以前より、たまに防腐剤としてグレープフルーツシードエキス
(GSE)を使用してくださいというご依頼があります。
私はその場合、きっぱりとお断りします。
なぜって?
それは14~15年前に検討したことがあり、その実態を知った
からです。
当時、ある化粧品原料商社の方からご紹介を受けアニオン系
増粘剤を使用した製剤の検討をしていました。
ところが製剤の挙動がおかしい。濁り・沈殿・粘度が
出ない・・・
どう考えてもカチオン系のものが含まれているとしか考え
られない。
そこで商社の方に事情を説明し調査をしていただいたら
やっぱりでした。
四級アンモニウムカチオンいわゆる逆性石鹸といわれるもの
が含まれていることが判明しました。(某大手化粧品メーカー
の分析による。)
もちろんそんな成分は自然には存在しません。
意図的に添加したとしか考えられないのです。
したがってそんなインチキ原料は使えないのです。
ところで何故今頃そんな話題を、というのは
あるお客様からのご依頼で試作に際し御支給いただく水に
配合されていたのです。
もちろん事前に配合されていない水をお願いしたのですが。
せっかくなので今はどうなのかとアニオン系増粘剤で試して
みました。
案の定、濁りました。
以前よりは少ないようですが、間違いなく四級アンモニウム塩
が含まれています。
GSEをネットで調べると手作り化粧品原料を扱っている
ショップがいまだに扱っているようでビックリしてしまいました。
もう一度言います。GSEが天然防腐剤というのは
インチキです。
最後に四級アンモニウム塩の代表例として塩化ベンザル
コニウム(表示名称:ベンザルコニウムクロリド)は
「粘膜に使用されることがある化粧品」と「粘膜に使用
されることがない化粧品のうち洗い流さないもの」に
100g中0.05gまで配合できます。