周辺光量低下の話(前編)の続きです。
3枚め。

今度は絞りを何段か絞りました。もちろん映っているレンズの、、ですよ。
入射角は2枚目と同じくらいになるようにしていますが実際には手持ち撮影ですので適当です。

今度は絞りを何段か絞りました。もちろん映っているレンズの、、ですよ。
入射角は2枚目と同じくらいになるようにしていますが実際には手持ち撮影ですので適当です。
絞ったことによって斜めからの入射光でも口径蝕はなくなったように見えます。
これが絞込みによる口径蝕の改善効果です。
これが絞込みによる口径蝕の改善効果です。
しかし、光軸外からの入射では口径蝕が無い代わりにレンズ内の絞り形状は歪んで見えます。
例に使用したレンズが真円絞りでないので解りにくいですが、真円を斜めから見ると楕円に見えますよね、それと同じ事です。
コレも周辺光量低下の原因で「コサイン4乗則」と言われています。
例に使用したレンズが真円絞りでないので解りにくいですが、真円を斜めから見ると楕円に見えますよね、それと同じ事です。
コレも周辺光量低下の原因で「コサイン4乗則」と言われています。
レンズ鏡胴(鏡筒)の縁でケラレて点光源がレモン形になるのとは別な話ですが、周辺光量低下の原因の双璧ですので、ついでに説明してしまいましょう。
周辺光量低下には2種類あって、最初に説明したケラレの問題とコサイン4乗則の二つがあることになります。
ケラレの問題は絞って改善できることを説明しましたが、コサイン4乗則の問題は撮り方の工夫では改善することができません。
コサイン4乗則は広角レンズほど顕著となります。
ケラレの問題は絞って改善できることを説明しましたが、コサイン4乗則の問題は撮り方の工夫では改善することができません。
コサイン4乗則は広角レンズほど顕著となります。
コサイン4乗則の数式はこうです。
「そろそろクルと思った」
わはは、もう数式慣れたろ?それに、今回は大して難しい式でもない。
入射角に応じた照度 = 光軸上の照度 × cos^4θ
θは光の入射角度です。θは入射角が光軸上にあるときは0度で徐々に傾けて真横に来たら90度となります。
cos^4θは光量のロス率だと思ってください。cos^4θが0.9なら一割減、0.5なら半減するという意味になります。
で、実際に計算してみると入射角θが32度になると光量が半減することがわかります(絞り・SSベースで1段落ち)。
入射角32度というと、丁度焦点距離35mmくらいのレンズを使ったときの最大入射角に相当します。
(チョット説明足りないみたいなので別記事で補足します)
入射角32度というと、丁度焦点距離35mmくらいのレンズを使ったときの最大入射角に相当します。
(チョット説明足りないみたいなので別記事で補足します)
光軸上の照度とは真正面から光が入ってきた時の明るさで、レンズのカタログ上でF1.4とあったらそのときの光軸上の明るさと思ってください。照度はF値そのものではないですよ。
「ぢゃあさ、F1.4のレンズでも、絵の端っこの方はコサインなんたらでF2とか、もっと暗いってこと?」
そういうことです。画角によってはもっと落ちることもあります。それがコサイン4乗則による周辺光量の低下です。
「ずるいな」
えぇ、チョットずるいですけど、光軸上でF1.4が出ていればF1.4とカタログに書いていいことになっていますし、それにF値自体は前にも説明した通り、実際の明るさではなくて焦点距離と入射瞳径の比率(口径比)に過ぎないということを忘れちゃいけないね。
「あと、実際写真にするとそんなに暗くは見えないんだけど」
うん、望遠レンズだと入射角自体が浅いので影響が軽微だし、それにレンズ屋さんが光学設計のほうで頑張って端っこでもなるべく暗くならないように設計しているレンズもあるだろ。
たとえば中心がいちばん濃くて周辺に行くに従って透明になるND(減光)フィルタをかませれば、暗いほうに合わせる事にはなるけど、中心から端っこまで一定の明るさに近づけられるよね。
実際はもっとロスの少ない光学設計がなされていると思うけど、そこまでいくと難しすぎてどうやっているかわからない。魚眼だって真横までちゃんと映るしね。
実際はもっとロスの少ない光学設計がなされていると思うけど、そこまでいくと難しすぎてどうやっているかわからない。魚眼だって真横までちゃんと映るしね。
「んー、大体わかったんだけど、実際の計算のやり方がわからないのと、画角とか入射角ってのがかなり混乱を招いているな・・・」
すまんな、ぢゃあそのへんは改めて別の記事で。