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続いては、宮城県内で、実際にがん相談支援に従事している
方々のプレゼン

まずは、<東北大学病院がんセンター 先進包括的
がん医療推進室>の方から活動紹介。
地域の拠点病院である東北大学病院が中心となって
がん医療相談の充実、緩和医療・在宅医療の充実、
患者会の連携強化を推進していること、
しかしながら活動の認知度が思うようにあがらず広報活動
について試行錯誤していることが説明された。

発表者は、「どんなところでも情報が入手できるように、
ネットで積極的に情報発信しているのに・・・」と言うけれど
「それでは、高齢者には情報が届かないのでは?」とこちらは
心配に 隣席のおじいちゃま「ウェブって何だべ?」だもの・・・

しかしそこは組織的な活動、紙の資料を作成して役所や検診
会場に置いてもらったり、地元紙に広報を掲載してもらったり
しているとか。また、告知の際に、医師または看護師から相談
支援センターについても説明してもらったりしているそう・・・
(それなら大丈夫。余計な心配をして失礼しました

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更に続いて、相談支援の「よき実例」について、
末期がんの60代女性の支援ケースの紹介

この事例では、告知直後から始まって、手術・治療、在宅療養、永眠
後の遺族の心のケアまで2年に渡り手厚い支援が行われたとの事
ケアの内容も、各段階での患者本人や家族の心のケアから、在宅
療養のための介護ベッドや訪問看護体制の整備など具体的なもの
まで多岐にわたっていた。
遺族のグリーフケアまで「がん相談支援」の視野に入れられている
と知ってビックリ   これなら私に何かあっても、母、何とかなる
かも (まあ私は世に憚りそうという根拠なき自信はあるけど)

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プレゼンのラストを飾ったのは、がん経験者の体験談
この方、がん相談支援センターにお勤めの保健師さんでケース
としては特殊。ご自分では、がん告知をうけても、ちっとも
怖くなく、慌てもしなかったとか。
ただ、ご自分と一般の患者の違いを理路整然と分析し、
「患者が心をしっかりもって療養生活をおくるには①正しい知識
②周辺環境 ③職場環境の3つが鍵 だから相談支援業務は
この点をしっかりサポートすべき」と論を展開。

プレゼンの説得力は特筆もの。昔の上司や知合いのプレゼンの
拙さに頭を痛める事の多い私は、彼女の爪の垢をいただいて
配りたいくらい・・・

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これで終わりと思いきや、最後にテーブルごとのグループディス
カッションのオマケつき。私など部外者には、宮城県のシステム
はじゅうぶんに素晴らしいと思えるのに、他の参加者(地元の方)
は「更なる前進のためにどうすべきか」を活発に議論。

あまりの事に感心して「宮城県はすばらしいですね。」と言ったら
「首都圏は選択肢が多いから容易に医療機関・情報にアクセス
できるけど、宮城の場合、東北地方の場合は、系統だった体制
を確立しないと情報・サービスが末端まで浸透しないんですよ。」
と言われ、それも一理あるかもと思う。

また、首都圏は交通が便利で、地域を跨いで医療者も患者も
複雑に移動するので、県単位での体制が作りにくいとか・・・
そういえば、私も県立がんセンターの近くに住みながら
諸事情から都内の病院に通院しています・・・

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何はともあれ・・・

がんに罹患してからというもの、どうしても主治医や担当看護師
に目がいきがちだが(そして、一番近くのサポーターであることは
間違いないが)、その他にも、支援センターの医師、看護師、
薬剤師、ソーシャルワーカー、行政の担当者、そしてピア 
サポーターに至るまでこんなにも多くの人が、病気そのものから
精神面、生活情報、お金のことなど多岐にわたって支援して
くださっていることについて認識を新にした。

支援にあたっている方々からは、「がん患者を一人にさせない」
という熱意がひしひしと感じられた。

それで、アラフィフの私は大昔のヒットソングの歌詞を
思いだしたという訳。

がんを宣告されたあなた、一人ではありません
支援室が、あなたを一人にはさせません