第7章
ガチャ。。。
「遅くなってゴメンね、すぐにご飯作るから。」
「お疲れさん。 いいで、まだ大丈夫やからゆっくりしぃや。」
「そうなん? お腹すいてないのん?」
「いや、ホンマはすいてるけど。。。」
「私にはワガママ言ってくれていいねんよ? カズさん、気ぃ使いすぎてるんやから。」
「美雪こそ、俺にワガママ言ってくれんとなんか家政婦さんに来てもらってるみたいやで。」
「うーん。。。 じゃあ出前とって? で、DVD一緒に見よ?」
「そやな、そうしよか。 何がえぇ?」
「私はピザとか浮かんだけどカズさんは何がいぃん?」
「ピザか、長い事食ってないなぁ。 それにしよか。」
美雪は月に2度は土曜の夜に来てくれる。
店の女の子たちがシフトに気を利かせてくれているらしい。
平日は相変わらず晩メシを済ませに行くが、月に2回の土曜日は店に行かなくても心配の電話はない。
もうこうして美雪が来てくれるようになって3ヶ月が過ぎた。
お互いが日曜に時間が取れる時は土曜の夜は俺の部屋に泊まっていくようになった。
美雪は思いのほか家庭的なのだと感じた。
甲斐甲斐しく俺の部屋を動いてる姿は、俺にとってそれだけで癒された。
「なんのDVD借りてきたん?」
「ん? シックスセンス。。。」
「そっか、この前お店で見てないって盛り上がったから。」
「うん、俺ら二人とも見てないって言ってたん思い出してな。」
静かな始まり。
そして少しずつその中に入っていった。
恐怖のシーンへ来ると美雪は俺の腕を掴みその怖さに耐えている。
そしてそろそろ佳境かと思う矢先に母親と祖母との『親子の絆の修復』。
俺は震えながら泣いた。
親父が逝った時の悲しみ?
お袋と別れた時の悲しみ?
考える余裕もなく、ただひたすら『絆の強さ』に泣いた。
そして最後、完全に先を読む事さえ忘れさせてくれた時に、『妻の悲しみ』『夫の悔しさ』へのどんでん返し。
美雪は声を押し殺して、しかも心なしか俺を掴んだその手が震えるくらい『妻の悲しみ』に同調して泣いていた。
俺も『夫の悔しさ』に同調しながら、かろうじて美雪のその心が分かり片腕でその頭を抱き、もう片手でその手を癒そうとしていた。
泣いた、自分でもまだこんなに泣けるのかと思うほど泣いた。
そして立場はいつの間にか逆転していた。
俺のあまりの強烈な嗚咽で美雪は戸惑い、泣きながら俺を抱いてくれた。
母なるマリアの慈しみのように、女神なるエロスの癒しのように、その胸に抱いてくれていた。
『こいつなら全てを見せてもいい』
『こいつなら全て分かってくれる』
それがどんな姿であっても、どんな醜態であっても寛容であってくれると確信していた。
「ありがと」
その一言だけだった。
しかし、その一言で確信を覆すものが全くないと理解できる一言だった。
俺は今まで以上に美雪がいとおしく、熱く唇を求め火照った身体を求めた。
その肢体は既に充分に濡れており、その隅々までを愛した。
美雪はそれに答えるように『怒張した俺』に愛を尽くした。
俺が愛する場所を変える度に、美雪はその吐息を交えながらその怒張にアクセントをつけてきた。
美雪の最も敏感な部分は既に小刻みな波を作っており、俺がそこへ唇を重ねると大きな頂きへ登っていった。
何度も何度も頂きへ登り、その反撃のように怒張へのアクセントを強めていく。
お互いの最も高い頂きが見え、波のうねりが明らかに最大になろうとしていた。
お互いが愛し合う獣になり、それぞれの頂きを一心不乱に目指し、高い歓喜の声と同時に果て合った。
あまりの高ぶりにお互い余韻でまだ振るえが止まらなかった。
重なり合い、手を握り合ったまま余韻が消えるのを待っていた。
「ずっとここに住んでくれんか?」
「うん、居させて?」
「世話かけるで?」
「世話かけてね。」
テレビのサンドストームだけが俺たちを照らしていた。
美雪の頬はまだほんのりと朱色になって、しかもその営みの激しさを物語っていた。
俺はといえば、正にマラソンランナーのゴール後のようになっていた。
美雪は俺の汗をその手で拭きながら俺の髪の毛を掻き上げる。
もう一度、覚悟のキスをした。
バードキス・ハードキスのどちらでもなく、ただ愛だけのキスだった。
不意に美雪の上に重なったままの俺の腹が鳴った。
「ピザ電話したっけ?」
「忘れとるな。。。」
「カズさん、電話してくる?」
「あかん、エネルギーゼロや。」
「私もゼロやからこのまま一緒に餓死する?」
午前1時、バカ笑いした。
