入院時に先生から呼ばれて みぞれ混じりの中 急いで病院に駆け付けた際、

 

緊急搬送後のもうろうとした意識の中で兄は医師からその人となりをチェックされていた最中であった。

 

傍らで私も身内という位置づけでのわかる範囲の問診票の記入をお願いされていた。

 

診察の最中で医師は兄の裸の胸元を私に見せ、胸の辺りで手袋に入った人差し指をキュッキュッと肌に擦ってみせた。

 

兄はもうろうとしていた。

 

医師Q:「お風呂はいつ入りましたか?」 

兄A:「え~っと、1週間、いや、10日前くらいかな~」

 

医師Q:「本当ですか~?本当は1ヵ月以上たっているでしょう~?」

兄A:「えへへ、そんなことないですよ~」

 

医師Q:「じゃあ、お風呂じゃなくてシャワーとかは いつ浴びましたか?」

兄A:「わ、わかりません~」

 

医師は垢にまみれた兄が全くお風呂に入っていないことを気にしていた。

 

その後 普段の食事の内容とか どうしてこんな風になるまで病院に行かなかったのか?と色々質問をしていた。

 

兄はいつからかセルフネグレクトに陥っていたのだった。

 

60歳を超えたばかりなのにすでに奥歯も数本が抜けていて、前歯の上下8~10本しかなく 

だいぶ前にも母に歯科医院へ行くように促されていた。

本人は歯が抜けても痛さを感じないらしい。

そういえば、家にも歯ブラシが無かった。 病気で毎日の歯磨きもできないという事だったのか・・・、

 

当然 洗濯もしていないので服も下着も着たきりで 悪臭を放っていて最悪の状態での病院への搬送だった。

髪も伸び放題。 その様子は本物のルンペンであった。

 

後から駆けつけた私は身内として本当に恥ずかしい思いで一杯だった。