調査報告書のコピーは、シェル・ブラックホ-ド法律事務所の自動車事故専門のチームに回され、折れ曲がったボトルネジの写真が出てきた時、チームは全員で、小躍りして喜んだ。

運転していた一九歳の少年は死んでいる。シートベルトを車体に固定するためのボトルネジが折れ曲がっている写真は、間違いなく第一級の製造物責任であることを証明していたのである。

 

瀕死の重傷者や死亡事故の遺族こそ最高のクライアントである。賠償額は跳ね上がり、その40パーセントが弁護士報酬となるのだ。

そして事故車体は、GMでもフォードでもクライスターでもないアマリカの自動車市場を荒らし回っている日本のメーカーのものであったのである。