美肌づくりの基礎となるターンオーバー。『肌の新陳代謝』とも呼ばれる、お肌が生まれ変わる状態を指します。
「お肌が生まれ変わるってどういうこと?」と疑問に思うところですね。まずはターンオーバーについて、その仕組みと役割について解説します。これを知れば、なぜターンオーバーが美肌づくりに重要なのかが理解できて、美肌づくりのためにすべきことが分かりますよ。
◎皮膚は3層の組織で構成されている

私たちの身体の表面を覆っている皮膚。実は一口に皮膚といっても、複数のタンパク質の層が積み重なっています。肌の外側、最も外気に触れている部分から順番に、「表皮」「真皮」「皮下組織」というタンパク質の層が重なっています。
皮下組織
一番奥深くにあるのが、皮下脂肪を中心に構成される皮下組織。動脈や静脈が通り、肌の組織へ栄養を運んだり、老廃物を排出する役割を担っています。
真皮
皮下組織の上にあるのが、真皮。皮膚の大部分を占めていて、いわば肌の本体ともいえる組織。皮下組織を除いて、平均で2ミリ程度の厚さがあります。繊維状のタンパク質であるコラーゲンが主な要素。その他にも、ヒアルロン酸やエラスチンというタンパク質成分も含んでいて、肌に水分や弾力を与える役割を担っています。
表皮
もっとも外側にあるのが、表皮。真皮が約2ミリの厚さと紹介しましたが、表皮に至っては、なんと0.2ミリという極薄の膜でできています。常に外気にさらされながら、異物の侵入を防いだり、お肌の水分が蒸発することを防ぐ役割を担っています。
◎垢が剥がれ落ちるサイクルがターンオーバー
皮膚の一番外側にある表皮ですが、ここもいくつかの層が重なっています。
内側から順番に、基底層(きていそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、顆粒層(かりゅうそう)、角質層(かくしつそう)という階層です。角質という言葉は、皆さんも耳に馴染みがありますよね。古くなった角質を洗い流すために、毎日の洗顔をしているわけです。
皮膚を構成する組織について知ったところで、本題のターンオーバーです。表皮の深層部にある基底層で細胞が生まれ、形を変えながら表面に押し上げられてきます。
新しい細胞に内側から押し上げられて、表面にまで浮き上がってくるのです。表面に出てきた細胞は、無核と呼ばれる、いわば死んだ細胞です。細胞としての役目を終えて、あとは捨てられる存在となっています。具体的には、垢(アカ)となり、自然に剥がれ落ちる構造です。
つまり、細胞が生成され、それぞれの役割を果たしながら、最終的には垢となって剥がれ落ちる。この一連のサイクルを、ターンオーバーというのです。
◎ターンオーバーによって、お肌は守られている
ターンオーバーによって、表皮が常に入れ替わっていることを紹介しました。では、表皮がいつも新しいことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
表皮の解説でも紹介しましたが、大きく2つの大切な役割を果たしています。ひとつが、バリア機能。皮膚の表面から、ホコリや菌が侵入することを防いでいます。もうひとつが、保湿機能。お肌の水分が、体外に過剰に蒸散するのを防ぐことで、乾燥を抑制しています。
ターンオーバーの仕組みがあることで、常にお肌は、新しいバリア=しなやかで強く美しい角質に守られ、バリアと保湿の機能を維持できるのです。
ターンオーバーはお肌を守るため、一定の周期で繰り返されています。では、一定の周期とはどの程度の期間なのでしょうか。バリアと保湿の機能が最大限に発揮されるためには、最適なターンオーバーの周期が望ましいところ。
◎標準的なターンオーバーは28日!?
