イリス・スカーレット 狂乱編9 ~神々の実力~ | 東方自伝録

※この作品がリメイク前の作品となります。

  現在リメイク中の作品

 

  『Angel Down 狂乱する少女編

  『Angel Down 少女たちの過去編


  がありますので、そちらへどうぞ。















よぅオマエラ。ゼロだぜ(・∀・)



今回は、神2人VS吸血鬼の回だぜ。



前回のあらすじ



妖怪の山に戻ってきた射命丸。


そこで見たものは、虫の息だった椛であった。


そこに、イリス(分身)が襲撃をかける。


イリスの猛攻に敗れ、力尽きる射命丸。


目の前には虚ろな瞳をした椛が。


射命丸の最後の願い空しく、イリスの手によって葬られてしまった。





では、ゆっくりしていってね!



















――守屋神社にて



イリスは目の前の二人の少女と対峙していた。
一人は、背中には蛇を表したしめ縄がしてあるのが特徴の、青髪の少女であった。
もう一人は、金髪に幼女体型をしたのが特徴の少女であった。


イリスはすぐに二人の分析に取り掛かった。

まず、ゼロの脳内へアクセスして、必要なデータを探す。
そしてデータを参照にして、敵の情報を知る。

この2つを僅か3秒で行ったのだ。


イリス(これは……)


イリスがゼロの脳内から得たデータ。そこには……。

守屋神社に祀られている神様と書いてあったのだ。


イリス(神……)


イリスの中で、不快な気持ちがどんどん積もっていくのを感じた。

イリスは神が嫌いだった。その単語さえ粉々に壊してしまいたいほど。

何故なら、フランを襲った残酷な運命を創ったのは神だからである。




神は、この世界を創った。


神は、命を創り、育ませた。


神は、皆を平等にするはずである。





じゃあ……なんで、フランはあんな運命に……。


だから、神などいない。

神の存在など信じたくないのだ。


神がいるのなら、私たち3姉妹ももっと幸せになれるはずなのだ。

神がいないのだから、運命に翻弄されるのである。


イリス「ふふ……」


イリスは微かに笑った。
それを見て、神奈子が口を曲げる。


神奈子「何がおかしいのよ?」


イリス「ふふ……貴女たち、神なのね?」


神奈子「ええ。そうよ」


その言葉を聞いた瞬間、イリスは狂ったかのように笑った。


イリス「ふふ、嘘ついちゃ駄目よ。神様なんているわけないじゃない。
     神様なんて……ただの偶像と同じよ……」


イリス「神様は、皆を平等に幸せにするためにいるんでしょ!!
     じゃあ、なんであの子の……、フランの運命を見殺しにしたのっ!!」


二人は何も言い返すことができなかった。

二人とも分かっていたのだ。


いかに神の力が強くても、結局皆を幸せにすることも、

助けることもできないのだということを……。










ただ三人を除いては。


神の中でも最も強力な魔力をもつ運命の3女神。
その名の通り、3姉妹の神である。


長女はクロト。


誰から見ても、心が読めない、信用できない性格で、常に刺激を求めている神。
時々、予想もしないようなことをやらかす危険な神。



次女はラケシス。


冷静沈着で、クロトの命令には絶対服従状態。クロトの操り人形であり、クロトの右腕。
無口で感情がほとんど存在しないため、話し合いさえできない。



三女はアトロポス。


活発な性格で、喜怒哀楽が激しい。どちらかというと、情緒不安定ともとれる。
魔力自体は、3姉妹の中で、一番劣っている。



運命の3女神は、神でさえたどり着くことができなかった領域、運命を操る力を会得している。
レミリア・スカーレットも運命を操る程度の能力を持っているが、
彼女の能力とは次元が違うほどのレベルである。

