顔面輪郭手術時に
3DCTは
必ず撮らなければならないですか?

 

 
 
最近
エラ削り手術頬骨手術のような
顔面輪郭手術の際に
3D CTを必ず撮らなければならないのか
お問い合わせをたくさんいただきます。
 

この前
ある患者さんが
エラ削り手術と頬骨縮小手術を受けるために
私たちの病院にお越しになられて
レントゲンとパノラマ写真を撮影されましたが、
手術は諦めていただき
代わりに私が江南セブランス病院(延世大学病院)
直接診療予約をさせていただきました。
 
レントゲンで腫瘍が発見されたためです。
 
 
ところがこの患者さんは
私たちの病院が初めてではなく、
色々な病院を回ってみてから
最後に私たちの病院にいらっしゃった方で、
最終的を私から手術を受けられることに決めて
手術の日付まで決めていらっしゃった状態でした。 
 
患者さんのお話によると
行く病院ごとに3d CTを撮影したけれども
どの病院でも発見されなかったそうです。
 
ただの一般レントゲンにも映る腫瘍を
です。
 

 


まずレントゲンを見ると
赤色矢印で囲まれた部分に塊が見えます。
 
 
3d CTでも見つけられなかった
腫瘍の塊が見えますでしょうか?
 
赤色矢印で囲まれた部分に
白い塊が見えると思います。
 
 
よく分からない方は
次の写真をご覧になられてください。
 
 
白い塊がもう見えますでしょうか?
 
これでも見えないでしょうか?
 
 
もうはっきり見えますよね?

 

 
様々な病院で撮影した3d CTでも発見できなかった
腫瘍の塊で、
エラ削り手術の骨切り線上にあります。
 
 
外見から見た時には
悪性である可能性も少しありそうですが、
私の病院と協力病院である江南セブランス病院に
診療予約をさせていただきました。
 

私がお伝えしたいことは
診断であれ、手術であれ、
最近の流行に従うより
まさに私が常に強調する原則
基本に忠実でなければならないということです。 
 
3d CTが重要なのではなく、
基本検査をきちんと判読して
十分に利用できなくてはならないというお話です。

 

 
「基本」がなぜ「基本」なのでしょうか??
 
全般的な内容が全て含まれていて
最も根本である情報を
全て持っているからではないでしょうか?
 

輪郭手術においての基本検査とは
一般レントゲンパノラマ写真です。 
 
両顎手術においての基本は
セファロメトリーという一般レントゲン写真です。

 

 
もちろん
3d CTが必要な時もあり
そのような時には撮影しなければいけませんが、
どの教科書にも
輪郭手術、両顎手術時において
3d CTが必須だというお話はありません。 
 
研究目的や見分けがつかない問題点が
発見される時に撮影をするようになります。
 

 


もちろん
3d CTでも上の腫瘍を発見することができます。 
もっと簡単に発見できるでしょう。
 
ところが見つけるためには
3d(全体的な)形を見ても分からず、
1枚1枚断面が切れた断面のカットを
見なければなりません。
 
そのためいくら3d CTだといっても
断面写真を先に見てから
3dの形を見るのが原則です。
 
 
この原則を守っていれば
上の患者さんの腫瘍もより簡単に発見できていただろうに
そうできていなかったのが残念です。
 

上の患者さんがもし
あの腫瘍が繊維性異形成症のような
出血が多い腫瘍なのにも知らずに
エラ削り手術を受けていたら、
多分腫瘍から出るコントロールできない出血により
大きな問題が生じていたかも知れません。
 
このように出血が多い腫瘍手術をしてみた方は
ご存知だと思います。
 

 

 


今日は
顔面輪郭手術や両顎手術において
検査の基本一般レントゲン
若干は特別なレントゲンであるパノラマ写真という写真であり、
流行している機械よりかは基本的な検査ですが、
きちんと判読して利用することが
より重要だというお話でした。
 
つまり、
基本に忠実な検査
きちんとした判読
そこに原則を守った手術が必要だと思います。
 
 
最近、多くの病院で輪郭手術時
3d CTを撮っておりますが、
上でお話したように
必須な検査ではなく
ただ付加的な検査です。
 
私も私の家族だったら
その放射線を浴びさせながら
撮影はさせないと思います。
 
(私の個人的な考えです。)