二人で真っ裸で重なりあったままバカ笑いした。
美雪に出会ったから、また思いっきり泣けた。。。
美雪が居てくれるから、また思いっきり笑えた。。。
(つづく)
第6章
でも付けて行かないといけない場所もある。
それが『メシのタネ』につながるなら、そんな事は言っていられない。
今日は若い衆たちに現場を任せ、営業と現場の工程確認、銀行も寄ってこないといけない。
1日中現場にいる方がよっぽど俺らしい。
そうそう職安にも行って継続手続きもしておかないと。。。
三田建設の現場はいつもはあまり綺麗な状況ではなかった。
しかし今回は現場監督が変わると言う例の電話に少し期待をしながら向かった。
現場監督とその下請け業者。
優位劣位は当然あるが、長くその会社で下請けをやっていると、ある程度その立場が逆転してしまう事がある。
それでもある程度の節度を持っていれば、お互いの信頼はそう簡単に崩れるものではなく、現場監督と『なーなーな関係』にはならない。
以外と綺麗に整頓された現場だった。
監督の性格や資質である程度現場は左右されるものである。
『できるやつか。。。』
期待を持ちながら現場事務所へ向かった。 軽い罠を持って。。。
「こんにちは。 現場確認に来ました。」
「社長さんですよね? 初めまして、松山と言います。 宜しくお願いします。」
顔を知っていたのかと思うほど、即座にしかも機敏に名刺を差し出してくる。
こちらも慇懃に礼をして名刺を交換した。
しかし、若い。
どう見てもまだ、20代半ばくらいにしか見えない。
確かに『松山』と言った。
『これがママの言ってた人なんだろうか。。。』
「ボナージュのママさんから聞いてます。 宜しくお願いします。」
すぐに疑問は払拭された。 それと同時に若いが好青年という印象が良く合っている。
「社長、申し訳ないんですが、次回から現場事務所のみにお越しの際でもヘルメットはご持参下さい。」
罠はいきなり見事に突破された。
お座成りに成り易い現場では、しかも新任の現場監督には有りがちな遠慮や不必要な気遣いは全く見られなかった。
『仕事は合格やな』
すべてを見たわけでもないのに身内贔屓というやつか、この松山という男性をある程度信用しても大丈夫な気がした。
「分かりました。 申し訳ない。 次回から気をつけます。」
彼はにっこりと笑いながら
「社長がキッチリされてるのは、前任者から聞いてます。 もしかして僕を試されましたか?」
「そこまで分かってたんですか。 精一杯お手伝いしますんでなんでも言ってください。」
こちらも自然と言葉が出た。
「ボナージュの話はまた今度でも致しましょう。 本日は来て頂いてありがとうございました。」
「失礼しました。」
現場の信頼は工事の中で培われるものと相場は決まっているが、時に現場監督との信頼関係はいろんな場面で変わってしまう。
初顔合わせだが、工程を任せられると分かった。
車で事務所へ帰りながら
「三田建設さん、いい子つかまえたな。 それにしても、ママには若すぎるな。 結婚って大丈夫なんかいな。 松山君もバツイチってなんでやろ。」
誰に言うでもなく独り言を言った。
嬉しい時に出てしまう俺のクセのようだ。
カランコロン。。。
今日はいつもより良く響いている感じがした。
「いらっしゃい。 今日、あの子の現場に行ったんやって?」
「もう話きてるんかいな。 ええ子やな。 仕事は間違いないと思うわ。」
「良かったぁ。 カズさんがそう言ってくれたんなら安心やわ。 うちでは仕事のことは分からんし。」
「でも、松山君はバツイチっていう事やろ? 私生活がどうかは俺は分からんで?」
「うん、それは私が聞いて決めるしかしょうがないもんね。」
「そやな。」
「今日はあの子も来るって言ってたわ。 カズさん、時間良かったら居てあげて?」
「分かった、ゆっくりしとくわ。 松山君はいくつなん?」
「28歳ねんて。 あの子童顔やろ? 最初ここに来た時は25歳くらいやと思ったけど、その分しっかりしてはるわぁ。」
「ママより6歳下か。 ギリギリやな。」
「全然大丈夫やんか。 カズさんと美雪ちゃんより普通やもん。 でも、あまり歳って関係ない気がするわぁ。」
「あまり、か。。。 そうかもな。」
「。。。 ママ、この前は気を使ってもろてありがとな。」
「私もやるやろ? 美登里ちゃんとかも『ママナイス』って言ってくれてたねん。 どうやった? 上手くいった?」
