最近の日本酒事情にはちょっと飽き飽きしてます。
純米酒のブームは終わりを迎えつつある中、毎年のように夏ころからリリースされ“生酒”や“生原酒”がやたらともてはやされてます。
確かに、生原酒などを例にしてみると、力強くインパクトがあり、コッテリとした料理にもマッチするので、使い勝手が良いのは否めません。
蔵元さんの都合もあるだろうしね…
夏の暑い時期などには、すっきり&ガツン系で良いのかも知れません。
しかし、本来の日本酒の姿を思い返してみると…
『火入れをして熟成の後、燗をあてて飲む』
って言うのが一番なんだと思います。
世界中を見渡しても、酒を直接“燗”して飲む酒って意外と少ないんです。
なぜ多くのお酒は“燗”をしないのか?
それは、暖める事で“香り”や“風味”が弱くなってしまうからだと思います。
その点、日本酒は“燗”をする事で“香り”がたち“風味”が増す不思議なお酒なんです。
先日、とある業者さんの試飲会に行って来たのですが、しっかりと温度別にお酒を試飲させてくれたのは秋田の『天の戸』 のみ…
悲しい現実です。
まぁ、全てのブースで蔵元さんが直接プレゼンをする試飲会では無かったので仕方の無い事だとは思いますが、それが今の日本酒の現状なんでしょうね。
それでもそんな中、期待の出来るお酒もちらほらとありました。
まずは岐阜・恵那醸造の『鯨波』本醸造 です。
以前、お客様から聞いてはいたのですが、実際に飲むのは初めてです。
一人でやっている小さな蔵元なんですが、どれのラインナップを飲んでも頗る美味い!
しかも、コストパフォーマンスも抜群です。
正直、冷でも燗でもこの本醸造1本で十分にまかなえる位のポテンシャルの高いお酒です。
小売りはほとんどされないようなのであしからず…
そして、もう1本はこれ!
福岡・いそのさわ『駿』本醸造 です。
これも、日本酒本来の酸味やコクのバランスが抜群で、すっきり淡麗系で、どんな料理とも合いそうな感じのお酒です。
こちらも鯨波同様、コストパフォーマンスも言うう事ないくらいお得です。
なんだかんだと言いつつも、こう言った“本来の酒の味”を楽しめる蔵元があるって事は酒飲みとしては喜ばしい事だと思います。
市販される事は少ないとは思いますが、何処かのお店で発見したら是非一度お試し下さい!!
日本酒の良さがストレートに感じ取れると思いますよ('-^*)/
以上!聖流の日本酒講座でした(笑)