反面教師
時々、自分の親のことを思い出す。
私の親は、とにかく何でも自分の思い通りにさせようとする人だった。厳しい門限、鳴り止まない口出し。
着たい服を選べば文句を言われ、常に監視されているような息苦しさ。あの頃の私は、親の顔色を伺うだけで精一杯で、結局病んでしまった。
だから、自分が親になったとき、私は正反対の道を選んだ。基本、子どもには何も言わない。信じて見守る。ただそれだけ。
けれど不思議なものだ。口うるさく管理されていた私があんなに苦しんだのに、自由にさせている我が子は、今とても楽しそうに暮らしている。
部活では部長を任され、成績だって中の上をキープしている。自分から動いて、自分の人生を謳歌しているその姿を見るたび、あの頃の自分が報われるような、でも少しだけ切ないような、不思議な気持ちになる。
「こうしなさい」と縛り付けることが、いかに無意味だったか!!子どもの背中を見ながら、改めて確信した一日だった。
あんなに苦しんだ過去があるからこそ、子どもを信じる大切さが分かったのかもしれないけれども。