「ぼちぼちや。」
「そんな時にボチボチとか言わんとってよ。 美雪ちゃんホンマいい子やから大事にしたげてな?」
「うん、分かっとる。」
少し、決意のようなものが心の底にはあった。 でもそれを表情に出すにはさすがに歳を取りすぎていた。 まだまだ先は長い。 今までの経験や体験が先を考える事に歯止めをかけていた。
裏口のドアが開き、美雪はいつもの元気な笑顔で入ってくる。
「おはようございます。 カズさん、いらっしゃい。 この前はありがとう。」
「い、いやこっちこそありがとう。」
「早くも青春してるがな。」
「そんなぁ。 ママだってー。 支度してきます。」
「ママだってやと。 青春してはるんですか、ママも。」
「カズさんには負けてられんもん。 うちはいつも青春してるし。 あの子遅いなー。」
「まー、あの現場の大きさやったらそんなに遅くはならんやろ。 それよりママ、『あの子呼ばわり』はどうかと思うで。」
「あっ、そうやわ、うちの子も『あの子ってお母さんになってますよ』って言っててん。 気をつけよー。」
カランコロン。。。
「いらっしゃい。 遅かったんやね。 カズさんの横に座りーよ。」
「社長、こんばんは。 今日はありがとうございました。」
「ここで堅いのはナシにしときましょか。 お互い疲れがとれんでしょ?」
「そうですね。 ママ、俺も社長と同じもので。」
割りといろいろ話をした。
以前、結婚していたが奥さんが病気で亡くなったらしい事。
お子さんは居なく、東京に居る事さえツラかったので、関西に来た事。
大阪の現場で働いていた時に三田建設に引き抜かれた事。
さすがにここのママとの事は詳しく聞けなかったが、二人の話し方を聞いていると順調この上ない様子だった。
ママと松山君が話していると何故か微笑ましい。
こっちまで顔が緩んでしまう。
美雪の視線に気づいた俺は、美雪が同じような気持ちでいる事が余計に嬉しかった。 いつの間にか、俺も美雪を見ながら微笑ましい顔になっているのだと感じた。
このままの気分で帰りたかった俺は、二人の会話は切れた時を狙って
「いろいろご馳走さん。 そろそろ帰るわ。」
「はい。 美雪ちゃん、お勘定したげて?」
「カズさん、ありがとー。 またメールするからね。」
「あぁ、早く上がるんやったら電話でもいいし。」
「うん、気をつけて。」
「おぅ、お休み。」
俺は幸せの余韻のまま、外へ出て車に乗り込もうとすると美雪が駐車場の方まで来た。
「お見送り。」
「ありがと。」
俺は、以前から美雪に渡そうと思っていながら渡せない物を思い出し、それを美雪に渡した。
美雪は驚いたように、それでいてこの上ない喜びを前面に出しながらそれを受け取り、それを見ながら
「いいのん?」
「あぁ、汚いで?」
「私、全然平気やから。」
「また、メールくれ。」
「分かった、気をつけてね。 おやすみ。」
「おやすみ。」
俺は車のドアを閉め、走り出した。
バックミラーで見ると美雪はいつまでもこっちを見たままそこに立っていた。 きっと俺が見えなくなるまでいるだろう。
俺は、もう一度『おやすみ』と、車のハザードランプを2度焚くと美雪はそれに気づき嬉しそうに小躍りしそうになりながら右手を上げて振っていた。
そして手首に傷痕のある左手の中には、さっき渡した俺のアパートの鍵を握り締めていた。
(つづく)
第5章
カランコロン。。。
お決まりの晩メシを食べに来た時、その入り口は必ずこの音で迎えてくれる。
『いらっしゃい』
そんな感じではない。。。
『今日も来たのか、暇だねぇ』
俺にはこんな風な感じに聞こえる。 しかし、耳触りが悪い訳でもなく今日一日の終わりを惰性の中で迎えるのが良い生活であるかのように鳴っている。
「カズさん、いらっしゃい。」
ママもいつもの如く接し、またいつもの如く仕込みをしている。 今日は美雪ではなく、美登里という子が早い目に来ているようだ。
「今日も暑かったでしょう。 カズさん、いつもの?」
「うん、頼むわ。」
「カズさん、こんばんは。 美雪ちゃんから聞きましたよ?」
美登里がそう言った瞬間、飲みかけたグラスの冷えた水が喉につっかえて咳き込んだ。 ママは思わず笑っている。 それにつられて美登里も笑った。
「カズさん、そんなに慌てたら誰でも分かってしまうわ。」
「あたし、そんなつもりじゃなくて歌の事やったんですけどゴメンなさい。」
「そうか、みんな知っとるんか。。。」
俺はバツが悪く、おしぼりでクチを拭きながら得意の笑えない笑顔になった。
