癒し系ピアノ弾きのできごと    -30ページ目

癒し系ピアノ弾きのできごと   

ピアノを基にしたシンプルなオリジナル曲で、BGM風のアルバムを作った50代です。プロフィールの動画をご視聴ください。

有線放送で流れる日もございます。

音楽以外の内容も多いブログです。左サイドのテーマでご覧ください。

長くなりました。読むのが大変な方はスルーしてください。


9月26日、熊本で3回目の辻井伸行さんでした。

辻の正しい活字が出てこなくて、

部首で見ても、まだ見つからないところです。





前回と同じく、オーケストラアンサンブル金沢&辻井さん、

指揮者が違って、前回はアシュケナージでした。


(名前に、さん付け、名前だけ、氏を付けたり、

違いは何なのでしょう)



もう1回はソロコンサートで、3階まで、はっきりと聞こえる

声で話されたことを忘れられません。


過去2回は、座席が3階しか取れず、

もう少しチケット取りが遅かったら行けないところでした。


それだけ、辻井さんは、あっという間に完売になり、

熊本でのクラシックでは異例で、

ふだんクラシックに行かない人も行くのです。特にご年配。





今回は、1800余席の1列目のほぼ中央。

過去2回の3階席は、ステージがすり鉢の底のようで、

音響はどこに座ってもほとんど同じと聞いていても、

感覚的に3階は嫌でした。


とはいっても、最前列もあんまりなのですが、

辻井さんの手を置くときや表情が“見れる”ことで、

3ヶ月以上も前の発売日に、ここが空席で選びました。


土曜なのでタケちゃんと一緒に行けて、嬉しい私。 

(いつも夜中に帰宅、話さない日も多い)


モーツアルトの短調の3曲


交響曲25番  

指揮の井上道義氏が、さっそうと登場し、

いきなり同じ音の連続で深刻に始まるメロディ、

映画アマデウスを思い出した人も多かったでしょう。


外国人も多いオーケストラアンサンブル金沢。

井上氏の斜め横や真横の顔で表情がよくわかり、

曲に合った険しい顔がすごい!


井上氏は初めて実際に聴き、

だいぶ前の教育テレビ(当時)で、

第九を歌う番組があり、井上氏の指導でした。




休憩時間が20分、そのとき、こっそりパチリ。

椅子と私の間は2mあるかないかです。

本当に目の前で見ていいの???


聴くではなく、見るです。

いよいよ、井上氏と腕を組んで現れた辻井さん、

テレビで見てきた辻井さんと同じ。


ステージ中央に着く前には左手を出し、

ピアノの角を支えに礼をして、

きちんと座ってペダルに足を乗せて。


どうやって鍵盤に手を置くのだろう、

ピアノ協奏曲20番のオケの深刻なメロディが始まり、

井上氏も真剣な顔つきで全力でやっている。


オケだけの演奏の間、

辻井さんは頭を振ると共に、指を太ももの上で動かし、

いよいよピアノの出番が近づいてくると、

鍵盤の高音の部分に右手を置いて、

始まりの音まですべらせて位置を確かめ、

パッと弾き始める!


それは、いつでもそうだった。

左手は位置がわかるのか、右手は特別だったようだ。

必ず高音に置いてから下がって、始まりの音で止まる。


弾く間はずっと顔は右ななめ下を向いていて、

私の席といったらもう顔と手とバッチリ見えて、

本当にいいの???と、テレビの画面を見ているのと同じ。

演奏中、ずっとこちらに顔を見せていた辻井さん。


このピアノは私も弾いたことがあり、

まろやかすぎるほどの音色のスタインウェイ。


私でさえ、このピアノはモーツアルトに合うピアノだと

少し音を出しただけで思ったほどのピアノ。

このホールの他のスタインウェイや他のピアノとは違う。

過去2回は、他のピアノだったと思われる。

平べったい幅のある硬い音に感じられ、

タッチでああいう音色の人なのか?と思ったくらいで、

ピアノ選びは、いかに大切かと改めて思う。

特にモーツアルトはそう言える作曲家の一人だろう。


激しい部分やカデンツァの力を込めるところなのか、

辻井さんは息が荒くなり、時には声まで聞こえる。


2楽章には右手と左手を交差させる箇所が何度かある、

ぜったいに音をはずさない。

この言い方は盲目を特別視しているようでよくないが、

同じ人間の技として盲目であそこまでできると感心してしまう箇所がありすぎる。


これも、へんな言い方だが、終わりが近づいてきたら、

抱きしめてやりたくなった。考えてみたら27才だから、

親子の年齢差である。そう思ってもおかしくないだろう。


終わると、われを忘れて身を乗り出して拍手して、

一度、辻井さんと目が合った。


辻井さんには見えないだろうが、

わかってもらっているだろうと思い込み、

一生懸命、二の腕のたるみを振って拍手し続けた。

あんなときは二の腕なんか恥ずかしくなくなる。




アンコールは、アレンジされたトルコ行進曲。

楽しんでもらえるよう考えてくれたんだ。

コンソレーションも美しかった。


いつも礼は、左→右→中央の順だ。

またまた二の腕のたるみを振りながら身を乗り出して、

感動がそうさせていた。


今回は“見させてもらった”辻井さん。

40代、50代、60代、70代・・

どんな演奏をしているのだろう。


聴かせてもらうほうは長生きできれば、

ホールまで行ける体力のうちだろう。


ここ数年で、地方にいながら3回も聴かせてもらえた

きょうのように、ここまで近くで見れると、

世界と戦って努力している人と十分にわかった。


自分にできることで、がんばっていかなければと

教えられた日であった。



(辻井さんを中心に書いたため、

後半のプログラムは省略します。交響曲40番でした。

井上道義氏の意気込みにも圧倒 !!

美しい音色のオーケストラアンサンブル金沢)