“家に帰れば何かわかるだろう…”そう思い家に帰る。玄関を開け家に入ると…誰かいた。
!?。…誰だ?
パンツ一丁でどん兵衛をすする、おじさんがいた。

「……誰??」ぼくは聞いた。
すると、間髪入れずにどん兵衛おじさんは言った。
『オメェだよ!?オメェが誰なんだよ???』と、言ってきた。
「この家の者です…」ぼくが、そう言うと、
『ココはオレッチの家でしょーによー!!』と、怒鳴られた。


……。引越したんだ。
多分ぼくは今年引越したんだ!!それすらも忘れているんだ!!
ぼくは、どん兵衛おじさんにこの家にいつから住んでるかを聞いてみた。
…今年の7月からだった。
ぼくはどん兵衛おじさんに丁重にお詫びをした。そして最後に、ぼくは聞いてみた。
「どん兵衛のスープ、粉じゃなくて、今年から液体スープになったんですね?」…と。
『結構、前からでしょーによー!!』と、また怒鳴られた。
ぼくが知らないだけだった……。

『んで…スープの話よりも、それオレッチのYシャツでしょーによー!』
と再度、怒鳴られYシャツを引っぺがされた。
結果、素肌にスーツジャケットという姿で前の家を追い出され、あてもなくしばらく歩いた。そして…ある時、ハッと名案が浮かんだ。

“あ。携帯だ!携帯見れば、きっと何かわかるはずだ!!”
ぼくはバッグの中から携帯電話を取り出した。
………。ぼくは愕然とした。
高校の頃からの十数年間、ぼくの携帯の待ち受けは広末涼子だった…。
しかし、その待ち受けは蓮舫に変わっていた…。
“いったい今年、ぼくに何があったんだ…………”

とにかく、家を探さなければ…。ぼくは、前の家の時の不動産屋に行った。もしかしたら新しい住所を知ってるかもしれないし、どこの不動産屋だったかは幸いな事に覚えていた。
不動産屋に着くと不動産屋は、ぼくがドコに引越したかを聞く前に…
『ありがとうございました!!みんなで美味しくいただきましたよ!お歳暮!』
と、言ってきた。
「??。」ぼくが困惑していると、
『やっぱ違いますね!本場は!』
「え??本場?お歳暮?」
『やっぱり桁が違いますね!大間のまぐろは!!!!』


……大間だ。大間に引越してたんだ。
しかし、なぜ?なぜ青森に?  ん?じゃあ、ぼくは大間の忘年会終わりで、この町田に戻って来たのか??一晩で?それとも中一日挟んでるのか?
しかし、そんなことを気にしてるヒマは無い。
ぼくは不動産屋に贈ったお歳暮の伝票から自分の住所を知り、大間に向かった。


~3~へ続く。