「もうみんな知ってるんやから美雪ちゃんが来たらちゃんとしーよ。」
「ちゃんとって何が。。。」
「ちゃんとってちゃんとやん。 結婚の話とか言ってるわけやないからね。」
「俺、ママとちゃうで。」
「えー、もうそんなところまで進展してるんですか? ママ そんな事、わたしには言ってくれへんかったのにー。」
「この人なー、これでけっこう奥手やねん。 高校の時でも、男子高に行ってたから余計に女の子と話せんようになったん違う?」
「それから何年経っとるねん。 それに俺バツイチやん。」
「まー、いいやん。 言ってくれてる内が華やで?」
「そうですよ。 カズさん、まだまだ大丈夫ですよ。 ガンバって下さいよ。」
「なんか、嗾(けしか)けてないか?」
「泣かせたらウチが黙ってへんからね?」
「わたしも黙ってませんよ?」
「だから、そんなとこまで進んでへんっちゅーのに。。。」
カランコロン。。。
珍しくこの店にしては早い目の本客が来た。
「お久しぶりー。 何人ですか? ボックスにします。」
ママは手際良く案内する。 美登里もお冷やとおしぼりを持っていった。
『やっと開放か。。。』
少し冷め気味の晩メシをいつものように’かきこんだ’。
冷えたウーロン茶を飲み一服をしていると裏口が開き、美雪が入ってきた。
「おはようございます。 あっ、カズさんいらっしゃい。」
いつもの笑顔。 タバコの味が変わった気がした。
「この前、かなり騒いどったんやな。」
「そうなんですよ。 私に彼氏を作るみたいな話になったから、好きな人居るしキスしたって話したら、どんな人?ってみんなに迫られて。。。」
「それで、俺なんや。。。」
「ゴメンね。 まさかカズさんが居てるって思ってなかったから。」
「いや、もっと男前やったら良かったんやけどスマンな。」
「そんな事ないですよー。」
まだ、この後に及んで体裁良く謙虚に話そうとしてる自分が少し歯がゆかった。
美雪もすぐに支度をし、カウンターに入る。
他にもう一人の店の子も出勤してきた。
もうそんなに遅い時間なのかと思わせるほどに、客も少しずつ入ってきた。
俺はいつもより長居した事で、出て行くきっかけを失ってしまった。 カウンターにも4人ほど客は座り、ボックスではママの付いた方と美登里が付いた方の2組になっている。
『今日は少し飲んで帰るか。。。』
マイボトルは置いたまま埃でもかぶりそうなほど動かしていないハズだ。
「美雪ちゃん、水割り作ってくれる?」
「あっ、はい。」
分かっていたかのようにボトルを探す事もなく、手馴れた手つきで作ってくれた。 仕事柄ボトルがまったく埃をかぶっていない事がすぐに分かった。 それに驚いて見ていたのを美雪は普通に
「私だってカズさんにアピールしとかないとね。」
「うん、ありがと。」
「そこの二人、いつまでも青春せんと歌でも歌ったら?」
ママがボックスから空いた皿を下げながら茶々を入れてくる。
「そやな。 折角居るんやし。。。」
『これだけ人が居ると歌いにくいけど。。。』
愛想言葉とは裏腹に、本当はあまり人前で歌うのは好きではない。 誉められても貶されても対処の仕方が分からないからだ。
とりあえず、選曲本から1曲選んで番号を美雪に告げた。
美雪の期待もさすがにこの時だけは重かった。
http://jp.youtube.com/watch?v=pkSk7__Gu2A
幼い頃から剣道ばかりをやっていたせいか、男性としてはかなり高音域が出るので、喉が大丈夫なら歌いきれた。
お決まりの拍手がボックスやカウンターから鳴る。
「カズさん、綺麗な声。 やっぱり好きで良かった。」
「そうか? でも恥ずかしいし酔ってるからそろそろ帰るわ。 タクシー呼んでくれへん?」
「タクシーで帰るんですか?」
「うん、俺 免許は絶対に無くせんし。。。」
すると、ボックス席の客をもう一人の女の子に任せたママが釣り銭を渡しながら
「美雪ちゃん送ってあげて? うちのお得意さんやからこれくらいのサービスしとかんと。」
「はい、じゃあカズさんちょっと待って下さいね。 バッグ取ってくるから。」
俺は入り口を出て、美雪が車を回してくるのを待った。
美雪は程なくして車を回してきた。 俺はそれに乗り込むと入り口でママが美雪を呼んだ。 美雪は入り口でママと何やら少し話をして車に戻ってきた。
「ママが、今日はもう上がってもいいからガンバってって言われましたよ?」
