頬骨縮小術後
頭がふらついて痛い…
頬骨手術の副作用で脳震盪!
再手術は？
[頬骨縮小術の後
上顎骨にあちこちに
ヒビ(赤い矢印)が入っています]
今日は私がもどかしくて
腹が立ってしまったのですが
頬骨再手術のために来院された
患者の事例を申し上げます。
私が私のブログで
いつも強調するのが"原則"です。
原則を守らなかったために
患者は危うく
命までも失いかけた
呆れてしまうようなケースです。
頬骨縮小術ほど
手術方法が多様な手術は
ありません。
ところで、今日申し上げる
この方法だけは
絶対にしてはいけない
形成外科専門医なら
絶対にしない方法です。
以前に頬骨縮小術後
脳出血を起こした話を
したことがあります。
下をクリックしてみてください。
頬骨手術でなくても
どんな場合の手術でも
麻酔またはその他の副作用で
脳出血が生じることがあると
お話しました。
しかし、このように
ハンマーで頬骨を叩いて
脳出血が起こることが
あってはならないと言いました。
しかし今日は
さらに話にならないケースです…
以前とは違って
頬骨の後部である
アーチだけでなく
前部の本体まで
骨切りするためにハンマーを使い
これによる脳震盪で
手術後、長い期間頭痛が激しく
吐き気、嘔吐まで患っていた患者の
想像もできない
信じられない話です。
ご存知のように頬骨縮小術の際
電動ノコギリを利用して
きちんと骨切りをすれば
安全で精密で予測可能な
手術になります。
患者の写真を見てみましょう。
通常のレントゲンでは
正面(上の写真)や
側面(下の写真)からは
何も見えません。
パノラマ写真を見ると
頬骨の本体に
何か切られた跡があり
頬骨手術を受けたことが
わかります。
詳しいことは見えないです。
頬骨と副鼻腔がよく見れる
ウォータースビューです。
青い丸の中に
頬骨の本体が折骨切りされていて
頬骨縮小術を受けたという事実は
わかりますが
骨切り線がスッキリしません。
赤い矢印で表示されている部分が
骨切り線ですが
滑らかではなく
ノコギリの歯のように
ギザギザしています。
何か問題がありそうです。
3D CTを撮ってみます。
正面写真を見ると
やはり骨切り線が
スッキリしません。
頬骨縮小術を受けたのは
分かりますが
骨切り線がとてもおかしいです。
それで患者に聞いたら
頬骨縮小術の際に
頬骨の本体を
皮膚に小さな穴を開けて
その穴に錠を入れ
ハンマーで叩いて
頬骨の骨を骨切りしたそうです。
骨切りじゃなくて
それこそ骨折ですㅠㅠㅠㅠ
このように骨を折るほどの力で
ハンマーを使うと
私たちの頭にも
衝撃が与えられるのは当然です。
それで患者に聞いてみたら
案の定…
手術後一週間くらいは
頭が痛くて起きられなかったと。
ㅠㅠㅠㅠ
半月位は目眩と頭痛のため
日常生活ができなかったそうです。
3D CTで詳しく見ます。
側面写真を見ると、切断面が
電動ノコギリで切ったように
滑らかではなく
デコボコになっています。
45度から見てもやはり
骨切り面が汚いです。
こんなに大きな骨を
骨切りするために
どれほど強くハンマーで叩いたのか
その衝撃で患者は
どれほど苦労したでしょうか…
右の頬骨も同じです。
やっぱりでこぼこで
上下、酷いところはヒビも入って
もしかすると、このヒビが
瞳の骨まで行っていたら…
考えたくないですが
失明する可能性もありました。
下から見ると横頬骨が
少し引っ込んでいる
効果はあります。
今日は頬骨再手術のために
来院されたのですが
頬骨再手術が問題ではなく
神経外科診療を
受けなければならないようで
勧められた患者さんの話でした。
想像もできない
とんでもない方法で
頬骨縮小術を受け
これによる脳震盪で
めまいと頭痛で
しばらく起きることも
日常生活ができなかったという
ケースでした。
これを頬骨手術の副作用と
言うべきかどうか分かりません。
もう一度申し上げますが
顔の骨の手術時に
ハンマーを使うことはありません。
さらには、両顎手術の際にも
ハンマーは使用しません。
頬骨縮小術後の麻酔で
めまいがすることもありますし
頭痛がすることもあります。
甚だしくは頬骨縮小術でなくても
一般手術を受けて
脳出血も非常に珍しいですが
可能性はあります。
しかし、このように
顔の骨をハンマーで打って
その衝撃で脳震盪、脳出血などが
起きてはいけません。
気分良く過ごしたいものですが
本当に呆れてしまって
このように衝撃的な文を
アップしました。
