新型コロナワクチンの接種後に、死亡したり重篤な副反応を担っている方たちが少なくない。
昨年8月には、木下雄介選手(中日ドラゴンズ)が、新型ワクチン接種後に心筋炎で死亡された(2021年6月28日に接種→8月3日に死亡)。
2021年夏にこの報道に接したとき、新型コロナワクチン(実態としては、mRNAを用いた生物製剤)の問題点が明らかになってきたと感じていた。
2022年に至って、ようやくこの新型コロナワクチンが欠陥ワクチンであることが明らかになってきたが、木下選手のこの事件は、そのような遺伝子ワクチンの問題を広く認識させる重要な端緒となったと思う。振り返って記録しておきたい。
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●(1)(木下選手のワクチン接種後の経過)
7月6日(火)ナゴヤ球場の練習中に倒れて名古屋市内の病院へ緊急搬送。
7月28日(水)「入院中で予断を許さない状況」との報道。
加藤宏幸球団代表は、「球団として今はお答えすることはありません」と話していた。
7月29日(木)〜8月2日(月)に危篤状態となり、8月3日に死亡。厚労省に報告されたが、ワクチン接種後の健康被害の問題を扱う「副反応部会」を通じて、木下選手の死亡情報が公表されたのは、3か月後の11月12日だった。
木下選手のワクチン接種後の心筋炎による死亡情報が、この3か月間、公表が控えられていた(いわば隠されていた)あいだに、20代のワクチン接種が推進され続けた。その結果、若い人たちの心筋炎の被害が続々と報告されることになる。
2021年11月12日に、厚労省で「厚生科学審議会、予防接種・ワクチン分科会、副反応検討部会」(副反応部会)が開催され、木下選手の死亡事例もその中で報告された。
副反応部会で報告された死亡事例と、木下選手がワクチン接種後に死亡するに至った経緯について、鹿先生(JPSikaDoctor)による解説動画が参考になるので、以下に紹介する。
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●(2)(厚労省副反応部会の報告)
副反応部会の報告書の内容について、鹿先生(JPSikaDoctor)による紹介と解説(2021年11月12日投稿動画)。
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●(3)木下選手の死因について(厚労省による報告内容の要点を「部会報告書」から転記する)
(1)「対象」及び「接種の経緯」
・No.20 27歳 男
・ワクチン モデルナ筋注(武田薬品工業)
・接種日:2021年6月28日 (ロット番号は「不明」、接種回数は「1回目」)
・死亡日:2021年8月3日
・副反応部会での報告と公表:2021年11月12日
(2)「基礎疾患」及び「死因」
・基礎疾患:「高度の僧帽弁閉鎖不全症(成因及びタイプは僧帽弁逸脱症(P2逸脱))、 心室性期外収縮、肩の脱臼、靱帯修復、肘の損傷、足の損傷、足部手術」
・死因:「急性心筋炎」
(2)「専門家による評価」
「具体的な剖検所見の情報は得られていないものの、剖検で心筋炎の確定診断がなされているため、心筋炎の診断自体は妥当と考えられる。
従って、7/6の心室細動、心停止の原因の一つとしては、心筋炎の発症が時間的関連からは疑われる。その一方で、心拍再開後の心エコーにて認められた高度の僧帽弁閉鎖不全症(MR)が、左房径の著明な拡大を伴っていたことから、MR自体はワクチン投与前より存在していた可能性も高く、また原疾患・合併症・既往歴の欄に心室性期外収縮(PVC)の記載もあるため、心筋炎の発症が既存のMRやPVCの病態を悪化させ、心室細動・心停止に至った可能性も考えられる。
実際、補助循環用ポンプカテーテル(Impella)離脱後の 7/17の心エコーでは、左心系の高度な拡大は継続しているものの肉眼的なEFは45%程度と比較的保たれている(7/8 よりは改善)ことから、8/3の多臓器不全・心停止は、心筋炎による低心機能(ポンプ失調)のみが原因とは積極的には疑いにくいとも考えられ、(併存病態の)高度MRによる心不全の悪化も多臓器不全に寄与しているとも考えうる。
ワクチン接種後8日目の発症ということから、ワクチンが原因である可能性は排除できないと考えるが、一方で得られている情報からは、ワクチンが原因であることを示唆する根拠は時間的関連性のみとも考えられる(ウイルス性による 発症も否定はできない)ため、ワクチン接種が心筋炎の原因だと強く疑うことは困難と考える。
※集計対象期間(~10/24)後に報告された内容に基づき 評価を実施。」
(参考)https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00034.html
(参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000861755.pdf
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●(4)厚労省による報告の問題点(要旨)
報告書の要点と、鹿先生の批判と反論をもとに、報告書の考察の問題点をまとめる。
(厚労省報告書での「専門家」による「考察」内容の要点)
「倒れたときのひとつとして「心筋炎」が疑われるけれども…」
・①「僧帽弁閉鎖不全症」による「僧帽弁逸脱」(MR)は、ワクチン接種前から木下選手があらかじめ既往症として持っていた(と適当に推定)。
・②「心室性期外収縮」(不整脈)も、同様に、ワクチン接種前からあった(と適当に推定)。
・③そのために、「心筋炎」が起こって、死亡した(「ワクチン接種は関係ない」という結論にもっていきたい)。
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(この「考察」の問題点)
・①「僧帽弁閉鎖不全症」が以前からあれば、血液が日常的に逆流して心房肥大を起こし、肺がうっ血して、肺がむくんで、呼吸困難となるので、息苦しさを訴えていたはず。
心筋炎になる前から、息苦しい状態にあるという人が、スポーツ選手にありますか?
