RENOSYとか広告出しまくってるし、みんなで大家さんは話題ですし、サラリーマン不動産投資が流行ってますが、この度足を洗いましたので自戒の念も込めて経験談を語ります。

 

結論を言うと管理会社が飛び、数十万の家賃を持ち逃げ。

回収に奔走して、結果取付られたという話です。

 

管理委託と収入代行をお願いしていたA社(一応会社名は隠します)が、入居者がら預かって私に送金するはずの家賃を着服する状況に。あの手この手でお金を取り返しました。

 

逆にこんなことを書くと促進されそうですけど、すでに売却済みでキャッシュという点では運用中の利益、所得税還付、売却益で数百万円のプラスです。

 

ただ精神的にはキツイし、手間もかかります。

一歩間違えば赤字でした。運がよかったとも言えます。

もうやりません。

 

やりたい方は気を付けて欲しいですが

①サブリースだけは絶対にダメ

②どんな良い条件の物件でも空室リスク込みで年間黒字が出る運用を(所得税還付とは別で)

③毎月の収支確認を怠らない。管理会社は死活問題。

④サブリースは絶対ダメ(私はこれが無かったので助かりました)

 

後はこの経験を見て判断してください。

今困ってる人も少しでも助かればいいなと思います。

 

 ことの背景

 

ちょくちょく滞納が起きていたのは把握してました。

滞納→催促→ようやく入金を繰り返し、担当者もコロコロ変わる、油断していたらいつの間にか4か月分くらいが足りない状況になってました。

管理会社の変更を申し入れ。出血を抑えることに成功。これはもっと早く決断しておくべきでしたね。

 

A社との委託管理契約においては「解除の3か月前」に申し入れが必要と記載があるけど、これはつまりペナルティとして「3か月分は委託手数料を払え」とほぼ同義と考えていい、一般的な契約。ただしA社の契約不履行が明らかなので、「3か月前」の正当性は破綻しているので即日解除という形にしました。

 

 

 取り立てアクション

 

 

  内容証明郵便

 

管理会社変更のタイミングにあわせ証拠を残すため内容証明を送りました。初めて使ったのだけど、今時全部ネットで完結するのね。ネット上にワードファイルをアップロードして申し込んで、費用をオンライン決済すると、それを内容証明として出力されたものが郵便で届くというわけ。

 

内容証明郵便は非法的手続きでは最も重たい対応という認識。第三者によって債務があるという内容を文書で送ったことが証明できるということ。

 

これを機に少しは態度は軟化したものの、支払があるわけでもなかった。結局、電話出ないし、メッセージは既読スルーで変わらず。メッセージも電話も数十回、時間問わずやってます。

 

  事務所突撃

 

家賃を着服しておきながら、渋谷区某所のパヤパヤした町に居を構えています。と言っても裏通りの雑居ビルになるのですが。しかし、いざHPにも載っているビルに行くと、なんと別の会社が入っているではないですか・・・。ドアが開いていたので中の人に少し話を聞き、2か月前くらいに移転したとのこと。

 

少しネットで調べると、最近の求人が出ていて住所が異なっていた。その住所を調べると、隣のビルでした。これは後でわかったことだけど、結果として事務所は移転していて、HPは更新していない状態というわけ。

 

移転先を訪問するとバイト社員が2人くらいいる状態。社長は不在。

会社に1時間以上居座って、払うまで帰らんぞと文句言ったり、管理契約があるかどうかを確認させたり圧力をかけました。色々チラ見したけど物件と所有者リストとかが見えて、自転車操業で誰に家賃を振り込むかを値踏みしているのが見えました。

 

さすがに事務所に乗り込んだので、社長にも連絡が行き、今はキャッシュが無くて支払えないという連絡だけ来ました。
 

この後何回か事務所に行ったり、100回以上昼夜問わず敢えてド深夜とかに電話もしていますが、バイトに内情を聞き出すと、給料も払われない状況らしいです。

 

その後電話もつながらなくなり、ウェブページも無くなりました。

 

  都の不動産に関する弁護士相談

 

