金が一生涯準備できる

 

夫婦共働きなら夫婦ともに厚生年金が受け取れるので安心だ

 

厚生年金はかつてのような金額は受け取れなくなっているが、「障害保障、死亡保障、年金」と幅広い保障内容を考えると、民間の生命保険と比べてかなり有利な内容になっている

 

会社が保険料の半額を負担しているというのはサラリーマンの特典のひとつだ

 

これらの保障内容を知ったうえで不足する部分について民間の生命保険等で補うと良い

 

日本は欧米に比べて金融教育が遅れている

 

初任給から3ヶ月くらいは生活費にどのくらいかかるのか様子をみてから、貯蓄や保険にどのくらいかけるのか考えても遅くない

 

民間の保険にすぐに入る必要はない

これから金融リテラシーを学んでいこう

 

アリのような人生じゃつまらない、キリギリスじゃ生きていけない

人生100年時代のパイオニアとしてライフプランを立てて幸せな人生をおくってほしい