レミリアが世界の崩壊や、全生物の死の運命を操ることはできないが、
彼女たち3姉妹はそれを操ることができるのだ。

そこが、神と吸血鬼の違いなのだ。


彼女たちであれば、フランドールの運命を変えることも可能である。
だが、彼女たちは基本的に気まぐれ。

むしろ、悪い方向に運命を操るような神なのだ。


そんな神には頼れない。


二人の想いは一緒だった。


目の前の少女の目的が、フランドールの運命の改変だというのなら、
まず彼女を止めて、運命の3女神に頼みに行くしか方法がなかった。

もちろん、今の彼女では言葉で止めるのは不可能に近い。
何の関係もない小悪魔を死に至らしめるほどの傷を与えるほど、彼女は暴走していたからだ。


今の彼女を止める唯一の方法、それは力づくであった。

力で彼女を止めるしか、今の二人には思いつかなかった。

だが、力で彼女を止める。最も簡単な方法だった。


相手は神ではない。ただの吸血鬼なのだから。


神奈子「とりあえず、あんたをここで止める。これ以上は好き勝手させないよ!」


イリス「できるかしら?」


神奈子「できるさ。行くよ、諏訪子!」


諏訪子「うん!」


神奈子は懐からスペルカードを取り出し、スペルカードを宣言した。



「――筒粥『神の粥』――」



神奈子の周辺に無数の小粒な弾幕が出現した。
その弾幕が高速でイリスの周辺に接近し、じわじわとイリスに向かって進んでいく。

イリスは何食わぬ顔でこのスペルカードを迎え撃とうとしていた。



「――混符『クライシストルネード』――」



イリスに迫ってきた弾幕が一瞬にして、消滅した。
まるで、元々存在しなかったかのように跡形もなくなっていた。


神奈子「む……」


諏訪子「援護するよ!」



「――源符『厭い川の翡翠』――」



そのスペルカードを宣言した直後、

諏訪子の周囲に無数の水滴がまるで竜のように集まり、イリスに喰いかかった。

イリスは上半身を仰け反りながら、竜の噛み付き攻撃を避け、
その体勢から次のスペルカードを斉唱した。



「――禁忌『クランベリートラップ』――」



イリスの周囲に円球の色鮮やかな弾幕が無数に出現し、二人に襲い掛かった。

神奈子が前に出て、スペルカードを宣言する。



「――神符『水眼の如き美しき源泉』――」



イリスが放った無数の円球の弾幕と神奈子が放った先端が鋭利な弾幕がぶつかり合い、
爆風の連鎖を引き起こした。

お互いが、煙から目を防御している体勢でいると、爆風の中から何かが光った。


諏訪子(……あれは!)


諏訪子が見たもの、それは、小粒の弾幕であった。
先端が鋭利な弾幕……先ほど、神奈子が宣言したスペルカードの弾幕であった。



「――神符『水眼の如き美しき源泉』――」



未だに煙で目が塞がれている神奈子の前に立ち、スペルカードで応戦する。


諏訪子「神奈子は、殺らせないよっ!!」



「――土着神『ケロちゃん風雨に負けず』――」



そのスペルカードを宣言した直後、空が突然雲で覆われ、

雲の中から、小粒の弾幕が雨のようにイリスの頭上に降り注いだ。
その様子は、まるで集中豪雨かのようであった。


だが、イリスはその弾幕の嵐を見ても、少しも動じなかった。
逆に、嬉しそうであった。


諏訪子「なんでそんなに笑っていられるの?」


諏訪子が疑問に思い、問いただす。
対してイリスは、狂気に満ちた顔で嬉しそうにこう言った。


イリス「貴女たち、強いわね。しかも、まだ力を隠し持っているわね?」


諏訪子「あれ、バレちゃってたんだ」


イリス「ほとんど攻撃してきてないじゃない。
     スペカはあくまで私の攻撃を防ぐくらいしか使ってないし」


諏訪子「やっぱり、ただの妖怪じゃないわね……貴女」


イリス「本気を出してくれるかしら?」


神奈子「あんたも手を抜いているようだが、本気を出してくれるのかい?」


神奈子の問いに対し、イリスは悦々と答える。


イリス「いいわよ。私の、吸血鬼の本気。
     灰と化すまでその瞳にしっかりと焼き付けるといいわっ!!」








満身創痍リスト:十六夜咲夜
        パチュリー・ノーレッジ
        レミリア・スカーレット
        小悪魔
        犬走椛
        射命丸文

                


                     To be continued...




一応、本編補足。


スペルカードでも人殺せる。


現実で考えたらそうだろ?




今回新キャラが三人登場したぜ。


出番はもう少し先の話だけどな!


元ネタは、運命の3女神から。