先日、アメリカから一時帰国中の友人と話をした時のこと・・・

 その友人は乳癌のサバイバー。
手術とケモを経て、社会復帰。発病後15年を経て、今はピンピン
している。
 去年、私が最初の入院をした時は、帰国中、何度も何度も
お見舞いにきてくれた。そして自分の体験談を話したり、
励ましてくれたり、本当にいろいろの意味でサポートして
くれた恩人である。

その彼女が、
「アメリカでは非常にたくさんの人が乳癌に罹患する。
だから、<乳癌の対策>というとすぐにお金が集まる。」
と話してくれた。
研究だ、治験だ、はては乳癌撲滅のキャンペーンだといえば、
すぐに寄付金が集まったり予算がついたりするのだそうである。
だから、研究や対策に潤沢な資金が集まり、良い薬剤の開発
や、QOL向上のための様々な取り組みに結びつくそうである。

たしかにアメリカの乳癌罹患率は高い。
少々古い統計(2000年)だが、アメリカにおける乳癌罹患率
は、人口10万人に対し136.1人だそうだ。
アメリカ人女性の実に8人に1人が生涯のうちに乳癌にかかる
のだそうである。
これは、日本の乳癌患者の2.9倍(10万人あたり47.4人)、
日本の卵巣癌患者のなんと15・3倍(10万人あたり8.9人)
である。
~第35回遺伝カウンセリングリフレッシュセミナーにおける
独立行政法人国立病院機構四国がんセンター
増田春菜氏 プレゼン資料より 引用 ~


これだけ患者が多いということは、新薬やあらたな治療法が
開発されれば、それだけ恩恵を受ける人が多いわけで
基本的にはよいことである。

よいことなんだけどぉ~~~
圧倒的少数派の卵巣癌患者は、少々複雑な心境になった。
ニーズが高い分野に資金も人も集まるのは理解できるものの、
そのあおりで、少数派の疾患の研究の発展のスピードが
本来あるべきスピードよりも鈍るのは・・・・・・
やだなぁ~~~
(実際に卵巣癌への新薬の適用承認は遅れがちだと
いう話もきいたことがあるし・・・)

経済原則は理解できるが、フ・ク・ザ・ツ