「言われましたよってどうするん?」
内心ドキッとする言葉だ。 男なら、こんなに気を利かせてもらえる事はそうないだろう。 でも、『ノリ』でというのも変に大人げない気がしてならなかった。
「どうします?」
「。。。」
「。。。」
車の中が急に暑くなった気がした。
「酔い醒ましに河原でもどうや?」
「そうしましょうか。」
車を河原に停めた。
美雪だって少しは飲んでいるハズなのに、ママもそれを承知で送らせた。 美雪もそれを分かっていて断らずに送ってくれた。
「俺、けっこうしょうもない男やで?」
何故かそう言っておかないといけない気がした。
保険。。。
卑怯。。。
『それでも俺が好きって言えるんか?』
ここまで来てもまだ相手より優位で居たい自分に少し腹が立った。
夜空は星が多い。 今だけでも星を綺麗だと言える男になりたかった。 少しでも気の利いた事が言える男になりたかった。
少し目を瞑り、その自分の腹立たしさを鎮めようと大きく息をした。
目を開けると、目の前に美雪の顔があった。
そして2回目のキス。
美雪は大胆さを微塵も感じさせず、そっとキスをしてきた。
俺は自分が腹立たしく思っていた事を後悔し、美雪を受け入れ、本気で愛そうと思った。 どれだけ続く愛になるか分からないが、体裁や後悔を恐れないように愛そうと思った。
俺は身体を起こし、俺の中に消えていた熱情を再び沸き起こしてくれた美雪に感謝するような思いで、美雪の上になり今度は俺からもう一度唇を重ねた。 二人はお互いの気持ちを確認するように燃え、そして俺と美雪はひとつになった。
(つづく)
第4章
夏を思わせる高い雲、幻聴としか思えない蝉の声、額の汗さえ蒸発させてしまう日差し。
今日もアルバイトたちと一緒に『メシのタネ』を掴むための仕事をしている。この子たちもイッパシの職人気取りで、あーでもないこーでもないと議論しながら汗を流している。
やはり覚えるのが早いなどと考えている間に本日の仕上げ分を終えてしまった。
早仕舞いした日はほとんどと言ってよいほど、この若い衆達と晩メシに行く。
この日も
「おーい、今日 晩メシ行くぞ。 予定あるんか?」
「ないッス。」
「大丈夫です。」
二人とも慣れたもので、すぐに返事が返ってくる。
「今日は何食うよ。」
「肉がいいッスね。」
「俺も肉久々ですよ。」
「よっしゃ、ほな肉行くか。 7時に事務所な。」
「おつかれさまッスー。」
「おつかれさまでしたー。」
「おう、気ぃつけてな。」
デスクワークでその日の作業日報や大口の行程表などをチェックしながら一服。時計に目をやり、まだ充分すぎる時間帯なのにそろそろ帰ろうという気になっていた。
車に乗り込みエンジンをかけようとした時、不意に携帯が鳴った。この時間に鳴る時は決まって取引先だろうと出なかった。しかし2度目の呼び出しが来たって事は急ぎの用事か。
『タイミング悪いな』
声には出さないが顔は変わっているだろうとバックミラーをのぞきながら携帯に出る。
「三田建設です。社長、今お忙しいですか?」
と、いつもの現場監督の声。
「お久しぶりです。 いいですよ。」
俺も卒のない返事をする。
「今度の現場なんですが、新しい現場監督を用意しますんで宜しくお願いしますね。 名前は松山って言いますんで。 いじめないでやってくださいね。」
「俺はいじめたりしないでしょ。 出来る監督さん?」
「はい、東京の方でゼネコンに居た事もある人なんで、そのあたりは大丈夫ですよ。 私なんかよりずっと上手く回してくれますから。」
「そうなんですか。 じゃあ、普通って事ですね。」
「もう。 勘弁してくださいよ。 私もフォローしますんでお願いしときます。 失礼します。」
俺は切る前の挨拶もそこそこに、松山という名前ばかりを頭に入れた。
『ママの彼氏かぁ』
この田舎街で、しかもたかが知れた建設会社に二人も東京から同じ時期に来るとは考えられなかった。
我が家(と言ってもアパートだが)に着き、取りあえずシャワーを浴びた。
頭から少しぬるい目の湯をかけ、いつの間にか頭の中が美雪の事に変わっている事に気がついた。
あの美雪の宣言の日以来、また1週間ほど店に行っていない。
今度は忙しさばかりではなく、行く気が起きてこなかった。
いや、起きてこない訳ではなく行くのが良いかどうか迷って行けなかった。
今まで女性からアプローチされた事がなかったわけではない。しかし今回の美雪の場合は今までとは違う気がした。
年齢差?
