20歳くらいの頃のお話
東京でひとり暮らしを始めたばっかりのある日
わたしにピアノの先生が「おすそわけ」とタッパーを渡して下さった
この先生は私の声を見つけて下さった新潟の大大大恩師の妹さん
家に帰って蓋を開けたら
きれいなちらし寿司
感激しながらひとくち
涙があふれてあふれて
止まらない
ワンワン泣きながらちらし寿司を食べた
ワケがわからない素敵な思い出
数年前、私の母が具合が悪いと言ったら
新潟の実家に恩師がちらし寿司を届けて下さった
感謝をしながら
ひとくち
それはあの日のちらし寿司だった
あの日、私は恩師の愛情を食べたのだ
そしてそれを私の心はしっかり受け取ったんだな
いつ思い出しても胸が熱くなって
愛に応えられる自分でいようと
背筋が伸びる
