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トピックⅠ 新型コロナウイルスに関する助成金
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新型コロナウイルスによる影響がかなり大きくなり
在宅勤務や時短営業、休業をしなければならない事態の
会社も多いようです。
このところ特にご質問が多くなってきた
厚生労働省が出している助成金について解説します。
※令和2年4月9日現在の情報を元にしています※
□ 助成金の種類
厚生労働省ではたくさんの助成金を出していますが
今回の新型コロナウイルスに関する助成金の
主なものは2つあります。
1つが「雇用調整助成金」
もう1つが今回新設された
「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」
(以下、「小学校休業等助成金」)です。
具体的にどういう助成金なのか、
通常の助成金より支給要件が
緩和されている部分もありますので
その点を確認していきます。
□ 雇用調整助成金
雇用調整助成金は、
景気の変動、産業構造の変化その他の
経済上の理由により
事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、
一時的な雇用調整
(休業、教育訓練または出向)を実施することによって
従業員の雇用を維持した場合に支給されます。
今回の新型コロナウイルスでは、
教育訓練や出向は考えにくいため
休業について取り上げます。
事業主は労働基準法により
「会社都合により休業した場合、休業手当を支払う」義務が生じますが、
その「休業手当の一部を助成するもの」が今回の助成金となります。
また今回は新型コロナウイルスの関係で
通常の支給額や支給要件より緩和された内容となります。
(令和2年4月9日現在)
【支給対象】
支給対象事業主:雇用保険適用事業所
申請対象労働者:休業した労働者
※1 本来は雇用保険加入6か月経過後の
被保険者のみ対象としていますが、
新型コロナウイルスの影響による場合は
6か月経過していない被保険者も対象となります。
そのため、入社後すぐに休業を余儀なくされた
新入社員等も該当となります。
※2 雇用保険に加入していない、いわゆるパートの方も
特例で対象になります。
【主な支給要件】
・最近1か月の生産量、売上高等が、
前年同月と比べて5%以上減少していること
・売上等が減少していることにより従業員が休業していること
・休業は労使協定に基づくものであること
・従業員が休業した場合、労働基準法の休業手当を支払っていること
・休業手当の支払い額が法律に違反していないこと
休業手当は、「平均賃金の6割以上」の支払いが必要です。
<平均賃金の計算方法>
(1)原則(月給制) 過去3か月の総支給額÷その期間の総日数
例:賃金締切日 20日 算定事由発生日 4月10日
3/20支払 合計21万円(基本給20万円 通勤手当1万円)
2/20支払 合計23万円(基本給20万円 通勤手当1万円 残業2万円)
1/20支払 合計22万円(基本給20万円 通勤手当1万円 残業1万円)
平均賃金=(21万円+23万円+22万円)÷(29日+31日+31日)
=7,252円74銭
(2)最低保証(時給制や出来高制の場合)
原則①と
最低保証②
=過去3か月の総支給額÷その期間の労働日数×60%
を比べて高い額の方が平均賃金
例:賃金締切日 20日 算定事由発生日 4月10日
日給8千円 通勤手当1日400円
3/20支払 15日勤務 基本給12万円 通勤手当6千円
2/20支払 5日勤務 基本給4万円 通勤手当2千円
1/20支払 15日勤務 基本給12万円 通勤手当6千円
①原則 (126,000円+42,000円+126,000円)
÷(29日+31日+31日)
=3,230円76銭
②最低保証(126,000円+42,000円+126,000円)
÷(15日+5日+15日)×60%
=5,040円
よって②の5,040円が平均賃金となります。
この平均賃金の額の6割が休業手当の額となります。
【助成金の計算方法】
助成金は、休業手当を各個人に支払った額ではなく、
前年の雇用保険加入者に支払った賃金の平均値で計算され
その額に支給率をかけた額が支給されます。
<基準額>
前年の雇用保険の算定基礎となる金額
(年度更新で雇用保険加入者の賃金を申告した額)
÷1年間の平均雇用者数
÷前年の年間所定労働日数
上記の金額に、次の支給率をかけた金額が支給されます。
解雇を伴わない場合:大企業 3/4 中小企業 9/10
解雇を伴う場合:大企業 2/3 中小企業 4/5
ただし1日あたり、 1人 8,330円が上限となります。
厚生労働省 特例措置の拡大
https://www.mhlw.go.jp/content/000615395.pdf
□ 小学校休業等対応助成金
小学校休業等対応助成金とは、
今回の新型コロナウイルスにより新設された助成金で、
臨時休業した小学校等に通う子供の世話を
保護者として行うことが必要となった労働者が休業した場合に
年次有給休暇とは別に
特別有給休暇を支給した事業主に助成するものです。
【支給対象】
支給対象事業主:雇用保険適用事業所
申請対象労働者:子供の世話を保護者として行う労働者
この助成金は、雇用保険の被保険者でない労働者も対象となります。
ただしその事業所の労働者であることの証明として
労働条件通知書や、給与振り込みの銀行への依頼データ等の
添付が必要となります。
【主な支給要件】
・新型コロナウイルスの対応として臨時休業等をした学校に通う
子供の世話を保護者として行うための
有給休暇を取得した労働者であること
・その有給休暇は年次有給休暇とは別の休暇であること
・その有給休暇を取得した労働者が
申請時点において1日以上勤務したことがあること
【支給額】
特別有給休暇を支払った額×10/10
ただし1日あたり、1人 8,330円が上限となります。
厚生労働省 パンフレット
『新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金』
https://www.mhlw.go.jp/content/000604068.pdf#search=%27%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A+%E5%AD%90%E4%BE%9B%E5%8A%A9%E6%88%90%E9%87%91%27
その他、テレワークを新たに導入する会社に助成する
「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」や
各都道府県で行っている助成金もあります。
□ 助成金受給に関する注意点
融資とは違い、助成金は受給すれば返金しなくてよいものです。
そのため審査も厳しく、提出書類も多く
不正受給があると返金しなければなりません。
不正受給をした会社については、企業名の公表があり
今後の会社経営に甚大な影響を及ぼしかねません。
そのためにも、きちんと書類をそろえて
間違いや不正のないよう、申請しましょう。