久々の機材シリーズです。

実は、機材シリーズのほとんどの記事は原稿だけ先に書き溜めてあって、内容に合う作例や機材の写真を後で撮影してはめ込み編集しているのですが、今回は書き下ろしです。
(いま、まさにブログ画面に向かって書いていて、作例も撮り下しです)

なぜそうなったかといいますと、今回の題材のクローズアップレンズが某ア○ゾンの通販で激安で売られていることがわかり、さっそく入手して試してみたというわけです。

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↑今回某ア○ゾンで入手したクローズアップレンズ3枚。
検索キーワード:マルミ marumi DHG マクロ3 黒枠
なぜか67mmだけ異様に安く、定価5千円以上するものが送料込みで1000円以下、その他のサイズや別のシリーズのクローズアップレンズも半額くらいにはなっているようです。

で、効能ですが、このリングをレンズの先端にはめるとグィ~っと被写体に近づいて撮影することができるようになります。露出も落ちないという優れもの。

ではさっそく作例を。

レンズは70-300mm/F4.5-5.6という望遠ズームレンズです。
もともとこのレンズは最近接で1.2mまでしか寄れないのですが、このクラスはだいたいこんなものでしょう。

モデルさんはUFOキャッチャーでゲットしたフィギュア。
海賊漫画のキャラクターらしいです。
UFOキャッチャーの設定が緩かったのでバンバン落としてたら、店の主が出てきて「もう許してください」とおもちゃをくれて帰らされました。(笑
(どうでもいいですね)

大げさなようですが、ライティングはスイス製大型ストロボを傘バン1灯とレフ板1枚で決めています。

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↑クローズアップレンズなし、F5.6、焦点距離70mmでの最近接撮影です(左右は意味ないのでトリミングしました)。
全身が写っています。もうこれ以上近くに寄るとピントが合わなくなります。

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↑クローズアップレンズなし、F5.6、焦点距離300mmでの最近接撮影です。ノートリミング。
300mmともなると、なんも使わなくてもこれだけ大きく写ります。

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↑クローズアップレンズ+2使用、F5.6、焦点距離70mmでの最近接撮影です。ノートリミング。
クローズアップレンズを使っても300mmには負けますがだいぶ大きく写ります。

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↑クローズアップレンズ+2使用、F5.6、焦点距離300mmでの最近接撮影です。ノートリミング。
もはや顔しか写っていません。マクロレンズ並みに拡大撮影できました。
ただし、被写界深度が浅過ぎてボケているところが多いのと滲みが目立ち画質が悪くなっています。
おそらく球面収差が増幅してフレア状の靄が出ていると思われます。

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↑クローズアップレンズ+2使用、F11、焦点距離300mmでの最近接撮影です。ノートリミング。
被写界震度の確保と画質改善のために2段絞りました。
これだけでだいぶ改善されました。冒頭で露出が落ちないメリットがあると書きましたが、実際には画質が落ちるデメリットがあり、これを緩和するために2段程度は絞りを落とす必要があるかもしれません。
いろいろやってみていますが標準的な焦点距離では画質の劣化は程々ですが、望遠だと結構目立ちます。

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■クローズアップレンズはACと明記してあるものは屈折率の異なった合わせガラスを使って収差を低減させるなど高性能ですが値段は結構高いです。画質にこだわるならACと書いてあるもののほうがいいですが、比べてみないとわからないレベルと思います。
■クローズアップレンズをつけると、遠いところにピントが合わなくなりますから、つけっぱなしで使うことはできません。テーブルでお菓子を撮ったりするときにサッと着けて撮影し、終わったらすぐ外すような使い方になります。ねじ込み式ですから取り外し簡単です。
■拡大率によって+1~+10くらいまで種類があって番号が大きいほど寄れます。しかし、あまり番号の大きいものは無理な屈折をさせている可能性があり、画質の劣化が無視できなくなることが予想されます。作例のように望遠ズームと組み合わせれば+2でもかなり大きく撮れますから、せいぜい+2か+3くらいまでのものを選択すれば十分に遊べると思います。