2T


オデッサでは依然として戦いが続いている。

だが我が軍のザクの前には連邦の既存兵器などカトンボに過ぎん。


ジャブロー上空では進軍を二手に分けたのが災いしてか、防衛隊の必死の抗戦でトップ中隊はザクIを8機も損耗。

随伴のパプアも撃沈、ユーリ少将のムサイが沈むのも時間の問題となってきた。


宙域1は順調な模様。

防衛艦隊が動く気配もない。


圧倒的ではないか、我が軍は。



3T



オデッサの制圧が完了。

これをもって第一次降下作戦は終了となる。


続いて第二次降下作戦を実行に移す。

チベのマ・クベ中佐が地上に降りたいと異動願いを出してきたが黙殺。


第二次降下作戦の目標は北米。

地球一の穀倉地帯である。


まずは手始めに中部を制圧、そこを拠点にニューヤーク、キャリフォルニアを順次攻略する。


キャリフォルニアには連邦海軍の基地がある。

しかし、恐れることはない!


先のコロニー落としの副次的被害により、連邦海上艦隊は壊滅的ダメージを受けている!


そのような軟弱の集団がいくらあろうと我らの敵ではない!!


ルウムで、そしてオデッサで見せた我が軍の精強さを充分に魅せつけるのだ!


ジーク・ジオン!!!




ジャブロー上空の制圧も完了。

ザクを9機も失い、トップ中隊は壊滅。

ユーリケラーネもムサイと共に…


…無事だそうだ。

ズムシティの病院にいるらしい。


失ったものも大きいが、ジャブローの頭を抑えれたのは大きい。


束の間の休息を挟んで、損傷の少ないヘルシング大佐のムサイとMS隊には宙域2へ向かってもらう。


ルナツー包囲網というわけだ。


戦闘が続いている宙域1では緒戦で我が方のザクが連邦の輸送艦コロンブスを撃沈。

コンスコン少将のチベもマゼラン級戦艦と砲火を交えている。


敵はまだ多いが、こちらの制圧も時間の問題だ。





またもや開発部からの報告

ザクIIF型、及び大気圏内戦闘機ドップの開発が完了したという。


ザクは概ね計画書通り。

問題はドップだ。


試作機があるというので見に行ったがとても飛べるシロモノには見えない。


貴様が開発主任か。

このドップだが、

一度でも飛ばしたのか?


開発部「総帥、無理をおっしゃいますな。コロニーで戦闘機を飛ばせと?」


聞いた私が愚かだった。


セシリア、こいつの、ドップの設計図はどうなっている?


セシリア「すでに全拠点に回っております。オデッサでは生産ラインが出来ているとか」


遅かったか。連邦にでもリークしてやろうとも思ったが…。

仕方ない。

だが主任、もしもこのドップが飛ばなかった暁には、わかっているだろうな…!



セシリア「総帥、MS開発局の担当者から報告が。また新たな開発計画のようですが」


陸戦型とカスタム機か。

予算を回してやれ。

陸戦型の開発を急ぐように伝えろ。


これからは地上が主戦場になる…


重力戦線か



開発部からの開発計画書に目を通す。


南極条約で核兵器禁止が決まったことを受け、ザクIIの耐核装備を省略したタイプ-計画書[プラン]にはF型と書かれている-の開発を行いたいらしい。


ザク、F型か


開発部「はい、耐核装備の排除により使用資源の削減、生産工程の簡略化が可能です。更に機体重量が減少することにより、運動性、機動性の上昇、データ上では稼働時間の延長も」


装甲はどうなる?ザクは現状でも宇宙戦闘機の機関砲に耐えるのがやっとだそうではないか


開発部「その点はご心配には及びません。ザクIIの耐核装備は主に装甲内の充填剤によってなされておりますので、実験データによりますと」


わかった、よい。

開発を許可しよう。倍額出してやる。急げよ。


次は…航空機、大気圏内用の戦闘機か。

私は航空力学などには詳しくはないのだが…、セシリア


セシリア「何でしょう、総帥。」


これをどう見る、兵器開発部の連中が提出してきた重力下専用の戦闘機の設計図なんだが

そこには見たこともない形の戦闘機の設計図が載っていた。


セシリア「…」


責任者につなげ


開発部「ジーク・ジオン。」


ジーク・ジオン。この計画書にあるドップとかいう戦闘機のことなのだが…


開発部「御覧いただけましたか。あれこそがわがジオニック、もとい、ジオン公国の技術を結集した新時代の」


わかったわかった。

ひとつだけ聞いておきたいが、

これはちゃんと飛ぶのか


開発部「もちろんです。我々の計算によ」


黙れ。許可しよう。


セシリア「総帥、もう一つ計画書が届いております」


見せろ。

輸送艦の改良?

こんな老朽艦を…

まあいいだろう

許可。


セシリア「総帥、情報部から連絡が。敵兵器の開発プランを入手したとのことです」


よくやった。

こちらに、

なんだ、コロンブス級ではないか


しかもなんだ我が軍の技術部はこんな物も作れんのか…




第一次降下作戦が開始された。


降下地点の目標はオデッサ。


我々にとって、そしてモビルスーツにとって初めての地上戦である。

降下部隊を率いるのは外人部隊出身のケン・ビーダーシュタット少尉。

サポートにサイクロプス隊も付け、

更にはキシリアから取り上げた黒い三連星も遊撃隊として加えた。


我々はついに、大きな一歩を踏み出すのだ!


赤熱しながら大気圏に突入するHLVの中で彼らは何を思うのだろうか




地上にだけ目を向けているわけにもいかない


先のルウムでの戦いで大きく損耗してはいるが、連邦軍随一の宇宙要塞であるルナツーは健在であり、

連邦宇宙艦隊も一部ではあるがそこで反撃の機会を伺っている。


ルナツー・ジャブロー間のルートは絶っておかねばならない。


軌道艦隊の一部をジャブロー上空へ、

サイド4跡に駐留しているドズルの部隊を宙域1へ送り込む。


うまくやれよ、ドズル


人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎていた。
地球の周りの巨大な人工都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、
そして死んでいった。

宇宙世紀0079、

地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、
地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。

この一ヶ月あまりの戦いでジオン公国と連邦軍は総人口の半分を死に至らしめた。


人々はみずからの行為に恐怖した。




0079 1/31

連邦に戻ったレビルの演説により連邦軍に士気が戻り、
南極条約は戦時協定の締結に終わった。



一ヶ月では終わらなかったか…

だがまぁいい。
地球侵攻作戦の手筈は既に整えてある。

公王の署名も頂いたことだしな…



全軍に伝えよ!
我が軍はこれより第一次降下作戦を実施する!!

目標は東欧、オデッサ!!
重金属を始めとした豊富な鉱物資源が眠る鉱山地帯である!!

我ら宇宙市民が常に不足してきた鉱物資源を
いまこそ自らの手で掘り出す時が来たのだ!!

諸君の鋼の魂を見せる時である!

ジーク・ジオン!!!