確かに14歳の差は大きい。でも以前にもその程度離れていても気にした事はなかった。何が違うのか自分でも分かっていないし、それ以前に美雪とどうなりたいのか見当がつかなかった。
思いは確かにある。
そうじゃなければ、その場の雰囲気であっても決してキスなどしない。それは分かる。なのに、心が進展したがらない。
性分上、あまりくよくよと長く悩むのが得意ではない俺は、頭の中をクリアにするようにいつもより必死になって頭を洗った。
事務所に6時半に着くと、若い衆は二人とも既に来ていた。
「早い目やけど行くか。」
俺の車に二人が乗り込むと焼肉屋へ向かう。
二人は何かと話が合うようだ。 車内でもパチスロの話、女の話、前座のコントあたりよりよほど面白い。
そのうちの一人が年上の女性の事を話しだした。
もう一人もそれに被せて話す。
どうやら、10歳以上年上の女性とでも恋愛は成り立つと結論付けたらしい。
「もし、俺の歳で15歳くらい年下の子と真剣やったらどうや。」
「ありですよ。」
「犯罪ッスね、それは。」
参考にならなかった。 まーあまり期待はしていなかったが。。。
「おやっさん、そんな子いてるんスか?」
「マジですか?」
「いや、分からんけどな。」
「いてるんや。」
「おぉー。」
そうこう話している間に店に着いた。
案内してもらい、小座敷に入る。
この店は、6人用の小座敷ばかりで20部屋ほどある店なんで割りと使いやすい。地元で仕事をしているといろんな人間と挨拶をしなければならない。 だがここはその変な気苦労を省いてくれた。
相変わらず良く食べる。 と唸らせる量をこの二人は注文し、俺は用を足しに席を離れた。
隣の座敷では、何がそんなに愉快なのかと思うほど女性の笑い声が聞こえていた。
不意にそのフスマが開き、俺は『足しに行くつもりの用』を一瞬忘れてしまった。
「あっ。」
「あっ。」
お互いがお互いを指差しそうになるほど、しかもピッタリと息の合った声でそう言った。
「カズさん、こんなとこで出会うんですね。 今、友達と話してたとこやったんですよ。」
「おぉ、久しぶりやな。 元気か。」
「そんな久しぶり違うでしょ。 今日は一人やないですよね?」
「うん、若い衆と3人や。 たまにここ来るけど始めて出会ったな。」
すると、フスマの向こうに居る同世代の女性であろう彼女たちに向かって
「この人がそうねん。 どう? 若くない?」
「若いやん。」
「いいやん。」
「今、カズさんの話をしてたとこやったんですよ。」
『え?』
すると、こっちのフスマも開いた。
声が聞こえたのだろう。 少しニヤけた感じでフスマから頭だけを上下に二つ並べて二人を交互に見ていた。
「おやっさん、さっきの15歳?」
「こんばんはー。 いつもカズさんにお店でお世話になってます美雪です。 カズさん、みんなでお店に来て下さいね?」
「近いうちに行くわ。」
「じゃあ、待ってますよ? また、歌お願いしますね?」
美雪はフスマを締めながら俺の目から瞳を逸らさずにそう言った。
俺は少し虚脱感を感じ、ボーっとしていると中から『もう少し小さな声で言わないと隣まで筒抜けやで』と思えるほどの陽気な声で彼女たちは話していた。
「いい人やん。」
「可愛いんちゃうん。」
『おいおい、35の男見て可愛いはないやろ』
俺は、取り付く島もなく閉まったフスマを見ながら元の座敷の方へ戻った。
こっちの二人は、さっきまでニヤけていたのに不思議そうな顔で俺を見ている。
「おやっさん、トイレは?」
『しまった。。。』
その表情を洗うように大きく息を吐き、俺はテレ隠しに
「心臓に悪いわ。」
と言いながら座敷から廊下に出た。
するとまた隣のフスマが開き美雪が出てきた。
今度は二人とも顔を見合わせて驚き合った。
「トイレ?」
「一緒なんですね。」
美雪は、’はにかむ’様に微笑んだ。
まるで、同じ行動で同じような仕草をした事を楽しみ嬉しんでいるようだった。
俺は確実に少しずつ美雪が近い存在になっていくのを感じ得ずにはいられなかった。
(つづく)
第3章
美雪の事を忘れた訳でもないが、連絡先も知らない者同士で何も展開があるはずがなかった。
あの夜、その場の雰囲気の中での出来事はその後の俺や美雪に行動を起こさせるほどの事件ではあり得なかった。
月曜の昼間、店のママから携帯に留守電が入っていた。仕事上、営業に回る時はすぐに出るのだが、ここのところ現場ばかり入っている。
ようやく仕事も片付き留守電を聞くといつものように旧知の如く、
「カズさん、今日は来るのん? 聞いて欲しい事もあるし寄ってね。」
ママが聞いて欲しい事。。。
おそらく店の事で俺に仕事を頼みたいのだろう。あの店もそろそろ手を入れないといろんなところに’ガタ’がくる頃だ。
一段落ついた俺はいつもの道で店へと車を走らせた。
