1億総活躍時代の実現は日本が経済発展をしていくために必要なだけではなく、個々人が幸せな生活をおくるためにも必要な施策だ

少子高齢化の社会のなかでは、個々人が自分に一番見合ったライフスタイルを見つけることが必要になる

今年3月に「雇用保険法等の一部を改正する法律」が成立したが、これは雇用保険法のほか、育児・介護休業法、高年齢者雇用安定法、男女雇用機会均等法などの改正が含まれており、ライフプランを描く際には知っておきたい内容が多い

家族の介護や育児はサラリーマンにとっては大きな問題

介護のために仕事を辞めなければならないケースは切実で、介護離職者ゼロへの施策は特に注目したい

今日は育児・介護に関する改正ポイントを確認してみよう

【介護】

○介護休業の分割取得

現在、介護休業は、対象家族1人につき1回で通算93日まで

これが改正後は、対象家族1人につき介護状態の程度が変わらなくとも3回を上限に分割して取得することが認められる

また、介護休業給付金も現在は1回限りとなっているが3回まで分割して申請できるようになる

○介護対象家族の拡大

現在の対象家族は配偶者、父母、子、配偶者の父母、同居かつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫

改正後はこれに同居していない祖父母、兄弟姉妹及び孫も追加される

○介護休業給付金の引き上げ(H28/8から)

休業開始前賃金日額×支給日数×40%(上限日額14,210円)

休業開始前賃金日額×支給日数×67%(上限日額15,620円)

○介護休暇取得単位が半日単位に(H28/1から)

従来は1日単位で年5日の介護休暇を取得することができるが、休暇が半日単位(所定労働時間の2分の1)で取得することが可能となる

○介護のための所定労働時間短縮措置

介護をしているが介護休業をしていない人については、会社は申出に基づいて3年間以上の期間における所定労働時間の短縮等の措置を講じなければならない

[選択的措置義務]

 ・週または月の所定労働時間の短縮措置(短時間勤務)

 ・フレックスタイム制

 ・始業・就業時刻の繰上げ、繰下げ(時差出勤制度)

 ・介護サービスを利用する場合、労働者が負担する費用を助成する制度、その他これに準ずる制度

現行では、所定労働時間の短縮措置期間は介護休業と通算して93日の範囲内で認められている

改正後は通算規定がなくなり、さらに短縮措置期間も93日から3年へと延長される

○介護のための所定外労働時間の免除(H29/1から)

介護する従業員から請求があった場合にはを所定労働時間を超えて労働させてはならいこととなる

育児についての所定外労働の免除制度が介護の場合も同様に適用されることになった

【育児】

○有期契約社員の取得要件の緩和

パート・アルバイト、臨時、非常勤、嘱託などの有期契約社員の育児休業が取得しやすくなる

現行制度の取得要件が緩和されて、

・1歳以降も雇用継続の見込みがあること、という要件は廃止される

 また、引き続き雇用が見込まれる期間の要件も子の年齢が短縮されて

・子が1歳6ヵ月(これまでは2歳の誕生日の前々日)に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては更新後のもの)が満了することが明らかである者を除くとなる

○育児休業給付金の対象となる子の範囲拡大

現行は、法律上の子(養子を含む)が対象となっておるが、特別養子縁組の成立について家庭裁判所に請求し監護期間中にある子が新たに対象に加えられる

介護・育児の問題はライフプランを揺るがす大きなリスクだ

国の制度を良く理解して、ライフプランを立てておくことが幸せな人生を送る第一歩だと思う