
……この度、吉田クロスカントリー・スキー競技場を見学して気付いたことがあります。
それは私自身がやっていたころと違い、皆さんが明るい雰囲気でクロカンを行っていたことです。
全国大会など大きな試合がおおかた終了し、練習する選手達がリラックスしているというのもありますが、それだけではない様子です。
競技場と名が付いてはいますが、コースを滑走する皆さんには大人も子供も、笑顔が見られました。
皆、思い思いにこの広々として良く整備された専用コースで雪の感触を楽しみながら滑走している様子でした。
新潟県の小・中・高の学校では古くから子供達の心身を鍛える目的で、山を下るアルペンスキー(ゲレンデスキー)と併せて、クロスカントリー・スキーを冬の体育の授業科目として取り入れてきました。もちろん課外クラブ活動でもジャンプ・アルペン・クロスカントリー(ノルディック)と揃えていました。
私がクロスカントリーと出会った小学生の頃は、ブーツだけはスキー板に着くものでなくてはならぬ為専用でしたが、他は防寒も満足にできないヤッケ一枚の下に普通の体操着のみ。手にはただの軍手。
そんな出で立ちで氷点下やフリザードにもなる雪原を走らされていました。
コースも積雪2Mにもなる田んぼの上の深雪を、スキーを履いたまま自分達で踏みつけながら一周2km分を作りました。
それを、月曜日~金曜日の放課後毎日行っていたのです。
手足が凍傷になるか?という思いでやっとコースが出来上がると、地獄のトレーニングの始まりでした。
当時の監督だった小学校教諭は現代の先生方と違って「鬼コーチ」そのものでした。
その鬼コーチが「止め!」と言うまで、一周2㎞のコースを延々と滑走させられました。
少しでも気を緩めると「バカヤロー!!」と怒鳴られ、ストックで叩かれました。
そんな特訓が、毎日放課後から夕方6時以降まで続いたものです。
……そんな、あの時代のイメージと比べると今回目の当たりにした現代のクロスカントリーは考えられないくらい明るい雰囲気になっていて、私は正直驚きました。
同時に以前テレビで元ノルディック複合の世界チャンピオン荻原健司氏の言っていた言葉を思い出しました。
「クロスカントリー・スキーは苦しいだけのスポーツと捉えがちですが、本当はもっと楽しいものです」
良い時代になったと思います。