店の扉を開くとママはもう既に仕込みを始めている。
俺はカウンターのいつもの場所に腰を下ろすと
「電話聞いたけど。。。 仕事の話?」
「ううん、違うねん。 カズさん三田建設って知ってる?」
「あぁ知っとるよ。 仕事で入っとるから。」
「ふぅーん。。。」
「ふーんってどうなん。 何を聞きたかったん。」
やけにママの顔がにやけていた。
「この前のデートと何か関係あるんか?」
「わかる?」
俺にとってこの店が通い易い理由のひとつは、このママの性格だった。信頼できるとわかったらなんでも話してくれる。
「って事は、この前のデートの相手が三田建設に勤めとるって事なんやな?」
「そうねん。 3ヶ月前から働きに来てるらしいねん」
「地元やないんや。 どこの人?」
「前は東京に居ったんやって。 うちと同じバツイチらしいんやけど面白いし、いい人やで。」
「惚れたっぽいな?」
「わかる?」
それはママの顔を見れば万人がそう思うだろう。子供が新しいおもちゃを買ってもらった時のように目をキラキラさせながら話している。
「カズさんが見た事ある人やったらって思って電話してん。」
「惚れたんやったら人の意見とかいらんやろ?」
「うん。。。 でも結婚とかの話になったらやっぱり心配もあるし。。。」
「結婚!? デート1回だけやろ?」
「ううん、毎日泊まりに来てくれてるねん。」
不意に入り口の扉が開き
「おはようございまーす。 あっ、カズさんこんばんは。」
美雪が入ってきた。
「この前はありがとうございました。」
「いやいやこっちこそ。。。」
「また歌聞かせてくださいね。」
と言いながら美雪は奥の部屋へ準備をしに行った。
すると、ママが顔を近づけてきて
「今の話はまだ店の子らには内緒にしとってね。」
「あぁ、分かった。」
とお互いに小声で良くない約束をするように話した。
その約束をいかにも隠すかのようにママは、少し大きな声で美雪に聞こえよがしに
「この前歌ったって何かいい事でもあったん?」
「いや、美雪ちゃんを口説こうと思ってな。」
俺も調子を合わせた。
すると美雪は奥から出てきながら、しかも満面の笑みを浮かべながら
「2曲も歌ってもらってん、ママ。 めっちゃ感動したねん。 カズさん歌上手いんやもん。」
「へぇー。 あたしが言ってもよっぽど気分良くなかったら歌わへんのに?」
「ピ、ピラフ美味かったからな。」
「でね、ママ。 お勘定のあとで、入り口でキスしてくれてん。」
「!!」
ママは、先ほどの彼氏の話の時より更に目を大きく開き、俺と美雪を交互に見ながら
「あんたらいつの間に。。。」
「いや、あの時だけやで。 あれから今日まで来てへんやろ?」
「美雪ちゃん、もしかして『もう手首隠しませんけどいいですか?』ってこの事やったん?」
「はい!」
美雪は真正面からそう返事をし、楽しそうに俺の顔を見ていた。
俺はまたしても笑えない笑い顔でママの視線に耐えていた。
そして美雪の左手首に目を落とすと、確かに『変わります』と宣言してるかのようにやけに白く毅然として見えた。
「ママ、腹減った。。。」
思い返してみるとこの頃、みんなが一番よく笑っていた気がする。
ひとときでも、親しい者の恋の話や自分に向かっているであろう愛。
笑い声も楽しく、一日のそのほとんどが充実という言葉で言い現せるのが実感できていた。
(つづく)
第2章
「リストカット。。。」
言葉にするつもりはなかったが、魔法にかかったようにくちが勝手にそう呟いていた。
俺は自分の言った意味に気づき、とても恥ずかしくなり顔を真っ赤にした。
当人である美雪はその言葉が自分に宛てたものではなく、何気ない一言だったように俺の方を振り向く。そして相変わらず穏やかな顔をして何事もなかったかのように洗いものを続けた。
俺は
『どのようにして謝ろう』
とそればかり気にして言葉にならない。しかし、なんとか振り絞り
「ごめん。。。」
と一言呟いた。
「ぜんぜんいいんよ、ホントの事やもん」
「いや、それでも言うべき事やなかったな」
「じゃあ悪い事言ったって思ってるん?」
「そやな。。。悪い事言ってもーたな」
「いいで、気にしてたら生きてきかれへんやん」
「生きて。。。 か。。。」
「カズさんって気にしぃねんな」
「。。。」
俺は笑えない顔をして笑った。
「じゃあ、お詫びのつもりでこの曲歌って?」
有線のBGMは完全に俺の耳には入ってきていなかったが、その曲は尾崎豊の卒業だった。
俺は好きな曲だから聴いてもらえるなら詫びになるかと思いながら歌った。
校舎の影 芝生の上 吸い込まれる空。。。
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好きな曲を歌っていると自分の世界に入ってしまう。
