日中シンクロが失敗する理由(入門編・絞り優先オート)
久々の話シリーズです。
きょうはストロボ撮影が上手くいかない人の事例紹介です。
きょうはストロボ撮影が上手くいかない人の事例紹介です。
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一眼レフカメラを買ったばかりでまだ使い慣れていないときは、失敗の少ないPモード(プログラムオート)で撮りなさいといわれて暫く撮影します。
一眼レフカメラを買ったばかりでまだ使い慣れていないときは、失敗の少ないPモード(プログラムオート)で撮りなさいといわれて暫く撮影します。
暫く撮っていて物足りなくなってくると、自分で色々調べたり上手い人に教わったりして、被写界深度などの用語も覚えてきてAモード(絞り優先オート)を使うようになってくるのが普通の通り道です。
正確なデータはないですが、いつも絞り優先オートで撮っている人の割合は相当に多そうな感じがします。おそらく7~8割かもっと多いのではないでしょうか(数字の根拠はないです)。
イメージ的にもプログラムオートは入門者で、絞り優先を指定できるようになってくれば中級程度にステップアップしたような気にもなるのでしょう。
(実はそんなことないんですが)
(実はそんなことないんですが)
で、ここからが本日のお題なのですが、よくカメラ雑誌や入門書などを見ると、「屋外の逆光撮影で、人物が暗くなるようであればストロボを焚いて明るさを補いましょう」のように書いてあることがあります。
これは日中シンクロ、デーライトシンクロという用語で説明されていたりします。
これは日中シンクロ、デーライトシンクロという用語で説明されていたりします。
で、なるほどそれはいいアイディアだ、ということで、早速カメラ内臓のストロボ発光部を起こして撮影してみると、何故か雑誌の作例のようにならずに真っ白に全飛びしていることがあります。
これはストロボが強すぎるのではないかと予想をして、取説をみてみると「調光補正」というのがあって、これでストロボの光を増減できることに気づきます。
それで、早速調光補正を-1、-2、-3と限界まで減らすのですが、白飛びは一向に変わらず、調光補正が全然効いていないように思え、ストロボ撮影は難しいという苦手意識につながってしまいます。
まぁ入門から暫く進んだ辺りではよくあることです。
で、これはストロボ使用時のシャッタースピードは上限があって、基本的には1/60~1/250あたり(機種による)で固定されるという罠にハマっただけのことです。
例えば、屋外の逆光撮影で絞り優先オートでF2.8を指定したとします。
このときのシャッタースピードは幾つだったでしょうか。絞り優先オートで撮影しているときは、シャッタースピードはカメラに任せているから覚えていないということもあるでしょう。
このときのシャッタースピードは幾つだったでしょうか。絞り優先オートで撮影しているときは、シャッタースピードはカメラに任せているから覚えていないということもあるでしょう。
大体ピーカン的にに明るい真昼間でISO200あたりで撮っていれば、シャッタースピードは1/2000を超えることも普通です。もっと速いこともあるでしょう。
その状況でストロボの発光部を起こすとどうなるでしょうか。

(↑絵がF11になっていますがキニシナイでくださいw)
機種によって違いますが、ストロボ使用時のシャッタースピードは1/60とか1/125あたりに自動設定されるはずです。絞り優先オートですから絞りはF2.8のままです。勿論ISO感度もそのまま。
適正露出が1/2000のF2.8あたりなのに、シャッタースピードだけを1/125まで遅くして撮影すれば、定常光での露光量だけで絵は真っ白になってしまうでしょう。
ストロボの調光補正をマイナスしようがどうしようが関係ないことが判ります。
ストロボの調光補正をマイナスしようがどうしようが関係ないことが判ります。
普段から絞り優先オートで撮っていると、シャッタースピードは常に適当なものが自動選択されるという頭があるので、このような罠にはまります。
で、解決方法は幾つかありますが、簡単なところでは、
・絞り優先を諦めてプログラムオートを使用する
・絞り優先を諦めてシャッタースピード優先オートを使用する
・絞り優先でもシャッタースピードを見て1/60~1/125程度になるまで絞る
という逃げ方が思いつきます。
・絞り優先を諦めてプログラムオートを使用する
・絞り優先を諦めてシャッタースピード優先オートを使用する
・絞り優先でもシャッタースピードを見て1/60~1/125程度になるまで絞る
という逃げ方が思いつきます。
しかし、二つ目はシャッタースピードは遅くすることはできても速くすることには制限が出てきますのであまり意味はありません。
三つ目の方法も絞り値を好きにできないということに繋がる為、もはや絞り優先を使う意味はありません。
三つ目の方法も絞り値を好きにできないということに繋がる為、もはや絞り優先を使う意味はありません。
そもそも1/125と1/2000では露出段数が4段も違いますから、絞りではF2.8からF11にまで絞り込む必要があることになります。これではストロボの届く範囲が相当短くなってきますから、被写体距離によってはやはり思い通りにならないこともありそうです。
そういう意味ではどの方法も一つ目と大して変わりません。
ぢゃあ、どうするか。
この難局を工夫だけで乗り切ったらかなり上級者。
ストロボ以前にピーカンの屋外で1/125のF2.8で撮影するのは無理というものです。
ストロボ以前にピーカンの屋外で1/125のF2.8で撮影するのは無理というものです。
ISO感度を下げたりNDフィルタを使ったりすることも思いつきますが、やってみるとどちらもうまくいかないとおもいます。どちらもストロボ光の到達距離を下げることに繋がるのと、そもそもISO感度の最低が200になっていてそれ以上下げられない機種も多いみたいです。
で、結局F11まで絞って被写体にストロボが届く距離まで近づいて撮るしかありませんでした。
ハイスピードシンクロに対応した別売りストロボを買うとかなり制限は緩和されますが、大体5万円くらいはしますので、使っているカメラ本体が入門クラスだともうほとんどもう一台カメラを買うくらいの値段になってしまいます。
雑誌の紹介記事ではこの辺はあっさり割愛されていたり、説明が不十分だったりして意外と解らないもんです。
サクラも入門の頃何度やっても失敗するのでかなり考えさせられました・・・