あなたから会社を引くと何が残るでしょうか?

 あなた - 会社(仕事)= 会社

 まず、ほとんどの人がこうなるのではないでしょうか?
 実際に、会社の知名度が高ければ高いほどこうなるようだ。
 厳しい言い方をすれば、自分の力で、自分が成功していると考えるのは、
 錯覚に過ぎない。


 以前、あるビジネス週刊誌に大垣市で都銀の支店長をしていたことのある
 サラリーマンの言葉が印象的であった。

 この人は、岐阜県大垣市のある大手銀行の支店長として
 単身赴任をしていたそうである。

 道行く人は、そのほとんどの人は
 「支店長おはようございます」とか
 「支店長今日は天気がいいですね~」と声をかけてくれたり、
 挨拶をしてくれたりした。

 住まいには、野菜や作り立ての惣菜を届けてくれたりして、
 次第に大垣が好きになっていく。

 支店長は、この大垣市の市民の情に打たれ、
 「大垣市の住民は何て良い人ばかりなんだろう」
 「定年したらここに家を建てて住もう。」と決心させたそうです。

 そして、数年後転勤となり、その後定年となった。

 そこで、この支店長さん。決心どおり大垣市に家を建てたそうだ。

 然るに、近所の人、今までお付き合いのあった人を含めて、
 全く反応が鈍いことに気が付いた。
 態度もよそよそしい。

 行き交う人も会釈する程度で、支店長時代とは月とすっぽんほどの違い。

 そこで、はっとした。
 「皆は、銀行の支店長としてお付き合いしていたのであって、
  いち人間としてお付き合いをしていたわけではなかったのだ。」


 私は、北海道で、だいたい月1回は必ず公務員と飲んでいる。
 メンバーは、あまり変わらないので、気心が知れている。


 ある50歳くらいの公務員が言った。
 「僕は、興味があるものや趣味も全くないので、
 恐らく停年すれば、職員とも付き合いがなくなるので、
 何にもやることがなく、家でぼお~っとしているくらいしかないので、
 今からせっせと異業種の人と付き合いようにしている」と云われたことがある。

 たしかに、趣味もない、夢もない人とプライベートで付き合っていたり、
 酒を酌み交わしても得るモノがひじょうに少ないだろうし、
 話が合わないかもしれない。
 やはり、同じ教養レベルや共通の趣味・話題がなければ、
 会話にも奥行きがなく、薄っぺらいものとなってしまう。


 私の同級生でも「趣味は?」と聞いても
 「う~ん、今はないなぁ!」と言う人が多い。

 最近こうした無趣味の中年が増えつづけている。
 また、こうした人が、若年性アルツハイマー病は認知症にかかる人が
 ひじょうに多い。

 人間の魅力というのは、決して会社の知名度でもない。
 学力でも、ましてや出身大学でもない。

 如何に頼りになるか、いっしょに遊んでいて如何に楽しいかだ。
 趣味がない人は、服装のセンスも悪いし、だらしない人が多い。

 私は『経営は感性だ』というように、人間力も感性なのだ。
 定年後すぐにボケては、
 今まで会社人間として私生活を犠牲にして働いてしたのに意味がない。


 今からでも人間力を鍛えるためにも趣味を持ち、
 心豊かに生活することが大切です。


あなたから会社を引くと何が残るでしょうか?