電話で予約が必要ですが、平日の昼間だからか割と空いてました。電話口の人も、当日の窓口の人もとても親切です。

 

弁護士に不動産に関する様々な相談ができるだけで、具体的な対応をしてくれるわけではく、ネットで少し調べればわかるレベルのアドバイスをくれる(それが正しいかセカンドオピニオン的に使うべきか)。実際の弁護士はというと、人によるのかもしれないですがあんまり親身に感じませんでした。暇な人が派遣されるので、暇な弁護士って問題を抱えてるわけで・・・。

 

ただ、都税を納めてるわけで無料で受けられるサービスは受けないと。賃貸のトラブルとかも対応してるので活用してみてください。

不動産相談 | 東京都住宅政策本部 www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp

 

  不動産業者調査

 

東京都の宅地建物取引業者免許情報の閲覧サービス。今回のA社は東京都の事業者なので、東京都が管轄。そして閲覧サービスは都庁の弁護士相談と同じフロアにある。ここで調べられるのは行政処分履歴、不動産業に関する登録情報、登記情報、宅地建物取引士資格を持っている社員リスト(住所)など。1社あたり300円で、東京都が保管する原本を閲覧できる。

 

ただし写真撮影やコピーなどはできなくて、PC手打ちや手書きで内容を写すのはOK。行政処分履歴が無いことは確認。ただ、事務所移転を通知して宅建事業者登録情報を更新するのが遅れたことで指導を受けていることがわかりました。

今回のA社は事務所も存在し営業もしているので、裏取りに使えるという感じ。

 

 

 

 法的手続きへ

 

弁護士とかに相談したり調べたりすると、支払督促という方法があるとのこと。

 

これは少額の訴訟を(法曹界隈では比較的)簡素に裁判ができる制度。当たり前だけど民事なので相手に支払い能力が無いと話にならないのだけど。

「お金を払ってもらえない」とお困りの方へ 簡易裁判所の「支払督促」手続をご存じですか? | 政府広報オンライン 貸したお金を返してもらえない、家賃や給料を払ってもらえない…。簡易裁判所の「支払督促」手続は、申立人の申立てのみに基づいて www.gov-online.go.jp

 

いくらひな形や例は裁判所のウェブサイトに載っているからといって、それに当てはまるのは稀で、素人が申立書を作るのは相当難儀すると思う。内容が分かればいいようだけど、独特な言い回しと、訴訟の論理構造を文章化するのはテクニックが必要だと思います。

 

霞が関の東京簡易裁判所の相談窓口の人達はとても親切ですし、申し立てできれば裁判所の担当者がついてくれて色々教えてもらえます。とはいえオンラインとか、その場で修正とかは無く、紙で申請して、その内容がおかしければ再提出させられます。

 

ちなみに郵便のやり取りが複数回、そのたびに1~2週間かかり、督促手続きをしてから裁判まで半年以上かかってます。

 

霞が関の東京簡易裁判所で指定された法廷に行くと、本日の裁判一覧みたいなのが掲示されているので、出廷したことをサインします。この辺はすべて撮影禁止。裁判官は事務的ではありますが裁判のいろはもわからない素人相手にしっかり対応してくれて、裁判自体はすぐに終わりました。

 

自分で調べて色々やったので、法曹の仕組みを垣間見れましたし、いい経験ができてとても勉強になったと感じてます。金を回収するよりそのモチベ―ションの方が大きかったです。

 

逆転裁判か虎に翼ごっこができると思ったけど余裕なかったですね。

 

 支払われるまで

 

結論を言うとA社社長が独立前に属していた会社B社(それなりの規模)が立て替えて支払ってくれました。

 

何とか話題にできないかといろいろネットの海に潜り、まずこのA社は楽待に掲載があるので、楽待に通報しました。一応会社に楽待からA社に連絡しているようですが、掲載が消されただけで特に実利は何もなしでした。

 

A社がスポンサーとして参画していたスポーツチームの広報に通報したところ、もう契約は切っていて、「個別のトラブルは対応できかねる、心苦しいけど頑張って」という趣旨の回答。