ターンオーバーの周期は、個人差はもちろん、身体の部位ごとに異なると言われています。一般的には28日とされていますが、実際には倍以上の開きが。標準的な周期として、28日〜56日程度と理解しておくと良いでしょう。
基底層から顆粒層までで14日〜42日、角質細胞となってはがれ落ちるまでが14日。速度に個人差があるものの、14日〜56日がターンオーバーの周期と考えられています。
いまこの瞬間に生まれた表皮細胞は、代謝活動を行ないながら14日後に角質となり、さらに14日後にバリアの役目を終えてはがれ落ちます。
※ただし、手足など末梢部分については、血行の関係によりさらに周期が長くなるとされていることも覚えておいてください。角質層の層数は、身体の部位によって異なります。多い部位では、10層以上のバリア層があり、ターンオーバーのサイクルにも違いがあります。
では、ターンオーバーの周期が標準とずれていたらどうなるのでしょうか。周期が早い場合、遅い場合の問題について考えてみましょう。
はじめに結論からお伝えすると、
ターンオーバーが遅い:古い角質が肌に残ってしまい、ターンオーバーが機能しない。
ターンオーバーが早い:セラミドなどの成分が充分に生成されず、バリア機能が弱くなる。
そうです。ターンオーバーの周期は、早すぎても遅すぎてもお肌にとって良くありません。だからこそ、ターンオーバーを正常化させる・正常な周期をキープする必要があります。
周期のずれによって起きる問題点を、詳細に見てみましょう。
◎ターンオーバーが遅いとおこる症状
自然とはがれ落ちるはずだった老廃物=垢が肌の表面に付着しつづけることになります。生命力のない細胞が肌の表面を覆い隠し、角質層が厚くなります。毛穴がふさがれてしまい、古い角質や皮脂が外に出ることができず詰まってしまうのです。
古い角質が排出されないことで、肌がくすんで見えてきます。シミやシワ、くすみなどが目立つ原因でもあります。この期間が長くなるほど、たるみやゴワつきが発生し、肌が硬化して乾燥しやすくなります。
またターンオーバーが遅れる原因のひとつに、加齢があります。年齢を重ねるごとに、どうしても細胞の働きが弱まり、ターンオーバーの周期が長くなってしまうもの。加齢を差し引いても周期が遅れている場合は、早急なケアが必要です。
◎ターンオーバーが早いとおこる症状
ターンオーバーの周期が加齢によって遅れていくわけですが、早い場合の影響はどうでしょうか。一見すると、お肌や細胞が若々しいためにターンオーバーの周期が早まるように思えます。ところが、早すぎるターンオーバーにもお肌トラブルの原因があるのです。
ターンオーバーが早くなるということは、準備のできていない細胞がお肌・皮膚の表面に出てくる状態です。準備の整っていない細胞とは、小さく薄く傷みやすい状態。充分に育っていない角質が肌を覆い、機能の弱いバリアを形成することになります。
小さく薄い角質は、水分の保持力が低いため、傷み・乾き・縮みやすいという性質があります。バリアとしての機能が弱いため、過敏に汗や皮脂を放出することになり、敏感肌や肌荒れへとつながるのです。この状態を長くつづけることで、お肌の過敏さが増幅され、シミが発生し易い状態、赤み、炎症ニキビ、湿疹等炎症のリスクが高まります。
◎ターンオーバーが早い場合のトラブル
ターンオーバーが早いことで、さまざまな肌トラブルが発生します。トラブルの種類は、バリアとなる角質層の量や皮脂の量によって異なります。部位ごとに角質・皮脂の量が異なりますので、それぞれの場所で発生しやすいトラブルをまとめてみました。
角質層が薄い・皮脂の少ない部位:カサカサ肌・ガサガサ肌、肌の硬化、シワ、シミの発生、大人ニキビ、赤みや湿疹
角質層が標準的な量・皮脂の多い部位:皮脂や汗の増量によるべたつき・てかり、毛穴の目立ち、毛穴の黒ずみ、角栓の発生、皮脂詰まり、赤み、炎症ニキビ、湿疹等皮膚トラブル、過敏さの増加
ターンオーバーは早くても遅くても、正常ではない=乱れた状態であり、お肌・皮膚にとって悪影響を及ぼします。でも、どうしてターンオーバーが乱れてしまうのでしょうか。ターンオーバーを正常化させる方法を知るためにも、その原因をきちんと把握していきましょう。
◎ターンオーバーが乱れる原因
ターンオーバーを乱す原因の多くは、生活習慣にあります。本来、人間の身体は正常なターンオーバーを行なおうとしているものの、それを邪魔する行為・習慣を身につけてしまうことで、お肌の新陳代謝を乱してしまうのです。
以下に挙げた悪い生活習慣に心当たりはありませんか?
- 血行不良
- 睡眠不足
- ストレスが多い
- 栄養不足
- 間違ったスキンケア
血行が悪いと、細胞が空腹状態になります。働きが悪くなるため、通常であれば1ヶ月で生まれ変わるターンオーバーのリズムが遅れてしまいます。
睡眠不足も美肌の大敵。お肌の再生能力が活発になるのは、夜に眠っている時間帯です。睡眠不足によってターンオーバーが乱れ、お肌の再生が行なわれなくなります。
睡眠不足や栄養不足に並んで、お肌トラブルの原因となるのがストレスです。ストレスを受ける・溜め込むことでホルモンバランスが崩れ、お肌にさまざまな悪影響を及ぼすのです。
その他、食生活の乱れや日焼け、間違ったスキンケアによっても、ターンオーバーは乱されていきます。
◎ターンオーバーを正常化する睡眠
ターンオーバーは寝ている時間に行なわれます。良質な睡眠こそが、ターンオーバーの正常化に欠かせません。
ゴールデンタイムやエンジェルタイムという言葉を聞いたことがありますか? お肌にとって最も大切な時間帯である、午後10時から午前2時を指します。美容エキスが大量に分泌される時間帯と言われ、まさにゴールデンであり、お肌にとってのエンジェルなんです。
とはいえ、毎日22時に眠りにつくのは難しいですよね。心配はいりません。時間帯以上に重要なのが、睡眠時間です。ターンオーバーが行なわれるのは6時間程度と言われています。つまり、最低でも6時間の睡眠をキープすること。しかも断続的ではなく、きちんと6時間の継続した睡眠=お肌にとって質の良い睡眠を目指しましょう。