俺はいつの間にか、美雪の為ではなく俺自身の為に歌っていた。
最後まで歌おうとするとお決まりのように声が枯れる。
それでも振り絞った声でホールいっぱいに響くように歌った。
歌いきって『しもた』と気が付き彼女を見ると、彼女は何故かモニターを見上げながら泣いていた。しかも左手首の傷を癒すように右手の指でなぞりながら。。。
歌に感動したのではない事はすぐに見てとれた。この歌に思い入れがあり、しかもその左手首の後悔のうちの1本は間違いなくこの曲を聴く時に思い出すのだと分かった。
俺は聞くべきではないと知りながらどうしてもその誘惑に勝てず
「思い出す事があるんやな」
彼女は涙を拭きながら
「ママには内緒やで?」
『傷の事?』
『泣いた事?』
『歌の事?』
『。。。』
いろんな意味を頭の中で巡らせながら、やがて全てを内緒にするのが良いのだと結論づけた。
美雪は泣いた事をまったく恥ずかし気もなく
「もう1曲だけいい? カズさん時間は大丈夫?」
「かまへんよ」
俺は美雪が歩んできた人生に興味が出てきて、もう1曲歌えばもっと知る事ができるかもしれないなどと思ってしまいながら、彼女がカラオケを操作しているのを見ていた。
『どんな曲だろう。。。』
『歌える曲だろうか。。。』
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この曲で意味するもの。。。 『同棲』
きっとそうなのだと思いながら枯れた声を絞りながら歌った。
今度は彼女の顔を横目で見る余裕があった。
予想に反して美雪はモニターを見ながら軽く微笑んでいた。
少しほっとしたような、それでいて嫉妬が混じっているのかと思うような胸の内を悟られないように歌った。
「ありがと。 カズさん上手なんやね」
「そうか。。。 詫びやから気合い入れたからな」
「昔の事いろいろ思い出せたし、今日は嬉しかった」
「そろそろ帰るわ」
「うん、また歌ってね」
「喉が潰れんかったらな」
俺は入り口に向かい、美雪も当然のように見送りに入り口へ来た。
「ごちそうさん」
「ありがと」
「いえい。。。」
俺は言葉が途切れ、美雪の目から視線を切る事が出来なかった。
美雪は俺の目をじっと見つめたまま瞬きもせず、俺の目を通してその奥の心まで見つめてきた。
不意に彼女は目を閉じ、俺は最初から約束された演出のように彼女に唇を重ねていた。
(つづく)
第1章
有線から不意に時期外れな曲が流れてきた。
そう、尾崎豊の卒業という曲。
尾崎豊は確かにカリスマの一人だったと思う。
俺は尾崎豊の曲の中で1番最初にこの曲に出会い、お決まりの衝撃を受けその後確実に一生忘れないであろう人間として彼を認めた。生き方を肯定する訳ではないが、『魂に響く歌』の意味を理解させてくれた事に間違いはない。
「この歌聞くと美雪ちゃんを思い出すね」
とママが呟いた。 その顔は、俺を癒すようにも哀れむようにも見えた。
「もう何年前になるんかなぁ」
「4年過ぎたよ、おチビが3才半やもん」
「ママには、この曲辛いんやないん?」
「もう慣れたわぁ。それに母は強しやから。。。それよりカズさんはこの曲で辛くならへんのん?」
「俺は。。。 どうなんやろ。。。」
行きつけのスナックで貸し切り状態の中、ピラフにウーロン茶。週に3回はこの店で晩メシを‘かき込む’。
4年前、この店も今よりはずっと繁盛していてカウンター内にも女の子が常に2、3人入っていた。
田舎には珍しくカウンター・ボックス・ステージ・ビリヤード台と揃っていて、若者たちがハシゴ締めに来たり、もちろん店の子を目当てに来たり。。。
その店の子の中の一人が美雪だった。
美雪は整った顔立ちと言うよりは聡明な感じで美人と言って間違いなく、歳はまだ21才だが、話すと自分の主張をはっきりと言うタイプのように見えた。
当然、若者たちとの会話でもはしゃぎ年配者との会話も上手く出来た。
ただ、左手首に何故かいつも何かしら巻いていた。。。
と或る水曜のお店、いつものように早い目の晩メシを‘かき込む’俺とそれを作ってくれたのが美雪だった。
ママが珍しくデートだという事で彼女がチーママっぽく振る舞っていた。
今日は看板に火を入れず俺の晩メシが済むまで居て欲しいから一人だけど頑張って。とママから指示をもらったそうだ。
いつも通りに素早く食べ終わる頃、気の利く美雪はコーヒーを入れてくれた。
有線から流れてくるBGMが心地よく、タバコをゆっくりと吸いながらボーっとしていた。
彼女は俺が食べた食器をBGMにつられるように丁寧に洗いながら穏やかな顔をしていた。
ふと気がつくと、今日美雪はいつも何かを巻いているはずの左手首に何も巻いていなかった。俺はその手首を見た瞬間から魔法がかかったように目が離せなくなっていた。
(つづく)
