「言葉の説明だけぢゃイマイチだ、もうチョット例を示してくれよ・・・」
ぢゃあ実験だ。実験のテーマはカメラ内臓露出計(TTL露出計)の特徴的な動作について。
それと、ついでなので今回はかなり意地悪な実験をして、多分割測光とスポット測光の動作についても確かめます。
それと、ついでなので今回はかなり意地悪な実験をして、多分割測光とスポット測光の動作についても確かめます。
被写体はケンコーから5月25日に新発売されたばかりの露出計、フラッシュメーターKFM-2100(以下単にKFM-2100)です。
今回はこのKFM-2100をメイン被写体とします。
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実験の本題と関係ありませんが、今回のモデルさんとなるKFM-2100を軽く紹介致します。
入射光・反射光式兼用、定常光・瞬間光(フラッシュ)測定可能(アナライズ機能実装)。
KFM-2100は以前から定評のあるミノルタの露出計をケンコーが引き継いで製造・販売しているものです。
ミノルタ(コニカミノルタ)がカメラ事業と関連する計測器の事業から撤退する折、カメラ・レンズ関係はソニーへ移管されたのは有名ですが、計測器関係はソニーではなくケンコーに移管されていたことはやや地味な話題でありました。
しかし、単体露出計は使い勝手の良いものはそう多くは無く選択肢は限られている状況でしたので、正に定番ともいえるミノルタの露出計が事実上復活したのは大変価値のあることと思います。
ちなみに、コニカミノルタの計測器事業は、当初ケンコーではなくセコニックへ、という話もあったそうなのですがセコニックは既に露出計を自社製品として有しているので、カラーメーターのみを受け入れたいと考えており両社の思惑が合わずに流れたそうです。
ケンコーからはそのカラーメーターも発売予定となっています。
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今回はこのKFM-2100をメイン被写体とします。
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実験の本題と関係ありませんが、今回のモデルさんとなるKFM-2100を軽く紹介致します。
入射光・反射光式兼用、定常光・瞬間光(フラッシュ)測定可能(アナライズ機能実装)。
KFM-2100は以前から定評のあるミノルタの露出計をケンコーが引き継いで製造・販売しているものです。
ミノルタ(コニカミノルタ)がカメラ事業と関連する計測器の事業から撤退する折、カメラ・レンズ関係はソニーへ移管されたのは有名ですが、計測器関係はソニーではなくケンコーに移管されていたことはやや地味な話題でありました。
しかし、単体露出計は使い勝手の良いものはそう多くは無く選択肢は限られている状況でしたので、正に定番ともいえるミノルタの露出計が事実上復活したのは大変価値のあることと思います。
ちなみに、コニカミノルタの計測器事業は、当初ケンコーではなくセコニックへ、という話もあったそうなのですがセコニックは既に露出計を自社製品として有しているので、カラーメーターのみを受け入れたいと考えており両社の思惑が合わずに流れたそうです。
ケンコーからはそのカラーメーターも発売予定となっています。
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「ところでなんでそんなもんが被写体なんだ?女の子ぢゃないの?」
バカいうな、こんな下らない実験する為にモデルなんか調達するわけ無いだろ。w
KFM-2100を選んだのはボディの色が18%のグレーにやや近いから。
もういいか?早速行くぞ、ちゃんとついてこいよ。
もういいか?早速行くぞ、ちゃんとついてこいよ。
ライティングはサクラのアトリエに設置されている蛍光灯だけです。この蛍光灯は色評価用のもので、ホワイトバランスの補正は必要ありません。カメラのホワイトバランスはオートです
では早速1枚。
1枚目の撮影方法は、多分割測光+絞り優先AEで絞りをF1.7に設定し、ファインダー中央のフォーカスポイント(測距点)でKFM-2100にAFしてそのままレリーズしただけです。
実際にもこのような撮り方をするカメラマンは多いと思います。
実際にもこのような撮り方をするカメラマンは多いと思います。
背景は18%のグレーボードで、ファインダー内はほとんど18%グレーで埋め尽くされています。

