/22()には日銀の貸出マイナス金利期待などから、17,572円の高値を付けた日経平均はGWを挟み先週末で16,106円と大きく下げている

4/22に日銀が追加緩和を見送り4/29には米国に「監視国に指定」されたことで1/22のドル円126.22から一時は105円台まで円高になった

・日経平均は16,106.72(17,572.49

・NYダウは17,740.63(18,003.75

・為替ドル円は107.10 (111.73

10年国債-0.120(-0.110

・NY原油価格は44.66(43.73

・NY金は1,294.00(1,230.00

*( )内は4/22

さて、今週は先週末の米国雇用統計を受けての相場となるが、雇用統計は以上予想よりも弱いものとなり6月の利上げは遠のいた。米国の経済指標が弱い内容のものが出れば円高が懸念される。一方で日本は為替介入をしにくい状況にあり、伊勢志摩サミットを前に政府の財政出動が頼みの綱だが、はたして105円を防衛できるか、ドル円相場に注目だ。

【H293月末、主要指標の見通し】

今年は、年初の日経平均18,450円から世界経済の減速懸念や原油価格の下落から一時15000円を割り込むほど大きく下落、4月に17500円まで回復したものの、現在16000円となっている。さて、年度末はどうなるのか、見通しを立ててみよう

日経平均:17000

NYダウ:18000

ドル円:110

10年国債:-0.2

NY原油:50ドル

NY金:1300ドル

○日経平均

日本の経済成長には陰りが見られ、アベノミクスへの期待も後退しつつある。米国を中心とした先進国経済の緩やかな拡大しているが、中国をはじめとする新興国経済は減速しており日本の製造業は足踏み状態

IMFによる日本の経済成長見通しは0.5%に下方修正され、日銀の物価目標2%の達成は極めて厳しい状況にある。日本経済の頼みの綱は年金マネーや日銀政策だ。マイナス金利を先行して実施したユーロ圏では貸出増加につながったが、日本の場合は企業の資金繰りが好調で、貸出金利マイナス導入でも効果は限定的だろう。GPIFの株式保有も高水準となっており、今後の官制相場には限界がある。消費増税が先延ばしで一時的にはムードが高まるかもしれないが、今年度の日本株の大きな上昇は期待できないだろう。

○NYダウ

労働市場が着実に改善しており個人消費や住宅などを中心に緩やかな成長が見込まれる。FRBの利上げペースが焦点になるが、世界経済への配慮もあるし、労働市場は質の改善を必要とされており、6月の利上げは難しく年1回の可能性が高く、米国株は現状維持とみておこう。しかし、大統領選選挙で大どんでん返しが起こる可能性も…

○ドル円

ドル円相場については、H28/2のドル円消費者物価ベースは128.38円、輸出物価ベースは66.72円であり、今の実勢相場は、消費者物価ベースよりにかなり近づいており、円安水準にある。米国利上げは緩やかで、為替誘導をけん制する風潮もある。ここから円安に大きく振れることはなさそうだ。


10年国債

物価上昇率目標2%は厳しい状況にあるため日銀の追加緩和が予想される

日銀のマイナス金利導入により、10年国債の利回りはマイナス、日本の機関投資家などは超長期債券を中心に購入額が増えている。超長期債の需要がひっ迫して価格が反発する恐れはある。

○NY原油価格

中国経済の減速などにより需要は減少しているが、増産凍結協議はイランなどの反対でうまく進まなかった。OPECの生産量は過去最高水準にあり、シェールオイルがどのくらい減少してくるかによるが、供給過剰がしばらく続きそうだ。しかし、産油国で会合が行われるようになったことで底なしの下落懸念はなくなった意味は大きい。鈍いながらも上昇することが予想される。

○NY金

米国利上げペースが緩やかになるのは金価格にとってはプラスだし、日米株価の上昇余地が少ないため、金価格の暴落もなさそうだ。株式投資ブームの後に金投資ブームとなり、金高騰なんて期待もできる。


【中長期運用の基本方針】

日米株、債券ともに長期的には面白くない状況になりそうだ。株式に関しては、上下を繰り返すだろうから、上がれば売る。保有株の利益確定して、株式が暴落した時のリスクヘッジとして金投資、上昇を期待しての原油ETF、長期的な投資として、インド株式投信、ビットコインの持ち高を増やしていきたい