彼は8時過ぎに来た。

来てくれたことで、いろいろな話が出来た。

私が気にしていたつまみ食いの件、そして彼の本性。

彼の話してくれた事、全てを信じた。

私が心配していた事は何一つない。

彼はとても慎重な人だった。

付き合うまでは絶対体の関係は持たない。
付き合うに至るまでも友達期間1年位置いてから。

若い頃は出会って直ぐの関係が多かった様で、その様な事が余りにも心からの繋がりが浅いことに気付き、過去の失恋も会い重なり少し女性を信じられない節がある様だ。

仮に彼の言葉が嘘で騙されていたとしても疑うより信じていた方が楽だと思った。

一緒に居るのにいつも疑って居るなんてそんなんじゃ何も分かり合えないと思う。

信頼関係から作って行こうと思った。

携帯で連絡を取るようになったら9-17の恋愛ではなくなる。

朝起きてから寝るまでの間ずっと気にしてしまう。

私は切り替えの下手な女だ。

同僚は、彼が社内の女の子をつまみ食いしていると言う噂を吹き込んで来た。

間に受けやすい私は、告白せずに振られたような気持ちになり、その日の午後は心に蓋をしてスイッチを切り替える作業に必死だった。

そんな憂鬱な日に友達はタイミング良く飲みのお誘いをしてくれ、18時から丸ノ内でカンパイ。

友達に相談したら、そんな事でもったいない!ここに呼んだら?

気持ちを切り替えたつもりが、友達の言葉を口実に直ぐLINEを開いて送信ボタンを押していた。

返事はok!

来るのが待ち遠しくて、その様子を友達に悟られない様、自然を装うのに必死だった。でも笑顔がどうしても隠しきれない。

今好きな人の名前を仮に井上君としよう。

井上君との出会いは約2週間前。
職場の飲み会で知り合った。

少し遅れてきた彼は私の目の前に座って挨拶をしたのだけれど、とっても愛嬌のある笑顔で「初めまして!」と言った。

その笑顔を見て、なんか嬉しくなった。可愛い人だなとも思った。

翌日飲みのお代を立て替えてくれた彼にお金を返しに行った。

私は両替がてらコンビニでスタバの甘くないコーヒーを買って、彼のデスクに忍び寄り、話しかけた。

驚いて振り向いた彼は笑顔がとっても可愛いかった。

お金とコーヒーを渡し席に戻ったら、すぐにメッセンジャーが届いたので、開けてみると井上君からだった。

井上「コーヒーありがとう!ビターナイスチョイス!」

私「昨日の飲み会で、甘いものが得意じゃなさそうだったから、甘くないものを選んだよ」

井上「覚えててくれたんだね!ありがとう!良かったら今度ご飯行かない?」

私「いいですよ!行きましょう^^」

井上「LINEとかやってる?ID教えるからココで連絡取り合おう!0903436xxxx」

テンポ良くわくわくする展開は久しぶりだった。