心筋炎が起きたから、乳頭筋の断裂が起きて、「僧帽弁逸脱」(MR)が起きて、血液の逆流が起きたと考えるのが自然。心房が大きいことをもって、以前から「僧帽弁不全症」があったとみなすのはおかしい。
(報告書の後半に、「心筋炎の発症が、既存のMRやPVCの病態を悪化させ、心室細動・心停止に至った可能性」と記述されているが、「既存」としたのは報告者の予断であり、以前から本人にそのような既往歴があったかどうかは確認されていない)
・②「心室性期外収縮」は一般的に頻繁にみられる所見であり、心電図の特徴をあらわしたもので、病気ではない。
・③「ワクチン接種」によって、「心筋炎」が起きた結果として「僧帽弁不全症」を発症し、「心室細動」「心不全」を生じて死亡するに至ったとみる必要があり、この剖検所見はそのことを明らかに示している。
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●(5)厚労省報告の問題点(総合考察)
この新型コロナワクチン接種後の副反応報告では、木下選手の死亡の原因は、接種後の心筋炎ではなく、要点としては「接種前からあった(と適当に推測される)心臓の僧帽弁逸脱による血液の逆流と、これも以前からあった(に違いない)心室性期外収縮によるもの」だと報告されている。
ワクチン接種が原因ではないという結論を出すために、確認もされていない別の原因が作り出されて記述されており、この剖検内容の考察では、木下選手の死亡の経緯を正しく説明できていない。
それだけでなく、この厚労省の報告からは、ワクチン接種後にとても多くの人たちが副作用被害に苦しんでいる実態を覆い隠そうとする意図が容易に読み取れてしまう。
木下選手が死亡に至った経緯(医学的な解釈)について、副反応部会で報告された剖検所見の考察では、ワクチン接種が原因であることを何とか回避しようとして、無理のある考察を行っている。
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ワクチン接種後の副反応として、厚労省に報告されているだけで、死亡者数「1711人」、そして重篤者数「21,807人」(男性7284人、女性14236人)が報告されている(副反応による死亡事例の累積報告、2022年5月まで)。
しかし厚労省は、2022年6月の現時点に至るまで、木下選手のワクチン接種による死亡事例も含めて、ワクチン接種による死亡を一例も認めていない。
新型コロナワクチン接種後に、1700人以上もの人たちの死亡が報告されているのに、なぜ今回、このワクチンの接種が継続されてしまっているのだろうか。
医療政策としてワクチン接種を推進するにあたっては、当該ワクチンについて、①「安全性」(危険性)、②「有効性」(無効性)、③「必要性」(不必要性)が厳密に評価されなければならない。それもこの順に重要であり、たとえ、必要で有効なワクチンであったとしても、今回のように、接種後の死亡事例がわが国だけで1700名も出るような危険なワクチンが推進されてよいはずがない。
現状を見る限り、少なくとも接種を停止して、重篤な副作用被害や死亡された方々の事例を一例ずつ、全例についてきちんと心を込めて調査し、原因を明らかにする必要がある。
こんなことは今までなかった。以前の厚労省であれば、例えば、1989年~1993年に接種が推進されたMMRワクチンの時でさえ、5例(正確には6例)の子どもたちが、ワクチン接種後に死亡したという報告があった時点で、接種を中止した(それでも4年もかかっているのだが)。
そして今回、木下選手の死亡を、ワクチン接種が原因ではないとするために、無理やり他の要因を取り上げて、既往症として本人に以前からあったものとし、それが心筋炎を起こしたと結論した。時間的な原因と結果の因果関係を、別のものにすり変えることによって、ワクチンによる重大な被害を隠蔽してしまっている。この姿勢が貫かれていく限り、大多数のワクチン接種後の死亡者は、原因不明として、または別の適当な既往症が原因として闇に葬られていくことになるだろう。
今回のこの副反応報告書は、「新型コロナワクチン」が欠陥ワクチンであることを、厚労省自らが公表しているようなものだと思った。
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●おわりに
ワクチンを接種しようとしている方たちは、あらためて慎重に考え直し、接種を控えることを選択した方がよいのではないだろうか。
1回目、2回目を打ってしまった人も、2回目や3回目の接種の前に、これらの報告書を熟読して、ワクチン接種を推進してきたこの3年間の医療政策の問題点を理解した上で、自分自身や家族、とくに10~20歳代の子どもたちに本当に接種する必要があるのか、このワクチンは本当に副作用被害がなく安全であるのかを、あらためてしっかりと考えてほしい(2022年6月16日)。
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