顔面輪郭手術から10年後の
固定ピン除去
専門医がご説明します。
顔面輪郭手術時に使用した
10年経った固定ピンです。
今日は、なぜだか最近
問い合わせが多い
固定ピンの除去に関する
お話です。
実は今までは除去しなくても
よいと思っていたのですが
最近、私の個人的な方針が
変わりました。
極たまに、異物反応を見せる
患者がいます。
私がいつも言っていますが
いくら私たちの体に適した金属
または材質の物質であっても
私たちの体ではない異物です。
一般的に顔の骨に使われる
固定ピンの場合は小さく
表面積が少ないため
あまり問題が発生しません。
極たまに、問題が発生した時は
除去をおすすめします。
それに最近は
他の病院で手術を受けて
除去が不可能だという話をされて
私を尋ねて来た患者
そして他の病院で
除去をしている途中で
それ以上できなくなって
固定ピンが残されたまま
除去をしに来た患者など…
ちょっと多いです……
今日の患者です。
この患者は、10年前に
エラ、頬骨、顎先といういわゆる
輪郭3点手術を受けました。
その手術を受けてから
10年が経って
固定ピンの除去を希望されました。
固定ピンを取り外す
経験が多い院長の方は
ご存知だと思いますが
重要なのはピンのサイズです。
1年経ったら骨がネジを埋めます。
つまり、ネジが骨に埋まります。
でも、ネジが小さければ
さらによく埋まります。
そうなると骨を削って
除去をしなければなりません。
上の写真をご覧になると
ネジがとても細く
小さいですㅠㅠㅠㅠ
除去前にすでに
こういった場合は
高難度の除去になるだろうと
予感がㅠㅠㅠㅠ
ネジが小さいと
もう一つの悪い点は
ネジにドライバーが入る溝も
小さいということです。
またドライバーで
ネジを外しているうちに
溝が壊れることもあります。
これは本当に、もう…
困りますㅠㅠㅠㅠ
もちろん外す方法は色々あります!
そして、何よりも
もともと顎の先に使う太いネジが
ちゃんとあるのに
なぜこんなに小さいネジを使うのか
私にもよく分かりません。
顔面輪郭手術をたくさんする
某大型病院で固定ピンを
このように使っていましたが
その病院で学んだ院長たちが
顔面輪郭術をすると
大体このようにしてしまいます。
残念なことですㅠㅠㅠㅠ
ウォータービューをご覧になると
頬骨にも小さいネジが
両側に6本も刺さっています。
ネジの数字は決まっていません。
でも、意味のないネジが見えます。 しかも小さなネジでㅠㅠㅠㅠ
パノラマ写真をご覧ください。
パノラマ写真をご覧いただきますと
顎先に台形プレートと
小さな点のように見えるネジが
8本刺さっています。
こちらも8本まで
打ち込む必要は…
ところではしご型のプレートの下に
何かあります。
ワイヤーに見えるんですが
ワイヤーもとても細いです。
除去できるかわかりません。
使用するネジの数は
手術する医者によって違い
決まった数はないと
申しあげましたが…
プレートにネジを
8本まで使っているのに
ワイヤーまで使う必要が
あったかどうかは
ちょっと考えてみる
問題だと思います。
まさか思いもよらない
異物ワイヤーではないことを
願います。
3D CTを見ましょう。
上の写真で
顎先をご覧いただきますと
すでにCTの画像でも
プレートの一部とネジの一部が
骨に埋まっているのが見えます。
一部だけ埋まっているように
見えますが
これだと実際にはもっとたくさん
埋まっています。
骨を削って除去をしなければ
ならないようです。
険しい旅程が予想されます。
それでもなんとか除去しないと…
頬骨に使用した固定ピンは
埋もれてないようです。
それだけでも助かります。
それでも実際手術に入ってみたら
状況が違う場合が多々あるので
安心できませんㅠㅠ
頬骨の上側が
ふっくらしていますが
これは全く問題ありません。
頬骨が少し開いていると
何か手術が間違ったかのように
飛び上がって
再手術をしなければならないと
騒ぐ病院もありますが
私はわざと広げて
固定する場合もあります。
もちろん一定部分までですが…
上の団体写真をご覧いただくと
大ネジから小ネジ
切断されたネジ…
さらにプレート、ワイヤーまで
多様です。
すべて取り除きます。
10年が過ぎて骨に埋まって変形し
取り除くのが本当に大変でした。
おそらく
私が外した固定ピンの中で
5本の指に入ると思います。
本当に苦労した末に除去しました。
まず右側の頬骨固定ピンです。
ハシゴ状プレートに
ネジが6本あります。
上で述べたように
ネジを多く使うのも少し使うのも
院長先生のスタイルなので
ネジの数字で
手術が正しいか否かを
判断することはできません。
しかし必要のないネジは
あえて使う必要がないです。
とにかく6本のネジを
すべて取り外しました。
次は左頬骨の固定ピンです。
同じく、プレート一つとネジ6本。
プレートの一部が切れていますね。
確認して全部取り除いたけど
さっさと捨ててしまってㅠㅠㅠㅠ
ちゃんと完全に除去しました。
次に1番大変だった
顎先の固定ピンです。
細長いはしご型のプレートに
ネジが8本あります。
ねじがとても小さくて細く
また骨に埋もれて骨を削って抜いて
ねじが小さいから途中で切れたり
ドライバーが入る溝が
潰れたりしましたが
ついに···
なんとか取り除きました。
また、顎先の固定ピンの下にあった
異物のような物質…
直接見たらワイヤーでした。
そしてこれも完全に除去します。
固定ピン除去手術を終えた後の
レントゲン写真です。
顎先、頬骨、
まったく異物は見えません。
固定ピンを完全に
取り外すことができました。
手術時間は40分かかりました。
普通、顎先の固定ピンを
除去するのに5分
頬骨の固定ピンを
除去するのに10分ほどで
全ての過程が終わりますが
この患者の場合
骨を削って壊れたネジを
除去するのに時間が
40分かかりました。
そうやってでも
除去しなければいけません。
ウォーターズビューも
固定ピンがすべて消えました^^
パノラマ写真からも
全部消えました。
今日は
顔面輪郭術の際に使用された
10年経った固定ピンの
除去手術でした。
以前は除去しなくても
良いと思っていたし
今も公式的には
除去しなくても良いと
言っていますが…
私の経験としては
最近患者の中で
問題になっているのは
極一部ではありますが
問題になっているなら
除去をお勧めします。
固定ピンの除去は
手術後1年以内であれば
睡眠麻酔で簡単に除去でき
1年が経過しているなら
全身麻酔するのが安全で
いくら大変でも
完全に除去できますので
なるべく除去されることを
お勧めします。
私達の体の異物安全性については
すでに私のブログで
お話ししました。
下記のリンクをクリックすると
詳細がご覧になれます。