カメラが選択したSSは50でした。
写りのほうは特に問題は無いと思います。メイン被写体、背景がTTL露出計の想定する18%のグレーに近いからでしょう。
この場面では露出補正の必要はないと思います。
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次は背景を白レフに置き換えました。撮影方法は同じです。
この場面では露出補正の必要はないと思います。
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次は背景を白レフに置き換えました。撮影方法は同じです。

カメラが選択したSSは125でした。
1枚目との差は1段と1/3で、実際に画像を見てもややアンダー。
メインとして撮りたい物はKFM-2100で、光の量も変わっていないのに背景の色が変わっただけで露出が変わってしまいました。適正露出にする為には+1段と1/3の補正が必要です。
これでTTL露出計は被写体の色によって露出が変わってくることがわかりました。
しかも、被写体というのはカメラマンが撮ろうとしているメインのものだけでなく、背景なども含んでいるということになりますね。
しかも、被写体というのはカメラマンが撮ろうとしているメインのものだけでなく、背景なども含んでいるということになりますね。
「なるほど、そこまではわかった、でもどうして補正量が+1段と1/3ってわかるの?」
イイところに気がつきました。ココで+1段と1/3の補正というのは、実験結果から見た後講釈です。
実際の撮影では補正の方向と量はどのように決めればいいのでしょうか。
実際の撮影では補正の方向と量はどのように決めればいいのでしょうか。
ファインダー内に映し出された映像を見ると、大部分が白でごく一部がグレーですから、露出がアンダー側に傾く要素しかないので補正の方向はプラスだろうということは予想できます。
しかし、補正量は+1/2なのか+1なのか、あるいはそれよりもっと多いのかというのは構図全体の色具合を見ながら適当に決めるしかありません。
しかし、補正量は+1/2なのか+1なのか、あるいはそれよりもっと多いのかというのは構図全体の色具合を見ながら適当に決めるしかありません。
「やっぱ適当なのか?もっと複雑な色の混ざり具合だったら?」
えぇ、それはもう感覚で適当にやってくださいとしかいえません。経験を積んでそのカメラの癖に慣れればかなりヒットできると思いますが、まぁこんなもんだろうという適当感が漂ってしまうのはこの方式の特徴です。
「うへっ」
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次は背景をハクバのライトビューアーにしてみました。ライトビューアー自体が発光しているので、かなり輝度差があると思います。
撮り方は同じです。
KFM-2100は真っ黒なシルエットになりました。ピントはKFM-2100に合わせていますしKFM-2100が普通に写ればよいだけなのですが、多分割測光+絞り優先AEではこのような絵になりました。
次は背景をハクバのライトビューアーにしてみました。ライトビューアー自体が発光しているので、かなり輝度差があると思います。
撮り方は同じです。
KFM-2100は真っ黒なシルエットになりました。ピントはKFM-2100に合わせていますしKFM-2100が普通に写ればよいだけなのですが、多分割測光+絞り優先AEではこのような絵になりました。

カメラが選択したSSは2000です。
1枚目との露出段数差にすると5段と1/3となります。
サクラのデジタルカメラでは露出補正の量は±3段です。最大補正しても適正まで足りないことになります。
もはやどんなに訓練を積んでも多分割測光+優先オートでは適正に撮れないシチュエーションであることがわかりました。
もはやどんなに訓練を積んでも多分割測光+優先オートでは適正に撮れないシチュエーションであることがわかりました。
「テストに使っているカメラがボロいからぢゃないの?」
ボロいって言うか!まぁ、実際それはあるんだが、露出補正の範囲は多かれ少なかれこんなもんだ。
キヤノン様の最新鋭プロ機、EOS-1D Mark Ⅲだって露出補正は±3段の範囲しかない。
キヤノン様の最新鋭プロ機、EOS-1D Mark Ⅲだって露出補正は±3段の範囲しかない。
それにこの場面で補正量が+5と1/3だってことがあらかじめわかる人はほとんどいない筈である。
だいたい、そんなに勘がスルドいんだったら、何も見ずにマニュアルで露出決めればいいさ。
そんな人がいたら正に人間露出計だな。w
だいたい、そんなに勘がスルドいんだったら、何も見ずにマニュアルで露出決めればいいさ。
そんな人がいたら正に人間露出計だな。w
実験は後編へつづく・・・