CLICK右差し“チェボンギュンの顔の骨のお話”

 

 

 

顔面輪郭手術2年後に副作用

炎症の原因

専門医が説明致します

 

 

 

始めから動画をお見せいたします。

 

動画をご覧になりますとロウソク?

パラフィンを切っているように見えます。

まさにボーンワックスという物質です。

 

このBone Waxという名前からも分かる通り

骨に使われる物質です。

 

 

 

 

顔面輪郭手術をしながら

骨を切る時

断面が露出されたり

または骨の中にある血管を切ると

出血が生じます。

 

 

ほとんどの出血はある程度したら止まりますが

病的に血がたくさん出る骨疾患を患っていたり…

(例をあげると繊維性骨異形成症)

 

または正常的な骨組織でも

太い血管が破裂したり…

 

ではなかったら

神経が切断されてしまったり…

(実は神経が切断されると血管も一緒に切断されます。

私達は一般的にNeoroVascular bundleと呼びます。

Neuro神経

Vascular血管

bundleです。

つまり、神経と血管は共に束で通っているため

神経が切断されると血管も切断され

そうすると出血が多量になります。

まさに今日ご紹介する患者さんの場合です。)

 

 

このようなケースでは

自然に止血がされない場合があります。

 

このような時

血を止めるために使用する物質

まさにBone Waxです。

 

 

 

Bone Waxを詳しくお見せいたします。

 

 

上のように包装されています。

 

 

包装を取ると上のようにロウを固めたような

パラフィンを板状に広げたものです。

 

そして使用する時は上の動画のように切り取り

下のような形にします。

 

 

 

 

 

 

このBone Waxは血が止まらない時

止血作用をすると言われていますが、

 

科学的に反応を起こして止血をするのではなく

物理的につまり、

ただパラフィンで血が出るところを塞ぎます

 

溶けもせずなくなりもしません

それが問題なのですㅠㅠㅠㅠ

 

 

 

 

今日の患者さんは

顔面輪郭手術を受けられてから2年経ちました。

 

しかしある時

右側の顎の下が腫れあがり

熱も持ち、押すと痛くて

典型的な炎症反応が生じました。

 

 

一般的に

形成外科のみならず外科分野では

手術による炎症2週間以内に現れます。

 

それなのに2年後とは…

 

 

 

一旦検査をしてみました。

 

 

上の正面写真と下の側面写真

青色の円の部位が

炎症恐れがある部位なのですが

レントゲン上では何も見えません。

 

 

 

下のパノラマ写真では

右側エラの下歯槽神経が切断され

左側も一部損傷されているように見えます。

 

 

原因を検査上では知ることができませんでしたが

炎症が酷く引くが壊死穿孔が生じる直前なため

開いて手術を行いました。

 

手術をお受けになられた病院では薬だけ処方されたのですが

薬を飲んでも変わりがなく

皮膚を突き抜けそうなので…

 

 

 

そうしたら驚くことに

下のような物質が出ました。

 

 

血が見えるとグロテスクだと

嫌悪感を抱く方がいらっしゃいますので

白黒に致しました。

 

まさにお坊さんたちの体から舎利が出るように

塊がいくつか出たのですが、

よく見てみるとパラフィンです。

 

つまりbone waxですㅠㅠㅠㅠ

 

 

 

 

上のパノラマ写真の青い円の部分で

神経血管の束が切断されながら

出血がかなり発生

これを止血するために

bone waxを使用したように考えられます。

 

 

つまり、

顔面輪郭手術をしながらbone waxを使用したのですが

異物ですので炎症を引き起こします

 

 

 

しかし

なぜ2年間何もなくいたのに

2年後にトラブルを引き起こしたのでしょうか?

 

 

 

 

異物

人が健康免疫力が強い時には

何も問題が生じません。

 

しかし

酷い病気を患ったり

歳を取ったりという理由で

免疫力が落ちながら

このように問題を引き起こします。

 

 

私が再手術、再建手術時に

頬骨でも顎先でも

ボーンセメントチタンのような人口物質よりも

自家組織を使用する理由

まさにここにあります。

 

 

この患者さんの場合

そこにもう一つ加えて

汚い口内を通じて手術を行うため

異物が入る時に

感染がされたまま挿入されたのでしょう。

 

一種のsubclinical infectionの概念で見ても

良いと思います。

 

また

上の除去した写真を見ると

とてもかなりで使用されました。

 

 

bone waxは吸収がされないため

薄く広げて最小限の量を使用しなければいけなく

使用した時には必ず

後処理をしてあげなければなりません。

 

このような

bone wax使用と炎症の関係及び予防方法については

私が第1著者として

既に国際学術誌(SCOPUS搭載ジャーナル)である

WOUND MEDICINE

論文を掲載いたしました。

 

 

 

今日は顔面輪郭手術

数年たって発生した炎症の原因になった

bone waxという止血剤について

説明を致しました。

 

 

異物質なため吸収されず

時限爆弾のようにずっと残り

免疫が落ちると炎症を引き起こすもの

判断できます。

 

どんな手術でも自家組織が良いですよね。

 

 

 

 

だからといって

このようなbone waxを使ってはいけないでしょうか?

 

 

 

必ず使用しなければいけない場合が

あります。

 

その使用方法については私が国際学術誌で言及し

予防方法があると証明しております。

 

安心して手術をお受けになられてください。

 

 

 

 

参考に

不思議に思われるかと思いますので

止血剤をもう一つご紹介いたします。

 

まさにSurgicelという止血剤なのですが

この止血剤は吸収されます

 

吸収がされるので

後で数年後に問題が起こることはないですよね。

 

しかし下の写真で分かるように

布切れのようになっていて骨の表面には使えなく

つまり、骨から生じる出血には使用することができませんㅠㅠㅠㅠ

 

 

よく見るとbone waxだけでなく

このSurgicelETHICONという会社が製造しておりますね…

うん…

 

 

 

このように布切れのようになっていて

切りながら使用します。

 

 

 

 

 

今日は止血剤を紹介するブログになってしまいました。

 

 

 

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