 

不動産投資関係SNSとか不動産業界の闇を暴くYoutuberとかに連絡したのですが一切反応ありませんでした。真実かもわからないのにいちいちというのもあるだろうし、業界では日常茶飯事で感覚が麻痺してるんでしょうね。それだけ闇が深い業界だということです。

 

結局一番効いたのがSNS上で実名を出したことですね。他の被害者が発信していたのに乗っかりました。前述の独立前で稼働中のB社の社名や社長名とか出しているのに乗っかったら一発でした。

 

おそらく師弟関係でもあるのでしょう、反社のケツ持ちかよという感じでB社の社長が何とかしろと喝を入れてくれたんだと思います。別に個人的には払ってもらえたので構わないのですが、B社はどういう費目で対応しているのかは疑問です。

 

その後、A社のHPが復活して社長の謝罪文と、B社が対応する旨が公開されました(今はHP消えてます)。一応証拠のためスクショの一部を。

 

 

一法人として資本関係もない別会社が出てきて突然補填しますって、まともな会社ならできないですよね。それだけ不動産業界がずぶずぶで闇が深いということだと思います。

B社の対応窓口の役員から実名SNSは消せと、訴えるぞと脅されたので消しました。

 

泣き寝入りしてる人はどれくらいいるんだろう。

こういう場合、基本的にはとにかく周りの同じような境遇の被害者を出し抜いてでも回収して逃げるべきなのですが、SNSが効果的な時代ということがわかりました。

 

 まとめ

 

連絡も取ってないですし会いたくもないですが、この元A社社長当人はB社の社員としてのうのうと働いているようです。そんな人間がのさばれる業界に資産を扱わせたいと思いますか?ということです。

 

ワンルーム投資って実質ギャンブルではあるけど堅実ですみたいな皮をかぶっているので注意が必要。あと一定の安定収入があるステータスが前提の投資なので、客観的に見て失敗でも、失敗と認めたくない心理が働くし、プライドが邪魔して出血が増えるパターンもあると思います。まさか自分がこんなことになるとは、サブリースは警戒していたのにという反省しました。

 

これがサブリースだと物件に傷がついている状態なので、他の会社も取り合いたくないし、簡単に売れなくなります。今回はサブリース契約ではなく、所有権は私で単純な家賃の収入代行と空室時の募集とかの管理業務だけなのでリカバリーが効きました。

 

これは別で知ったのですが、不動産管理業務は不動産売買より儲かるのでやりたい会社は多いようですが、究極セールスと物件仕入れの鬼がいれば回せる売買とことなり、会社として組織が必要なので、イケイケのベンチャーと小さくても老舗との差が出る業態だと。管理代行する会社はちゃんと選ばないと、私のようにいつの間にか家賃振り込まれてないとかが起きます。

逆にそれさえ回避できれば、不動産自体は資産としては残せるのは事実です(儲かるかは別です)。

 

結論として、私は不景気でワンルーム投資がもてはやされる前に始められたので、有利な物件を有利な価格で有利な金利で初められたのでこんな事件もありながらも逃げ切れました。

 

私が物件を売った理由は事件で疲れたというのと、節税効果が薄くなったのと、ローンの金利と修繕積立金があがったので収支が悪化したためです。その分家賃あげられるかというとなかなか厳しいので。

あと節税といっても未来の所得の一部を先食いしてるともいえるんですけど。

 

今は物件価格も上がってて、金利も上がるし、いい物件は取られてるして、小金持ちが節税でローン組むスタイルでこれから始めるのはリスクあると思いますよ。

 

これ言うとあれですけど、不動産投資するなら業者経由ではなくて個人から個人で買った方が絶対に得です。業者の利益が乗っていることを考えれば簡単にわかります。売る側からすると業者だと即断即決、ローンが通らないとか少ない市、事務手続きが流れで済むので楽です。その分仲介する会社は楽でしょうけど。

 

あの手この手で売り先となる被害者投資家を見つけてくるので、だから商売が成り立つし、流行るんですよね。

 

皆様もお気を付けください。