日本型Linked inは成立するか?
お世話になっております。
松本です。
本日は、下記の新サービスをうけて私的に感じた事を書いてみます。
ちょっと長いですが、最後まで読んで頂けると幸いです。
■ヤフーが新SNSスタート
11/4にヤフー・ジャパンがビジネス向けSNS「CU」をスタートさせました。
日本版LinkedInとなるか--ヤフーがビジネスSNS「CU」を開始(C-NET Japan)
さっそく招待頂いて使ってみましたが、「ベータ版」の名の通り、非常にシンプルな作りです。
11/5現在、千数百人の参加者で、最初期のGREEのような内輪感を感じます。笑。
現在サイトでできることは、
・プロフィール記入
・メッセージ送受信
・友達リンク
・コミュニティ
といったSNSの基本的な機能に限られています。
通常のSNSと違う点は、プロフィール項目に電話番号や、職歴・学歴などがあることと、
それらのプロフィールを自分が設定した公開設定(★~★★★まで設定できます)で、
公開する相手・しない相手を選ぶことができるというあたりです。
あしあと機能が無いことも、サイト内の人を探し回るのに好感が持てますね。
日記などで自己主張させないで、プロフィールの記入と、「何に関心があるのか?」という
意思表示+バーチャルな交流を促すためのコミュニティ機能、という狙いがあるのだと思います。
ただこの機能ですと、たとえば孫正義社長が入会したとたんに、
「友達申請お願いします!」というメールが殺到して、
孫社長は通常の利用には役に立たなくなってしまうことでしょう。
もちろん直接の友人以外にはプロフィール公開をしない、ということも考え方ではあるのですが、
それでは匿名性が上がってしまい、せっかくの実名性の意味が減ってしまいます。
■Linkedinの特徴
その点、本家Linkedinではどのようなアプローチを取っているのでしょうか?
たとえば、私が孫社長とお近づきになりたいとして、
私の知り合いの知り合いが孫社長と友人関係にあるとします。
その場合私は自分の知り合いに、「このメッセージを孫さんのお知り合いの方に回して下さい」
というメッセージを送り、知り合い経由でつないでもらいます。
もしその中で、「こいつを紹介したら私の株が下がるな」と判断された場合は、
私のメッセージは途中ではじかれてしまい、意中の人物には届きません。
現実世界での
「○○さんを紹介して下さいよ!」
「いや-、機会があったらね・・・。」
といって実際には紹介しなかったりする、人間関係の機微をできるだけ
再現しようとしている訳ですね。
逆にLinkedinはその制限を収益手段にもしています。
コンサルタントや人材業界の方など、不特定多数に連絡を
取りたいユーザーは、有料アカウントを取得して、
「検索」→「直接メッセージ送信」をすることができます。
有料だったらWebの距離を縮める機能をフルに使える、という感じが良いのかもしれません。
私も実際にアメリカ人の知人で、「Linkedinで仕事が発生した」という話を良く聞きます。
「安心出来る仕事電話帳」という位置で、インフラとして機能していると言えるでしょう。
■Linkedinのこれからは?
では、本家Linkedinはこれからどうなっていくのでしょう?
LinkedIn初のアプリケーションプラットホームはあくまでもビジネス指向(TechCrunch
10/28に、OpenSocialをベースに、Linkedinがプラットフォームを発表しました。
FacebookやMyspaceのアプリケーションは、よく言えば楽しい、悪く言えばくだらないものが大半ですが、
さすがに仕事で使えるアプリケーションが大半です。
現状は仕事でのお役立ちツール(たとえば、Googleのオンラインプレゼンテーションツールが使えたり、
RSSリーダーが使えたりします。
その中で特に面白いと思ったのが、Huddle Workspacesというアプリケーションです。
ファイルストレージ機能や、掲示板など、簡易的なグループウェアとしての機能が揃っています。
現在、日本では大容量ファイルを送る際に、社内のサーバーにアップロードしたり、
「宅ファイル便」を利用したりしていますが、
もしビジネス上での関係性がSNSで構築できているのであれば、
プロジェクト毎にグループウェアを立ち上げて、社内、社外含めて関係者に入ってもらえば、
ファイルの共有やスケジュール管理が非常にやりやすくなります。
本家ビジネスSNSは、「仕事を見つける場」から、「仕事をする場」に、
進化しようとしているのではないかと思いました。
■日本でのビジネス向けSNSの可能性は?
Linkedinは、2004年から始まり、最も早くマネタイズできたSNSの一つですので、「日本ではやれないのか?」という議論が常に行われてきました。
実際にビジネス向けSNSというジャンルのSNSも、過去、現在共に沢山存在しています。
「日本では転職がオープンではないから無理だ」
「個人情報を詳しく書く土壌にはない」
など、ネガティブな理由があるために流行らない、という話を良く聞いた覚えがあります。
しかし、実際にYahoo!さんが始めれば2日で2000人近くの人が集まるわけで、
多くの人に注目を浴びている分野のはずです。
私は、日本ではうまくいかない、のではなく、うまくいく方法を本気で考えているプレーヤーが少なかったことが、「日本版Linkedin」が生まれなかった理由ではないかと思います。
「個人情報を詳しく書く土壌にはない」
という指摘に関しては、「Yahoo! CU」のように細かい情報公開権限を作れば、
情報を教えたい人だけに本名や電話番号を伝えることが可能です。
では、「日本では転職がオープンではないから無理だ」という指摘はどうでしょうか?
確かに、「○○エージェントネット」とか、人材紹介会社さんがSNSを運営していたら、
参加している時点でまずいですよね。
この点、現在のLinkedinの方向性、「仕事をする場」というアプローチは面白いと思います。
しっかりとしたプロジェクト管理ツールとして利用しなくても、仕事にちょっと役立つツールを集めて、
「ビジネスパーソンだったら利用していて当たり前!?」という状況を作ると、日本でもユーザーが参加しやすいのではないかと思います。
その上で、フリーランスやベンチャーなど、抵抗が少ない層から、
ビジネスでのコラボレーションを生み出すような流れが生み出せれば、
新しい「仕事の場」を生み出せるのではないでしょうか。
Likedinのプラットフォームも、Yahoo! CUも、まだ生まれて一週間ほどのサービスです。
それぞれが今後どのように発展していくのか、注目していきたいと思います。