昨日、知人の住所が書かれたメモを棚に探していたところ、去年の夏、東京オペラシティアートギャラリーで開催されたTrace Elements の鑑賞ガイドと、その中で展示のあった古屋誠一の作品リストがクリアファイルに入ってでてきた。
大学時代、カルチャー誌の編集をしていた年上の彼に連れられて行った、青山スパイラルホールで観た古橋悌二の「LOVERS」をもう一度体験することが目的だった。
これはプロジェクターを使った作品なんだけど、展示されている四方を囲まれたスペースの中に、時間を忘れて座り込んでいたこと、好きな人のことを考えるときみたいな切ない気持ちで胸がつまったことを、10年経った今もおぼえている。
10年ぶりの「LOVERS」を、誰もいない部屋でぼんやり観たあとにたどり着いた、古屋誠一の展示がとても良かった。作品リストには、彼の大事な被写体だった奥さんの日記と、それに呼応するような彼のメモが載っていて、それらを読み進みながら観る写真は、辛くてはかなくてでも美しくて、愛情と憎しみや寂しさがぴったり寄り添っているようだった。
ルイボスティーを飲みながら、作品リストをゆっくり読んで、それから探し物のことはすっかり忘れて眠ってしまった。







